歯ぎしりの治療
歯ぎしりの治療には、マウスガードやスプリント、心理療法を利用することなどが含まれます。
マウスガードとスプリント
もし寝ている間に歯ぎしりをするなら、夜にマウスガードやスプリントをはめてみると良いかもしれません。
マウスガードやスプリントは、顎への圧迫を分散させ、歯をさらなる損傷から保護するために上と下の歯の間に物理的な壁を作ります。
マウスガードは、ボクシングやラグビーなどのスポーツで使われるものと似ています。それらはゴムやプラスチックでできていて、自分の口に合うように歯科医に作ってもらうことができます。地元の薬局でもマウスガードを購入することはできますが、オーダーメードのものほどにはサイズが合わないでしょう。
スプリントは、もっと硬いプラスチックでできていて、上もしくは下の歯にぴったりとはまります。歯ぎしりの症状を和らげるという意味では、これはマウスガードと同じくらいの効果があります。しかし、1年も持たないことが多いマウスガードと比べて耐久性が良いため、値段は高くなります。
オーダーメードの歯科装置を作るには、お金がかかる場合が多いです。たいていはBand 3(価格のステージ)級の治療ですが、装置の種類とその作り方によってはさらに高価になるかもしれません。あなたの選択肢とその値段を歯科医に尋ねてみましょう。
ストレスと不安の治療
もしあなたの歯ぎしりの根本的な原因がストレスや不安にあるなら、認知行動療法(CBT)などの心理療法をしてみると良いかもしれません。
もし歯ぎしりがストレスからくるものなら、リラックスし、夜に熟睡することが重要です。寝る前に緊張をほぐすためにできることは、次のようなものも含めて数多くあります。
・ヨガ。
・深呼吸。
・マッサージ。
・読書。
・入浴。
・音楽を聴く。
習慣を直す
習慣転換のテクニックは、歯ぎしりの習慣を直すために考えられたものです。しかし、習慣転換のテクニックを使うことによって歯ぎしりが解消されるということを示す科学的な証拠はありません。
もし歯ぎしりをする時に起きているなら、自分がどのくらいの頻度で歯ぎしりをしているのかを毎日記録すると役に立つかもしれません。そうすれば、どのような時になぜ歯ぎしりをするのかを知ることができます。例えば、集中している時やストレスを感じている時かもしれません。
習慣を自覚していると、直しやすいです。習慣を直すには、歯ぎしりをしたり歯を食いしばっていることに気づいた時に顎の力を抜く練習をすると良いかもしれません。例えば、軽く口を開いたり、上と下の歯の間に優しく舌をのせてみると良いでしょう。
習慣転換のテクニックは、特別な訓練を受けた療法士が使っているかもしれませんし、コンピュータープログラムやセルフヘルプ・ブックを使って自分で試してみても良いでしょう。医師にアドバイスしてもらうこともできます。
歯の問題の治療と予防
さらなる損傷を防ぐために、歯ぎしりが原因で起こった問題をすぐに治療できるよう、定期的に歯科検診を受けましょう。
歯ぎしりが原因の歯並びの悪さや歯が欠けている、ゆがんでいる、または歯の不足などの歯の問題は、たいていは義歯やオーバーレイ、クラウンなどといった歯の再建治療で処置することができます。
これらの治療は、時に歯の噛む面を変形させ、歯ぎしりを治すことがあります。このような歯の治療はたいていの場合が有料で、値段も高価なことが多いです。
薬
たいてい、歯ぎしりの治療に薬は使われませんが、イブプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)は、歯ぎしりによって顎に生じた痛みや腫れを和らげることができるかもしれません。
場合によっては、症状を和らげるために、寝る前に筋弛緩薬を服用することを医師に提案されるかもしれません。
もしあなたの歯ぎしりが抗うつ剤の副作用なら、服用している薬を変えることを医師はすすめてくるかもしれません。医師に相談せずに、処方されている薬の服用をやめることは絶対にしないでください。
各自でできる歯ぎしり予防
歯ぎしりを防ぐには、次のようなことをしてみると良いでしょう。
・寝ている間の歯ぎしりを悪化させることがあるため、飲酒量を減らす。
・禁煙する。
・エクスタシーやコカインなどの快楽を得るための麻薬の使用を控える。