うつ病とは何か
うつ病とは、いくつかの形がある病気です。誰もが生活のある時点で気分を落ち込ませることはあります。その状態が長く続き、一般的な身体機能や行動に影響を及ぼし始めた場合、その人はうつ病性障害に疾患している可能性があります。
うつ病は悲しみや「ブルーな気持ち」と区別される、一般的で正式な病気です。
うつ病は気分の障害と定義されていますが、気分だけでなく、身体機能(低エネルギーや性機能障害)や思考(集中力の欠如や優柔不断)、感情(うつ病、過敏症)に影響を及ぼす症状もあります。
うつ病は、高血圧や糖尿病、心臓病といった医学的な病気であり、個人の弱さを示しているものではありません。うつ病は無くすことは出来ず、その患者は単純に頑張って解決することも出来ません。
しかし、適切な治療(精神療法や投薬など)で、90%の患者が症状の緩和を経験し、最大75%が完全に回復する可能性があります。
どんな人がうつ病にかかるのか
うつ病性障害は一般的であり、どの年も人口の約6~10%がうつ病の症状を経験するとされています。女性の方が男性よりも多く(2:1)、およそ4人に1人(25%)が1年にうつ病を経験すると推定もあります。
しかしながら、男性のうつ病患者は診断基準の構造的問題のために診断されていない可能性があります。
少なくとも5倍の男性が女性よりも自殺をしているという事実は明らかとなっています(女性の方が自殺をより頻繁に試みるにも関わらず)。全ての人種や社会経済的階層にも同様の影響をもたらしますが、臨床医が人種や文化的背景の異なる患者に、うつ病を過小診断し、統合失調症を過大診断している可能性もあります。
最初に大鬱の症状と診断された人の平均年齢は約40歳であり、双極性障害の場合は約30歳です。患者のおよそ50%が20-50歳の間に発症しています。うつ病は小児期や晩年に発症することがありますが、これはあまり一般的ではなく、年齢層によって症状が異なる傾向にあります。幼児期(2%)の多くは無関心を示し、青年期(5%)ではたいてい行動障害が現れます。高齢者(25-50%)は身体機能の障害を伴います。
抑うつ障害は社会的に孤立していたり、親密な対人関係を持たない人、労働環境が安定しない人、離婚や離別をした人、トラウマやこれらの要因と組み合わされた喪失を経験した人がなりやすいといわれています。