イノシトール

その他

イノシトールは通常、細胞シグナリングに関与するグルコースに構造的に類似した小分子であるミオイノシトールの事を指します。イノシトールは、高用量において効果的な抗不安薬(精神安定剤)であり、また標準用量でインスリン抵抗性やPCOSを治療に非常に有効です。

概要

イノシトールは、類似の構造を有する分子(9つの立体異性体の集合)を総称した言葉です。

「イノシトール」という用語は栄養補助食品に一般的に使用されていますが、通常はミオイノシトールと呼ばれる特定の立体異性体を指します。

イノシトールは、偽ビタミン化合物であり、B複合体ファミリーに属すると誤って言われており、ほとんどの食品に含まれていますが、一番含まれているのは、全粒粉や柑橘類の果実です。

ミオイノシトールは、女性の妊孕性を促進し、インスリン感受性による抵抗力(II型糖尿病や多嚢胞性卵巣症候群が最もよく研究されている)を回復させ、不安を軽減するための栄養補助食品として最も有望であることを示しています。また、インスリン抵抗性と妊娠可能性の複合的な効果があるとして、ミオイノシトールは女性のPCOSに対する良好な治療薬と考えられています。

また、抗うつ薬(抗不安薬や抗パニック薬ほど効果はないものの)や、パニック障害、過食のような不安に関連した他の症状に対しても有望だと考えられています。統合失調症や自閉症には比較的効果がなく、抗パニック効果にもかかわらずPTSDの治療では効果が見られていません。

部分的には、ミオイノシトールには、妊孕性やPCOSへの効果、そしてPMSの症状(恐怖症など)に対しての潜在的な抗不安効果が見られていることから、一般的な女性の健康補助剤と呼ばれることがあります。時には、男性には効果が見られず、女性にのみ作用することもあります。

ミオイノシトールは、摂取するのには、非常に安全なサプリメントであり、副作用すべて、高用量による軽度の胃痛に過ぎません。高用量(通常12-18gの範囲)は神経学的効果に必要であり、妊孕性やインスリン感作効果としては、低用量(2~4g)で十分であるとされています。

基礎知識

混合注意

イノシトール(D-ピニトール)
構造的に関連しています。

注意事項

・神経学的効果を得るためには、ミオイノシトールを大量に摂取する必要がある可能性があります。
・サプリメントが「イノシトール」と表示され、立体異性体が特定されていない場合、ミオイノシトール単独である可能性があります。

接種方法

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の治療においては、、ミオイノシトールは、朝食前の1日1回、200〜4000mgの範囲で摂取されます。一般的には、より高用量を摂取することが多く、また、より効果的であるようです。

イノシトールの神経学的使用は、高用量を必要とする傾向があり、抗うつ効果は時々6gからと指摘されていますが、標準用量は毎日14〜18gです。

粉末のミオイノシトールではなく軟質ゲルの製剤を使用する場合、同じ用量の30%のみが同等であることが必要になります。これは、精神薬理学的効果のための、粉末の14〜18gが、軟膏ゲルの場合4.2〜5.4gに減少することを意味します。

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