ルイボス
ルイボスは少し甘味のあるお茶で、強力な抗酸性が謳われています。広く受け入れられ、市場で出回っているにも関わらず、その主な生物活性物質(アスパラチン)が吸収されにくいため、健康促進に関する性質には制限があることが示唆されています。
概要
ルイボスティーは、ルイボスという植物からほとんど煎じられているお茶で、その味(少し甘味があり、緑茶や紅茶よりは苦くない)、カフェインがほとんどあるいは全く含まれていないこと、そして市場では抗酸性と健康促進効果が謳われているために、ある程度有名な飲み物となっています。
主な主張を見てみると、ルイボスに含まれている生物活性物質が比較的強い抗酸化剤であるようですが、体外(生きている体ではないところ)で試験を行った場合でも、緑茶のカテキンよりは強力なものではありませんでした。主な生物活性物質であるアスパラチンも、生きているモデルにおいてはかなり吸収されにくく、これによってプラズマ酸化能力を増加させる方法が制限されています。ルイボスが抗酸化剤として働く可能性はありますが、効果はほんのわずかであり確実なものではありません。
吸収されにくさを考慮したとしても、このお茶を飲むことに対する潜在的なメリットはいくつかあります。ルイボスティーによって胃腸障害を緩和することができると言われていますし、胃腸内で何らかの弛緩作用が働くと考えられています。しかし、現時点では人間における証拠がありません(この点に関しては、ペパーミントの方がより分別のある選択肢でしょう)。腸からのグルコース吸収を抑制するとも考えられており、抗肥満作用や抗糖尿病作用もあるかもしれませんが、現時点では人間に関する研究は行われていません。
現在、ルイボスはおいしいお茶であるために注目されていますが、どんな抗酸化化合物でも見られるような、不健康な人に対する標準的で有益な(規模の小さい)変化を除いては、その健康に対する効果を支持するような証拠は十分に揃っていません。
基礎知識
○混同注意
アスタキサンチン(アスパラチンと響きが似ており、また色も赤いです)
○注意事項
・ルイボスの経口摂取によって、血漿内のミダゾラム濃度が減少することが確認されており、CYP3Aの活性が増加すると示されています。
摂取方法
まだ情報が不十分であるため、お茶としてあるいはサプリメントとしてルイボスを摂取する際の最適量を決定することは難しいです。しかし、人間において効果的である最少の摂取量は、750mgのルイボスから淹れた1杯のお茶であると考えられています。
茶葉を毎日750~3,000mg摂取すること、できれば食事と一緒に複数回摂取することが最適であるかもしれません。