胸焼け:自分の症状の引き金となるものを見つける

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医師は、それを逆流と呼びます。あなたは、おそらく胸焼けと呼ぶでしょう。しかし、何と呼ばれているにせよ、喉に向かって上がってくる燃えるような胸の痛みと、酸っぱいもしくは苦い味とともに起こる、さっき食べたものが口や喉に戻ってくるという感覚である、胸焼けの不快感を誰も味わいたくはありません。

七面鳥とパイを食べ過ぎ、ワインを数杯飲み、アメフトを見ながら一日中ゴロゴロした感謝祭の時など、ほとんどの人がときどき胸焼けになっています。しかし、アメリカの人口の約20%は、最低でも週に1回、胸焼けになっています。他の人よりも重度で継続的な胸焼けに襲われている人は、胃食道逆流症もしくはGERDと呼ばれ、バレット食道という前がん症状を含んだ他の多くの健康問題の原因となり得る、もっと深刻な病気かもしれません。

胸焼けを抑える上で重要なことのひとつとして、自分の症状の引き金となっているものを知ることが挙げられます。食べ物や生活スタイルの中には、胸焼けの原因となる確率が高いものがありますが、結局のところ、それらが全員に同じ影響を及ぼすとは限りません。胸焼けを患っている人でも、問題なく柑橘類を食べられる人もいれば、大きなグラス一杯のオレンジジュースを飲んだ後、一時間も経たずに悲惨な状態になる人もいます。

次に述べるものは、自分の胸焼けの要因を見つけるための3つの方法です。

1.胸焼けの一般的な原因を知る

次のものは、最もよく胸焼けと関連付けられる食べ物や習慣の上位に入るものです。

・大量の食事をとる、遅い時間に食べる、脂肪を多く含む食べ物を食べる。これらの「3大」要因は、胸焼けを患っている人のほとんどに影響すると、St. Louis University of Medicineの内科教授であり、医学士である、Charlene Prather胃腸科専門医は言います。
・チョコレート。これもまた、不運なことに多くの人に共通して見られ、ほとんどの胸焼け患者に起こります。
・コーヒーとカフェインを含む飲料。「コーヒーやカフェインで問題が起こる人もいれば、そうでない人もいます」と、Pratherは言います。
・オレンジやオレンジジュースなど、柑橘系のもの。カフェインが実際に逆流を誘導するのに対して、柑橘系はその酸味によって感覚を真似るだけであると、Pratherは言います。
・ニンニク、タマネギ、その他の辛い食べ物。
・トマト。「調理された状態のほうが生の状態よりも問題を起こしがちですが、どちらも胸焼けの原因となります」と、Pratherは言います。
・アルコール。どの種類のアルコールも胸焼けを引き起こすことができますが、どうやら一部の人にとっては赤ワインが特に厄介なようです。

2.胸焼けの原因を記録するために、食事日記をつける

これらの一般的な要因のどれが自分にとって最も影響があるかを記録するための方法のひとつとして、食事日記があると、医学士、公衆衛生学修士、University of North Carolina at Chapel Hillの消化器病学部の学部長であるRobert Sandlerは言います。「もし何かがあなたの逆流を引き起こしたと思うなら、書き記しましょう。」

食事日記をつけることで、あなたの症状の原因が何なのか、医師が見極めやすくなります。しかし、あなたの書き記していることが本当に逆流であることをきちんと確かめてください。多くの人は、胃や食道などの他の問題の症状を逆流と勘違いします。

「消化管にはひとまとまりの機能障害があり、逆流はそのまとまりのひとつですが、他にもあります」と、Sandlerは言います。「逆流は典型的に、胸骨内を温かく、燃えるようなものが喉に向かって移動する感覚です。これがあなたの感じるものと違えば、それは逆流ではなく、また別の症状かもしれません。」

よって、原因を記録する際には、食べたものとその前に何をしたかとともに、その症状の感覚も書きましょう。

また、胸焼けの症状の時間も書きましょう。「過敏性腸症候群などの他の胃腸の病気は、必ずしも食べた直後に症状を起こすとは限りません」と、Pratherは言います。「しかし、逆流の場合はたいてい、その原因となったものを食べた後1時間以内に胸焼けの症状が起こります。」

3.「白紙状態から始める食事」で胸焼けを防ぐ

イタリア料理を食べに行き、トマトソースと赤ワインを頼み、その後1時間以内にいつもの燃えるような感覚を覚えたらどうしますか?ソースが原因だったのか、あるいはワインが悪かったのか、それともどちらも要因となったのか、どのようにして判断しますか?それは無理なことであると、Pratherは言います。よって、自分の症状の引き金となっているものを見つけるための最も効果的な方法は、白紙状態から始めることです。

「胸焼けの原因になると知られている食べ物はすべて食事から抜き、それからそれらをひとつずつ戻していきましょう。そうすれば、あなたにとって最も問題を起こしているものが何であるかがわかります」と、彼女は言います。

チョコレートなどの、胸焼けを誘発する食べ物は、少量を、小さな食事の一部としてのみ、それからあまり遅くに食べないことによって、影響を最小限に抑えることもできます。「朝食のような大きな食事では大丈夫かもしれませんが、夕食で大量に食べたらつらいかもしれません」と、Pratherは言います。「それから、食後は激しい運動をしたり、数時間寝転がったりしないようにしましょう。代わりに、散歩をしましょう。そうすれば、胃が空っぽになりやすくなります。」

ひとりで苦しまなくても良いということも忘れないで下さい。あまりつらくない胸焼けがたまに起こる場合は、市販の制酸薬で治療することができます。しかし、慢性的で厄介な胸焼けは、医師に診てもらうべきであるというサインです。

「胸焼けは、耐えながら生きていかなければならないものだと考える人が多いです」と、Sandlerは言います。「しかし、糖尿病を患っている人は、インスリンなしで生きていくわけではないですし、高血圧の人も薬を服用しています。一部の人にとっては、胸焼けは慢性病であり、そのような扱いを受けなければなりません。」

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