妄想型統合失調症とは?

症状

妄想型統合失調症は、統合失調症の中でも最も多いタイプです。

統合失調症は、精神病の一種で、現実感を失ってしまう病気です。これにより、考え方や行動に影響が出ます。同じ人であっても、症状の出方や出るタイミングは異なることがあります。この病気は、思春期が終わる頃から20代前半にかけて発症する確率が高いです。

偏執性妄想の傾向にある人は、理由もなく他人に対して疑い深くなります。このことによって、仕事をしたり、用事をこなしたり、友人関係を保ったり、病院へ行くことすら困難になってしまいます。

一生付き合っていかなければならない病気とはいえ、薬を飲んだり、助けを得ることで症状を抑えたり、付き合いやすくなる方法もあります。

妄想型統合失調症の症状

妄想とは、実際には起きていないという確固たる証拠があるものでも、本人にとっては現実に起きていると信じ込むことです。偏執性妄想は、恐怖と不安に根差しています。例えば、以下のように感じてしまうことがあります。

・同僚が毒を盛ろうとしているなど、自分を傷つけようとしている
・配偶者やパートナーが浮気をしている
・政府に監視されている
・近所の人たちが、自分に嫌がらせをするために陰謀を企てている

こうした信念は、人間関係にも影響を及ぼしてしまう恐れがあります。また、知らない人に傷つけられると感じる場合、外出を避けたり、一人になりたいと感じてしまいます。

統合失調症を患っている人は、通常は暴力的ではありません。しかし、時折、偏執性妄想によって恐怖を感じ、怒り出してしまうことがあります。もしも誰かの気が狂ってしまった場合、通常は公の場ではなく家族のメンバーに焦点が当たり、家の中で起きることが多いです。

また、感覚が正常に機能していない場合は、幻覚や幻聴を伴うことがあります。例えば、自分自身を馬鹿にしたり侮辱するような声が聞こえてきます。危険なことをするように指示されることもあります。また、現実にはないものや人が見えることもあります。

医師は、妄想の症状を和らげるために、抗精神病薬を処方するでしょう。錠剤、液体、注射のものがあります。こうした薬が完全に聞いてくるためには数週間かかることもありますが、薬を飲むことでより早く落ち着くことができます。自分に合った薬や薬の組み合わせを確認するために、複数試してみる必要があることがあります。

症状が良くなったとしても、薬は飲み続けてください。飲むのをやめると、再び妄想の症状に悩まされる可能性があります。

大麻やニコチン、コカインやその他の刺激物を摂取するのは避けてください。抗精神病薬の効き目を抑えてしまう可能性があります。また、これらは逆に妄想症を引き起こしたり、悪化させてしまう可能性があります。

ほかの症状がある場合は、ほかの種類の薬も飲まなければならないでしょう。

カウンセリング

妄想の症状がコントロールされれば、人間関係を助けたり、仕事をしたり、学校へ行ったり、自分自身の世話をしたり、友達を作る上で、カウンセリングが効果的です。

統合失調症の患者で、カウンセリングを受けている人は、薬の飲み忘れや断薬が少ない傾向にあります。

認知行動療法と呼ばれるカウンセリングでは、薬を飲んでいても消えない症状とどのように向き合っていくかについての指導を受けることができます。妄想の症状が出ているかどうかを自分自身で確かめる方法や、頭の中でしか聞こえていない声を無視する方法が伝授されます。

家族や友達からの前向きで励みになるようなサポートも非常に役に立ちます。

抗精神病薬によっては、副作用で体重が増えてしまうものもあるため、ダイエットや運動に関する指導も受けたいところです。

入院

偏執性妄想やその他の症状が非常に深刻で、入院を余儀なくされる場合もあるでしょう。ご自身と周りのご家族が危険な目に遭わないよう、ケアをしてもらえます。

困難な状況に陥っているということに自分で気付いた場合、自らの意思で入院することもできます。しかし、実際は入院が必要な状況なのにそのような助けは必要ないと思っている場合、自らの意思に反して、医師や精神科の専門医が入院をさせることも可能です。

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