双極性障害

2018.03.06

症状

兆候と症状

双極性障害の患者には、異常に激しい感情、睡眠習慣や活動量の変化、不自然な行動などが見られる期間があります。この特徴的な期間のことを「気分エピソード」と呼びます。気分エピソードでの感情や行動は、その人の普段のものとはかけ離れています。気分エピソードは、活力や活動、睡眠に大きな変化を引き起こします。

躁病エピソードにおける症状

・気分が高揚している、自信に満ち溢れている
・非常に元気
・活動量の増加
・興奮している
・眠れない
・普段より活発になる
・様々なことについて、非常に速く話す
・短気で、興奮しやすくなる
・思考が早くなったように感じる
・一度にたくさんのことができると思い込む
・お金の無駄遣いや無謀なセックスなど、リスクの大きいことをやってしまう

鬱病エピソードにおける症状

・空しさや絶望感を感じたり、悲しんだり落ち込んだりする
・活力がほとんどない
・活動量の減少
・睡眠時間が極端に少なかったり多かったりする
・何も楽しめなくなる
・不安や空虚感を感じる
・集中力が続かない
・もの忘れが多い
・暴食、または拒食
・疲れややる気のなさを感じる
・死や自殺について考える

躁病と鬱病の両方のエピソードを含む気分エピソードも存在します。これを混合性エピソードと呼びます。混合性エピソードでは、悲しみや空虚感、絶望感を感じながらもエネルギーに満ち溢れている、といった症状が見られます。

気分の変動がそこまで大きくなくても、双極性障害の疑いはあります。例えば、双極性障害の患者の中には、軽躁病という、軽度の躁病になる人がいます。軽躁病エピソードでは、気分が高揚したり、生産的になって普段より働けるようになったりします。本人は自分で違いに気付けなくても、家族や友人はその人の活動量の変化や気分の変動に気付き、それが双極性障害の発見に繋がることがあります。適切な治療を受けないでいると、軽躁病の人は、重篤な躁病や鬱病を発症してしまう可能性があります。

診断

双極性障害の患者は、適切な診断と治療によって、健康で生産的な生活を送れるようになります。双極性障害の疑いがある人にとって、医師や資格を持った精神保健の専門家に相談することが、踏むべき最初の一歩です。医師のもとでは、他の病気を除外するための診察を受けることも可能です。そして、症状が他の病気によって引き起こされていないとわかれば、精神状態の評価を受けることができます。また、双極性障害の診断や治療に精通している、精神病医などの専門家を紹介されることもあります。

診断をする上での注意点：双極性障害の患者は、躁状態や軽躁状態にある時よりも、鬱状態にある時に助けを求める傾向があります。そのため、双極性障害は、誤って通常の鬱病と診断されてしまわないように、注意しないといけません。鬱状態のみを抱える鬱病は、単極性鬱病とも呼ばれ、双極性障害とは違って躁状態がありません。しかし、中には躁状態を持ち合わせるものもあり、それらはmajor depressive disorder with mixed featuresとして知られています。