物忘れ

症状

頭を一発殴られた後、自分が何者で、どこから来たのか思い出すことができず、戸惑ってしまうというシーンは、映画でよく見かけるものでしょう。このような、突然の重度の記憶喪失は稀にしても、物忘れというのは、程度の差こそあれ、ほとんどの人を悩ませる問題であると言って間違いないでしょう。

時折忘れっぽくなってしまうだけだとしても、もしくは、日常生活に関わる、最近の事柄を忘れてしまうとしても、物忘れにはたくさんの原因が考えられます。

物忘れの原因

こちらが物忘れを引き起こす原因として考えられる、一般的な要因になります。

薬物治療。処方箋や市販薬の多くは、物忘れを助長させたり、その原因となったりする作用を持っています。特に次のものには注意が必要です。抗鬱剤、抗ヒスタミン剤、抗不安薬、筋弛緩薬、精神安定剤、睡眠薬、また術後に与えられる鎮痛剤にも気をつけましょう。

アルコール、タバコ、薬物等の使用。過度のアルコール摂取は、物忘れの原因であると、かなり前から認識されてきました。

タバコは、脳内に入る酸素の量を減らしてしまうため、記憶力を低下させてしまいます。研究によると、喫煙者は非喫煙者に比べて、他者の顔と名前を一致させるのが難しいことがわかっています。違法薬物は脳を麻痺させるため、物事を思い出すことが難しくなってしまう場合があります。

睡眠不足。正常な記憶力には、睡眠の質と量、どちらも大切になってきます。睡眠時間が少なすぎたり、夜に何度も目が覚めてしまうと、疲労感を招いてしまうことがあり、人間が持っている、情報を固め、取り出す能力の邪魔となってしまうかもしれません。

鬱やストレス。鬱になってしまうと、注意を払ったり、集中したりすることが難しくなってしまい、記憶力に悪影響を及ぼしてしまうかもしれません。ストレスや不安もまた、集中力を阻害してしまう場合があります。緊張していて、脳への刺激が多すぎたり、気が散ってしまうとき、記憶力は低下するでしょう。精神的苦痛から引き起こされたストレスも、物忘れに繋がってしまうことがあります。

栄養不足。質の良い栄養(上質タンパク質や、上質な脂肪を含みます)は、脳の正常な機能には不可欠です。ビタミンB1やB12の欠如は、特に記憶力に影響を与えるでしょう。

頭部外傷。例えばオートバイからの転落や交通事故等の、頭部への強い打撃は、脳を傷つけ、短期記憶と長期記憶、両方の記憶障害を引き起こしかねません。時と共に記憶力は回復する場合もあります。

脳卒中。脳卒中は、脳へと繋がる血管内の妨害物か、もしくは脳への血管の漏れによって、脳への血液の供給が止まったときに、起こります。脳卒中は、短期記憶の喪失をよく引き起こします。脳卒中を経験した人の中には、幼少期の記憶は色鮮やかに覚えているのに、お昼ご飯に何を食べたかは思い出せないというケースがあります。

認知症。認知症とは進行性の記憶、もしくは思考障害の名前であり、その中で日常生活において支障をきたす程深刻なもののことを指します。認知症には、血管疾患、薬物やアルコール依存、その他脳への損傷として考えられる諸要因等、数々の原因が考えられますが、最も一般的で、良く知られているのがアルツハイマー病でしょう。アルツハイマー病は、脳細胞の進行性消失や、その他の脳における異常が特徴的な病気です。

その他の原因。その他に考えられる物忘れの原因としては、甲状腺が働き過ぎているか、もしくは逆に働かなさ過ぎているか、また脳に悪影響を及ぼすHIVや結核、梅毒等への感染等があります。

物忘れの原因を突き止めましょう

物忘れがひどくなってきていたり、日常生活に影響が出ていたりする場合は、医師に相談し、原因を突き止め、最良の治療法を探しましょう。

物忘れを診る場合、医師はまず病歴を確認し、神経学的検査を含む、身体検査をします。そして知能を測るための質問をします。結果次第では、その後の診察で、血液検査や尿検査、神経検査、そしてコンピューター断層撮影(CAT)によるスキャンや、磁気共鳴映像法(MRI)等の脳の画像検査等があるかもしれません。

物忘れの治療法

物忘れの治療法はその原因によります。多くの場合、治療によって症状の改善は可能でしょう。例えば、薬物治療による物忘れならば、薬を変更することで解決するかもしれません。栄養サプリメントを摂取すれば、栄養不足による物忘れは落ち着くでしょう。また鬱が原因ならば、その治療をすることが有効的でしょう。脳卒中の場合のように、中には心理療法によって、歩いたり、靴紐を結ぶ等の作業のやり方を思い出すことができる場合もあるでしょう。その他の例でも、時と共に記憶力は改善するかもしれません。

物忘れに関連した病気の場合、治療法も明確になりやすいでしょう。例えば、アルツハイマー病に関連した記憶障害を薬で治療することは可能ですし、血圧を下げるための薬は、高血圧に関連した認知症が、脳に損傷が与えるリスクを減らすのに役立つでしょう。

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