耳鳴りのための音療

治療方法

音療、あるいは音響療法は、耳鳴りによって引き起こされる耳の中のキーン、あるいはジーという音を気付きにくくしてくれます。症状自体を治療するわけではありません。しかし、耳鳴りと共に生きやすくはなります。

この療法はもともと、耳鳴りを持つ人の気を紛らわせたいという思いから出来上がりました。後に、状況を上手く対処できるように、医師が背景音として小さな音量で音を流すようになりました。

背景音は幾つかの理由で便利と言えるでしょう。

・背景音によって耳の中にある音が聞こえなくなる。
・気をそらすものがあると、耳鳴りを気にしなくなる。
・習慣化、つまり常に聞く音があることによって耳鳴りが重大でなく、無視するべき対象であることを脳に思わせることができる。
・神経調節とは、脳の一部が過剰に機能してしまうことによって耳鳴りが発生する、という考えを基盤としている。なので、背景音によって、脳の機能を引き起こすパターンが変わる。

カウンセリングと、症状に関する教育が合わさった時に、音療は一番効力を持ちます。

どう機能するか

机の上、ベッドの傍、あるいは持ち歩く形で静かな背景音を流す特別な装置は使えます。もし耳鳴りが夜に気になるならば、メディア・プレイヤー、コンピュータ、あるいは扇風機をベッドの傍に置くかもしれません。もし症状が常にあるならば、スマートフォンのアプリか、音波発生装置を使うかもしれません。

装置によっては、あなたの耳鳴りに合わせて直すことができます。あなたの必要な頻度や階調で音を流してくれます。通常は、寝る前等、1日に特定の時間利用することになります。

補聴器も音療で使われることがあります。一般的な補聴器は音を大きくします。それによって耳鳴りを聞こえなくしたり、気にならなくしてくれます。あるいは、音を流すよう補聴器を直すこともできます。

独自の症状によって、使う装置の種類は異なってきます。例えば、他の人が気にならないような水道から水が流れる音や、食器洗い機の音に敏感(聴覚過敏と言われる症状)ならば、装置によっては合わないかもしれません。あなたにとって何が合うか、医師が手助けしてくれるでしょう。

音の種類

装置は様々な種類の音を流すことができます。医師が、あなたに合った音の種類を勧めてくれるでしょう。

・広帯域雑音はラジオの雑音のように聞こえるでしょう。これはホワイトノイズやピンクノイズのような、様々な「色」の音を含んでおり、異なる頻度(1秒間の振動数、あるいはピッチ)も持ち合わせています。
・音楽は人によってリラックスできるものにも、気の散るものにもなりえます。穏やかなテンポの声が入っていない曲が一般的に音療で利用されます。
・変調音は静かに脈打っているように聞こえます。
・ノッチ音は特定の頻度や階調を強調し、耳鳴りの症状に合うように直すことができます。

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