PTSDの原因

その他

心的外傷後ストレス障害(PTSD)は非常に強いストレスを感じるような、恐ろしく、悲惨な出来事の後、または長期の外傷体験の後に発症し得ます。

PTSDに繋がる可能性のある出来事には以下のようなものがあります。
・重大な自動車事故
・性的暴力、強盗などの暴力的な人身虐待
・長期にわたる性的虐待、暴力、または酷いネグレクト
・無残な死の目撃
・軍事戦闘
・人質になる
・テロ攻撃
・深刻な洪水、地震、津波などの自然災害
・生命を脅かす状態であるという診断
・近しい家族や友人の予期せぬ重傷または死

PTSDはたいてい、離婚や失業、試験の落第など単に動揺している状況に関係しているわけではありません。

深刻な外傷を経験した人の3人に1人がPTSDを発症する。特定の人々が発症し、それ以外の人が発症しない理由は完全には解明されていません。しかし、一部の人はPTSDを発症する可能性が高いように思われます。

過去にうつ病や不安を抱えていた場合、または家族や友人の支えが十分で無い場合は、トラウマ的な出来事の後に、PTSDを発症しやすくなります。

PTSDに関連する遺伝子も存在し得ます。例えば、精神的健康に問題のある親を持つことは、子どものPTSD発症の可能性を増加すると考えられます。

可能性のある要因

人々がPTSDを発症させる理由は明確ではありませんが、いくつかの仮説が示されています。これらについては以下で説明します。

生存メカニズム

1つの仮説は、PTSDの症状は、さらなる外傷体験から生き残るのを助けることを目的とした本能的なメカニズムの結果である、ということです。

例えば、PTSDの経験を持つ多くの人々のフラッシュバックは、その出来事について深く考え、それがふただび起きた時によりよい対応が出来るようにするように、強制的にする場合があります。他の危機的状況ですぐに反応するのを助けるために、「緊張状態」にある感覚(過覚醒)が発達し得るのです。

しかし、これらの反応は生き残るために役に立つことを目的としているかもしれませんが、そのトラウマ的な出来事を処理し次に進むことが出来ないため、実際には役に立たないのです。

アドレナリン濃度

研究によると、PTSD患者には異常なレベルのストレスホルモンがあることが示されています。

通常、危険に晒されると、体内での反応を引き起こすアドレナリンなどのストレスホルモンが生成されます。この反応は、しばしば「闘争・逃避」反応として知られており、感覚を鈍らせ、痛みを緩和するのに役立ちます。

PTSDの人々は、危険が無い場合でも、大量の闘争ホルモンまたは逃避ホルモンを生成し続けることが判明しています。これは、PTSDを患う一部の人々が経験した麻痺した感情や過度の興奮に原因があると考えられています。

脳内の変化

PTSD患者では、感情処理に関与する脳の部分が脳スキャンで異なって見えます。

記憶と感情を担う脳の一部は海馬として知られています。PTSD患者では、海馬のサイズは小さく見えます。脳のこの部分の変化は、恐怖や不安、記憶障害やフラッシュバックに関連すると考えられています。

誤動作している海馬はフラッシュバックや悪夢が適切に処理されるのを妨げる可能性があるため、それらの不安は時間とともに小さくなることはありません。

PTSDの治療は記憶の適切な処理をもたらし、時間の経過とともにフラッシュバックおよび悪夢は徐々に消滅します。

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