アルコール依存症の治療について
行動療法
アルコール依存症カウンセリングとしてしられている行動療法は、医師などの専門家とともに問題を特定し、大量飲酒に繋がる行動を変えることに役立つように行動する治療方法です。行動療法では以下のようなことを共有する療法です。
・飲酒を止めたり、減らしたりするために必要なスキルを身に付ける
・強力な社会支援体制を築くことを助ける
・達成可能な目標を設定すること
・再発の原因となるかもしれない誘因に対処したり、避けたりする
行動療法の種類
・認知行動療法は、セラピストと1対1もしくは少人数のグループで行います。このタイプのセラピーは、大量飲酒の原因となる気持ちや状況を特定すること、再発の原因となるストレスの対処に注目したものです。大量飲酒の原因となる思考過程を変え、問題のある飲酒の原因となる毎日の状況に対処するための必要なスキルを見につけることが目標です。
・動機付け強化療法は、飲酒行動を変えるための動機付けを行い、それを強化するということを短期間の間行う方法です。この療法では、治療法を探す上での利点と難点、飲酒の仕方を変える、信頼関係を築く、治療計画を遵守するために必要なスキルを身につける、などに注目したものです。
・夫婦・家族カウンセリング療法では、治療過程の中で、配偶者や他の家族もカウンセリングに参加してもらい、家族の絆を修復したり、改善するために重要な役割をしてもらう方法です。家族療法を通じて家族の強い支援を受けると、患者一人のみでカウンセリングを受けた場合に比べて、禁欲(禁酒)の維持ができる割合が高くなることが研究結果で示されています。
・短期介入療法とは、短期間の間、限られた時間で1対1もしくは少人数のグループカウンセリングを行うものです。カウンセラーは患者の飲酒行動パターンと潜在的リスクについての情報を提供します。患者が患者ごとの評価を受け取った後、カウンセラーは患者とともに目標を設定し、飲酒行動を変更するために役立つアドバイスをします。
究極的には、どの療法を使うかということよりも、治療を受けることが重要です。これはその療法を行うことが非常に困難でない限り、患者への理解、動機付けの支援が含まれており、飲酒行動を変更することに注目している限り、どの療法でもよいのです。
進行中の過程と考える
アルコール使用障害を克服することは、挫折を含むこともある、進行中の過程なのです。
持続することの重要性
アルコール使用障害は、慢性的な再発性疾患である可能性があるため、持続性が鍵となります。治療に1度行って、二度とお酒を飲まなくなったということは滅多にありません。それどころか、お酒の量を減らしたりやめようと何度も試みていて、再発を経験している人たちがほとんどなのです。彼らに習い、続けるしかないのです。飲酒の問題を克服するために重要なことは、医師や専門家によるフォローアップを続けることである場合が多いのです。
再飲酒は禁酒への過程の一部です
アルコール依存症を克服した人たちには、再飲酒はつきものでした。アルコール依存症の人は、ストレスを受けた時、以前飲酒していた場所に行ったり、飲酒仲間と一緒にいると再度飲酒をしてしまうことが多いです。
糖尿病の人や喘息の人が症状が突然悪化するのと同じように、再飲酒は完全に治るための一時的な後退とみられるものであり、完全な失敗ではありません。専門家の支援を求めることで、再飲酒を防ぐことに役立ちます。行動療法は、飲酒の原因となる、ストレスなどの誘因を避けたり、対処するスキルを身に付けることに役立つ方法です。多くの人にとって、医師や専門家との定期的な検診を受けることに利点があります。薬剤は、離婚、家族の死など、再飲酒のリスクが高くなる場合に、飲酒しないようにすることができます。
精神衛生上の問題とアルコール使用障害
うつ病と不安症は大量飲酒と密接に関連しています。アルコール依存症の人は、生涯を通じて、2-3回うつ病や不安症に罹っていることを示す研究結果があります。飲酒の問題を対処する場合は、それに伴う病気や精神衛生上の問題の治療を求めることも重要です。
友人と家族へのアドバイス
アルコール依存症の人をケアすることは非常にストレスがかかることです。愛する人を助けようとすればするほど、同様に自分をケアする方法を発見することができることは重要なことです。友人や家族、地域、支援団体などを含む支援を探すことの助けになるかもしれません。うつ病もしくは不安症の症状がある場合、医師や専門家からの助けを得ることを考えてください。究極的には、愛する人はアルコール依存症を管理する責任があることを覚えておいてください。
しかし、治療のためにあなたが参加してあげることで大きな違いがでます。臨床実験の結果に基づいて、アルコール依存症を克服するためには、家族や友人からの支援が重要であると多くの専門家が信じています。しかし、家族や友人は必要な支援をどうしたら一番効果的にすることができるのか、はっきりわからないかもしれません。
これまで浸かっていた習慣を変えることは困難なことで、変えるには時間がかかり、努力を繰り返さなけれなならないものかもしれないことは覚えておいてください。これまでに様々な失敗を経験しているばずなので、そこから学び、前に進むしかありません。アルコール使用障害もそれと変わりありません。愛する人と忍耐強くがんばりましょう。アルコール依存症の克服は簡単なものでも、すぐにできるものでもありません。
愛する人がアルコール依存症から抜け出す努力をよくしている場合と、単に努力をしている場合に注意を払いましょう。よいことばかり起こるのが当たり前だと思うと、怒ったりがっかりすることが多くなるのです。褒める言葉をかけたり、うまくいったことを喜んであげることが長続きするコツです。