携帯電話によって、どのように首が痛められるのでしょうか

携帯電話を使用する時の頭の角度により、頸椎に影響が出て、「テキストネック」として知られる状態になってしまうかもしれません。これは、ニューヨークに拠点を置く外科医 Dr Kenneth Hansrajの研究に基づいています。

新たな健康問題

Hansraj が流行病だと言う、この、比較的新たな疾患は、姿勢の悪さにより、脊柱に非常に大きな圧力がかかる時に起こります。特に、携帯電話やタブレットを使う時に、圧力が発生します。

南アフリカの成人3720万人のうちの97%が、携帯電話を持っています。今日のデジタル時代には、多くの利点やさまざまな機能がありますが、一方で、新たな健康問題ももたらされました。その一つが、テキストネックです。

現在の携帯電話のユーザーは、1日に2～4時間、モバイル端末で、メールを読んだり、メッセージを送ったり、ソーシャルメディアサイトをチェックしたりするのに費やしています。

「テキストネックとは、長時間、人間工学的に望ましくない姿勢で、電子デバイスを使用することで、軸骨格と、関連する構造（筋肉、靭帯、神経、筋膜など）が、異常かつ過度の、力学的、位置的圧力にさらされるために起こります」と、Sandtonの診療所で、この症状を幾度となく診察した、Johannesburgの理学療法士Jonathan Blakeは言います。

「個人的に、世界的に使われる『テキストネック』という言葉は、断定的すぎる気がします。この言葉には、人間工学に望ましくない姿勢によって起こる問題が、携帯電話でのメッセージ送信にだけ関連するというニュアンスがあるからです。この姿勢に関する問題が、スクリーンから、キーボード、ノートパソコン、ラップトップやタブレットまで、あらゆる形の電子通信に関連付けられるよう、より包括的な用語が必要なのは明らかです。」

Blakeが言うことには、頻繁にテキストネックの姿勢をとることで、靭帯、腱、筋肉組織を支える頸椎や、骨質部分に変化が起こり、姿勢に関する変化が発生することが多いです。また、これは、頭痛や、神経学に関する問題、気分の落ち込み、心臓病に関連があります。

さらに悪いことに、治療せずに放置した場合、この症状が、頚椎の平坦化、早期の関節炎の発症、脊髄変性、肺活量の低下や、胃腸障害といった、永久的なダメージにつながる可能性があることです。

どのようにテキストネックを発症するのでしょうか

脊柱が、通常のポジションであれば、5kg前後の重量の頭を支えると、Hansraj は説明します。しかし、頭が前に傾いた場合、頭の重量はより重くなり、より大きな圧力が脊柱にかかります。

彼は、自身の研究で、座っている時、または、立っている時に、モバイル端末を見る時の角度として多い、60度の角度で携帯電話をみる時に、脊柱にかかる頭の重量は、最大27kgになると発見しました。（肩に小さな子どもを乗せている時の重さと同程度）

高校生は、この姿勢で5000時間余分に過ごしている可能性もあり、それほど遠くない将来、脊柱の問題が流行病になる可能性が高いと、彼の研究で示唆されています。

テキストネックを発症するリスクを最小限にする方法

適切な姿勢、定期的な休憩、装置を正しく調整することで、テキストネック、手根管症候群、背中や首の痛みや、スマートフォン使用時のビジョンケアなど、姿勢に関連する障害を予防できるでしょう。

テキストネックの軽減や予防のためにこれらのアドバイスに従いましょう

1. 姿勢に気をつけましょう。（前かがみになったことを知らせる、装着型の姿勢記録装置があります。）
2. 休憩や、長時間机に向かい続けるのを回避することで、不自然な姿勢をする時間を減らしましょう。
3. モバイル端末を見る時に、首をかがめるのではなく、目だけで見るようにしましょう。
4. 部屋から出る時に腕を広げて立つ、「良い姿勢をとる時の筋肉」を鍛えるために、胸を前に出すといった、簡単な運動も、痛みの軽減に効果があります。
5. 席に座っている時に、背中を支えてくれるオフィス用のイスを見つけましょう。

ケープタウンに拠点を置く、人間工学の専門家Angela Hendricksは、筋骨格系問題を予防する鍵は、動くことだと付け加えます。「長時間、姿勢が悪いままだと、首の痛みが発生しますが、定期的に姿勢を変え、体を休ませることで、筋肉が回復する時間ができます」と彼女はいいます。

また、首の筋肉を鍛える運動を知るために、生物動力学の専門家の診察を受けることも勧めています。この運動は、首を強くし、モバイル端末を見るために常に下を向くことで起こる、椎骨の変形を防いでくれます。