中耳炎について

中耳炎とは何でしょうか?

中耳炎とは、中耳の感染もしくは炎症のことです。この炎症は、喉の痛み、風邪、または呼吸器疾患を起こす感染が中耳まで広がったことをで始まることがあります。ウイルスもしくは細菌感染である可能性があります。75%の子供が3歳の誕生日までに最低でも1回中耳炎に罹っています。その半数が3歳までに3回以上中耳炎に罹っています。中耳炎による医療費と逸失賃金は米国で毎年50億ドル(5400億円)にのぼります。中耳炎は赤ちゃんや幼児がかかりやすい病気ですが、大人がかかることもあります。

なぜ子供は大人よりも中耳炎に罹りやすいのでしょうか?

なぜ子供のほうが大人よりも中耳炎に罹りやすいのかについては、様々な理由があります。まず、子供は感染症と戦う力が弱いです。これは子供の免疫系は発達中だからです。別の理由としては、子供の耳管に問題があります。耳管は喉の上部と中耳を繋ぐ小さな管です。大人に比べて、子供の耳管は短く、傾斜が緩やかです。このため中耳炎になりやすくなっています。

子供が中耳炎になりやすい別の理由としては、子供の咽頭へんとう腺は大人よりも大きいことが原因です。咽頭へんとう腺は、感染症と戦う細胞(リンパ線)で大部分が構成されています。咽頭へんとう腺は、喉の上部、耳管のそばにあります。咽頭へんとう線肥大は、その大きさから、耳管の開閉を阻害します。加えて、咽頭へんとう腺自体が感染することがあり、感染は耳管にまで広がることがあります。

細菌は内膜や耳管の管を通じて内耳まで届き、感染を起こし、中耳の内膜の腫れ、耳管の閉塞、感染と戦うため血中から白血球が移動してくる原因となります。この過程で、集まった白血球は細菌を殺し、白血球自体も死んでいき、中耳内に黄色がかった膿ができます。膿が増えると、鼓膜や中耳骨が自由に震えなくなるために、耳の聞こえが悪くなります。中耳炎が悪化すると、多くの子供が酷い耳の痛みに悩まされます。耳の中に大量の水が溜まると、鼓膜が圧迫され、時には破れることもあります。

中耳炎の影響にはどのようなものがありますか?

中耳炎はひどい痛みを起こすだけではなく、治療しないと重大な合併症を起こす場合があります。中耳炎を治療しないと、中耳から脳を含む、頭に近い場所まで感染が広がることがあります。中耳炎による難聴は通常は一時的なものですが、治療をしていない中耳炎は永久的な難聴になることもあります。中耳内に溜まったままの水、慢性中耳炎は子供の聴力を悪くしてしまうため、発話・言語能力に重大な影響を与えます。小さな頃から頻繁な中耳炎による難聴を繰り返している子供は、発話・言語能力に重大な影響がある場合があります。

子供が中耳炎であるかもしれないということはどうすればわかりますか?

中耳炎は見つけるのが難しいことが多いです。なぜならば、この病気に罹っている多くの子供たちには、十分な発話・言語能力がなく、何が子供を困らせているのかについて放すことができないためです。中耳炎を見つけるための、一般的なサインは次の通りです。
・普通でないぐらい、怒りっぽい
・寝付けない
・片耳、または両耳をひっぱる
・発熱
・耳から水がでる
・バランス感覚がない
・静かな音に対して無反応であったり、テレビに近づいて座っているなどの難聴の兆候がある、または注意散漫である

中耳炎を予防するためにできることはありますか?

全ての乳幼児に適用できる特定の予防方法としての、ウイルス性呼吸疾患に対する予防接種や、特に中耳炎を起こす原因となる細菌に対する予防接種は現在のところ接種することができません。しかし、周りの人の環境によってなりやすいことがわかっており、喫煙する大人と住んでいる子供は、中耳炎に罹りやすいとされています。従って、中耳炎になりやすい子供は、病気の子供との接触やタバコの煙がある環境を避けるようにしましょう。ミルクを与えている赤ちゃんは、寝たままボトルを飲ませると頻繁に中耳炎になりやすいと言われています。母乳育児をしている赤ちゃんは中耳炎になることが少ないとも言われています。調査結果によると、抗ヒスタミン剤や鼻炎薬などの風邪やアレルギーの薬で中耳炎を防ぐことはできないとの結果が示されています。中耳炎を避けるために一番の方法として期待されているのは、中耳炎を起こす原因となる細菌に対するワクチンの開発です。研究者たちは中耳炎を予防するための有望なワクチンを開発中です。追加的臨床実験はワクチンの硬化性と安全性を保証するために確実に行われる必要があります。

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