アルツハイマー病の物忘れに対処する

John MacInnesにとって、アルツハイマー病の始まりは、衝撃的でした。元重役で、ミシガン州ブルームフィールドヒルズの牧師が、最初に異変に気づいたのは、地域団体にパワーポイントのプレゼンテーションを行っている時でした。「それから、話の途中で、問題が起きたのです」と彼は言います。「私の目の前には、よく推敲された原稿がありましたが、適切な言葉を見つけることができず、何も言うことができなかったのです。それは、多少ショッキングな出来事でした。」
物忘れや、思考障害は、この病気の顕著な症状です。しかし、MacInnesは、ある点において、幸運でした。彼は、初期段階だと診断されたため、物忘れに対処するために対策を立て、日常生活をコントロールし、彼の希望を、それを実現できる親しい人々に伝えることで、彼の将来を計画できたからです。
不吉なプレゼンテーションの直後、当時80歳だったMacInnesは、医者の診察を受けました。彼は、以前であれば、難なくこなせた複数の作業を行うのに苦労していました。また、知らない土地を運転する時に、混乱するようになっていました。診察の後、彼は、アルツハイマー病だと診断されました。アルツハイマー病とは、脳細胞が破壊されて、物忘れ、混乱、思考障害、そして人格の変化が起こる、進行性の脳疾患です。
アルツハイマー病の診断を受ける多くの人と同様、MacInnesは、恐怖と悲しさを感じました。「数週間、格闘し、落ち込み、なぜこんなことが自分の身に降りかかったのか、自問しました。途中で、「アルツハイマーは自分には関係ない」( ‘ALZ Is Not About Me.’ )という詩を自分に対して書きました。自分に詩を書くということは、今までしたことがありませんでした。振り返ってみると、あれは、自己憐憫を捨て去ることに集中し、よりアルツハイマー病について学ぶことに焦点を当て始めた時だったのではないかと思います。」
「確かに、私の輝かしい日々に雲がかかっているかもしれないが、私の人生は終わっていない。このたそがれの日々がもたらすものに関わらず、神は安らぎを与えてくださるだろう」と彼は詩に書いています。
彼の新たな姿勢とは裏腹に、徐々に自立できなくなることは、悔しいことだと、現在82歳のMacInnesは言います。例えば、彼は、もう長い距離を運転できず、慣れ親しんだ場所の短いドライブにとどめなければなりません。
アルツハイマー病の物忘れ
アルツハイマー病の初期段階では、患者の精神機能が緩やかに衰退します。例えば、何かを読んだとしても、ほんの少しの情報しか得られないでしょう。もしくは、単語や名前を思い出すのに苦労していることを、家族、友人、同僚が気付くでしょう。
アルツハイマー病の中期の段階では、大きな記憶、思考障害が現れます。自分の住所や電話番号など、重要な情報を忘れたり、現在の居場所に混乱したりすることがあります。
より深刻な段階、または末期の段階では、興奮したり、気分が落ち込んだり、幻覚症状が出たりすることがあります。話す能力、動きをコントロールする能力を失い、周囲に反応できなくなります。アルツハイマー病発病後、3年から20年生きられますが、平均的に、診断の4年から6年後に亡くなる人が多いです。
the Alzheimer’s Associationによると、530万人のアメリカ人が、アルツハイマー病を患っています。
「これは、非常に衝撃的な分析結果です」と、シカゴの 医療社会事業担当者であり、family and information services for the national office of the Alzheimer’s Association の組合長のBeth A. Kallmyerは言います。新たに診断された人々の多くは、すぐに重い障害が現れることや、末期の患者のことを思い浮かべると、Kallmyerは言います。しかし、「実際には、ますます早期の診断が行われるようになったため、患者は、生きているうちに、まだ、様々なことをできるということなのです。」
「この疾患の治療法はありません。」 しかし、Kallmyerはこう続けます。「しかし、私たちは、何かを手を施し、計画を立て、長期治療の不安を取り除くために最適な方法を考える手助けをすることができます。早期に治療を始める場合、この過程に参加する権利が与えられます。これは、とても重要なことだと私たちは考えています。」
物忘れに対処するためのアドバイス
かつて、多くの従業員を抱える多忙な重役だったMacInnes は、複数の要望をこなす達人でした。退職した現在、彼は、カードに書きとめることで、タスクをこなしています。「その日にやりたいこと5つを書き出して、それらに1から5までの優先順位をつけています」と彼は言います。「全てをこなせる日もあれば、3つか4つしかできない時もあります。しかし、これは一日一日に焦点を置いており、それが助かっています。」 最近のある一日の彼のリストは、このようになっていました。テラスの家具をしまっておく、低木を刈る、セラーを整頓する、そして、木彫の場所を整頓する。
アルツハイマーの患者にとって、日常生活には、困難が多くあります。なぜなら、彼らは、遠い昔の出来事は明確に思い出すことができたとしても、直近の会話や出来事はすぐに忘れてしまうからです。時間の経過を追ったり、約束を覚えていたり、他人の名前を思い出したりするのに苦労する人もいます。物忘れに対処するために、the Alzheimer’s Associationでは、以下のようなアドバイスをしています。
・常に、大切なメモを綴ったものを、手元に置いておきましょう。その中に、住所、電話番号と、緊急時の連絡先が含まれているか、確認しましょう。また、自宅の場所を示した地図、人との約束についての「to do」リスト、そして、覚えておきたい考えやアイディアも一緒に入れておきましょう。
・電話の横に、電話番号を大きく印刷したものを貼りましょう。そこには、自分の住所と現住所の説明に加えて、緊急時の番号を書いておきましょう。
・食器棚やたんすに、セーター、靴下、皿、フォークやナイフといったように、単語や絵で中身を説明したラベルを貼りましょう。
・日時が表示される、読みやすいデジタル時計を買いましょう。それを、目につきやすい場所に置きましょう。
・電化製品には注意しましょう。ストーブや、プラグを抜いたアイロンの電源を切るという注意書きを残しましょう。もしくは、自動で電源が落ちる機能がついたものを選びましょう。
・食事の時間や、人と合う約束、薬の時間のリマインドの電話をかけてもらえるよう、信頼できる友人や親族に協力を求めましょう。
アルツハイマー病が進行するにつれて、収支のバランスを保つ、レシピ通りに料理をする、または、家庭での簡単な修理いった、やり慣れた仕事が難しくなることがあります。何かをするのが難しくなったら、助けを求めることを考えましょう。
今後の居住についての選択肢とサービスについて考えましょう
現在、MacInnesは、自宅に妻と住んでおり、外部の助けは必要ではありません。しかし、いつか、自宅にいることができなくなる場合に備えて、アルツハイマー病患者のための、援助つき介護センターについて調べ始めました。
自宅での助けを求める場合でも、自宅以外の場所に引っ越す必要がある場合でも、初期段階の患者は、以下のように、今後のために準備ができます。
・自宅に住み続けたいという希望を家族に伝えましょう。自宅で安全に暮らすために必要になると考えられる援助の種類について、話し合いましょう。
・在宅援助、宅配食、輸送など、地域のサービスについての情報を集めましょう。
・自分で生活できなくなった場合に、どこで、誰と住みたいのか、家族に伝えましょう。
・退職後の高齢者居住地区、アシステッドリビング、家事援助など、居住についてどんな選択肢があるか調べましょう。
「ここには、あなたと話をし、プランを考えるのを助けてくれる人がいます」と、Kallmyerは言います。