いびき

症状

いびきに真剣に向き合おうとする人は少ないでしょうが、実は重大な状態なのです。
夜中にピーピー、ゼーゼーという音が出ている状態が深刻な問題に発展しかねないのです。自身の健康を害することはもちろん、そのいびきが他人を夜中に起こしてしまう場合は人間関係をも傷つけてしまうのです。

いびきに悩んでいる人は驚くほど多いのです。The US National Sleep Foundation (NSF)は、アメリカ人のおよそ三分の一が時折いびきをかいていて、習慣的にいびきをかいている人がおよそ3700万人いると推定しています。

「原発性いびきはとても一般的にみられます。」と言うのはミシガン州Noviに位置するJohn Providence Park HospitalのMichigan Institute for Sleepにおいてディレクターを務めるBradley Rowens博士です。「30-60歳の男性の40%、そして同じ年齢層の女性の30%が、おそらくいびきをかいています。」

いびきがより深刻な事態を示唆する可能性について

いびきが、それ自体よりも深刻な問題、すなわち閉塞性睡眠時無呼吸の兆候である場合があります。睡眠時無呼吸下においては、人は数秒間呼吸を止めてしまいます。この障害は高血圧や脳卒中すら招いてしまう恐れがある、とUS National Institutes of Health は言います。

しかしながら、普通の人が激しいいびきと睡眠時無呼吸を区別することは難しいだろう、とSusan Zafarlotfiは言います。Susanはニュージャージー州にあるHackensack University Medical Centreのthe Institute for Sleep-Wake Disordersとthe Breath and Lung Instituteにおいてクリニカル・ディレクターを務めています。このような理由から、習慣的にいびきをかく人は皆、医師や睡眠の専門家の診察を受けて、根本の問題が睡眠時無呼吸なのかを決定する必要があるだろう、と彼女はいっています。

Rowensは、原発性いびきでは典型的には一定で単調な音が出るといいます。「木材をノコギリで切断しようとする時に出るような音が出て、これが呼吸の停止や息切れに妨害される、といったことはありません。」

ほとんどの場合、いびきは健康面に大したダメージはもたらしません。但しNSFは、いびきによって睡眠が妨害されることが原因で日中に頭痛、疲労、集中力欠如等を経験する可能性がある、といっています。いびきをかく人のパートナーにおいては、環境不眠症とよばれる睡眠不足がおき、前述の症状が現れます。

「いびきは、パートナーに絶対に迷惑をかけてしまうのです。」Zafarlotfiは、いびきの検査を受けにくる人のほとんどが、受診をパートナーに勧められたことがきっかけで来院している、ということを付け足しつつ、こう言っています。

いびきの原因

いびきは、気道が部分的にブロックされた場合に引き起こされます。いびきの音は、口腔内で舌、口蓋垂、咽喉の上部、そして軟口蓋が接触する際に発せられます。これらの組織が互いに摩擦を起こし、振動によって引き起こされた音が、いびきの音です。

一般的にいびきの原因には、体重過多(気道を狭くしてしまい、前述の組織同士がより接触しやすくなる)、アレルギーや風邪による鼻づまり、飲酒や気道をゆるませる鎮静剤の服用、鼻中隔歪曲等の(解剖)構造的な欠損などがあります。

いびきへの処置は、原因によって変わります。咽頭扁桃肥大や鼻中隔歪曲がいびきの原因である場合は、手術が必要になります。

まずは生活習慣の見直しから

医師らは、まずは生活習慣を変えることから始めるべきだ、と考えています。これには、減量、運動量を増やすこと、就寝時間付近の飲酒、或いは鎮静剤の服用を控えること、などがあります。

「体重は大きな問題です。というのも、体重過多が気道狭窄の原因だからです。」Zafarlotfiは言います。

Rowensによれば、禁煙もまた役立つそうです。

多くの場合、仰向けに寝ないよう教えることで解決されてしまいます。真夜中に寝返りを打って背中を下にしてしまわないよう、パジャマの背中部分にテニスボールを縫い付けることを推奨しています。

鼻づまりがいびきの原因である場合は、鼻づまり薬や抗ヒスタミン薬を用いてアレルギー反応をコントロールすると良いでしょう。但し、抗ヒスタミン薬の多くは鎮静作用があるため、問題を悪化させてしまう可能性もあります。Rowensは、鼻腔を膨張させるストリップも役立つ可能性がある、と言っています。

いびきを抑えるため、睡眠中に舌の位置を固定する歯科器具もある、とRowensは言います。最新の器具では、小さな棒を喉の奥に入れ、軟口蓋を「硬直」させて振動を少なくするものもあるそうです。

睡眠時無呼吸は治療可能

いびきが睡眠時無呼吸によって引き起こされている場合は、手術を必要としないCPAP
(持続性気道陽圧)が最も標準的な治療法だ、とZafarlotfiは言います。American Academy of Otolaryngology – Head and Neck Surgury によれば、CPAPでは、専用の鼻マスクやまくらが使用され、患者が気道を開放するために空気を吸い込む際、空気の流れによって十分な圧力が作り出され、気道に空気が送り込まれるそうです。

この他の処置は一般的に推奨されていません。というのも、これらはいびきを止めることには成功しても、睡眠時無呼吸の症状が依然として残っているからです。

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