全般性不安障害の原因とは何でしょうか?
全般性不安障害の原因は完全にはわかっていませんが、遺伝子、脳化学物質、脳回路、環境的ストレスなどのいくつかの要因が、発症する原因ではないかと思われています。
・遺伝
いくつかの研究では、家族歴が全般的不安障害を発症する人の罹患率を上げることに影響を与えていることを報告しています。これは、全般性不安障害が家族間で遺伝している可能性があることを意味しています。
・脳化学物質
全般的不安障害は脳内の特定の神経伝達物質の機能の異常と関連があります。神経伝達物質は、神経細胞からの情報を他の神経細胞に伝える特別な化学伝達物質です。神経伝達物質が適切に働かない場合、情報が適切に脳に到達しません。これにより、特定の状況における脳の反応方法が変わる可能性があり、不安の原因になります。
・脳回路
気分や不安を司る脳の部分が全般性不安障害において、異常に機能していると思われています。特に、全般性不安障害において、前頭葉と辺縁系の間の接続が異常で、何かを決断する際に、評価を行う能力や危険や不安を抑える能力が阻害されている可能性があります。(恐れの一般化と呼ばれます。)
・環境的要因
虐待、愛する人の死、離婚、転職、転校など、心的外傷やストレスのかかる出来事は、全般的不安障害に原因となっている可能性があります。全般性不安障害は、ストレスがある時期には悪化することがあります。アルコール、カフェイン、ニコチンなどの常習性のある物質を使用したり、使用中止している時は、不安を悪化させることがあります。
全般性不安障害はどれぐらい起こるものでしょうか?
400万人近くのアメリカ人が全般性不安障害に、一生のうちのどこかで罹っています。多くは幼児期や青年期に始まっていますが、大人になってからも発症している人もいます。男性よりも女性のほうが多く罹患しています。
全般性不安障害はどのように診断されますか?
症状が出現している場合、医師は患者の既往歴を尋ねたり、身体検査を行うことにより、評価を行い始めます。こうしたものは、不安障害を特に診断する臨床検査がないため、肺疾患、心臓疾患、甲状腺疾患、その他の内分泌の異常など、症状の原因となっている身体的な疾患がないか、色々な検査を行います。
症状による機能の問題を含む、症状の度合いや続いている期間の報告に基づいて、医師は全般性不安障害の診断を行います。医師は症状や機能障害の度合いが不安障害の特色を示すものであるか判断をします。症状がここ半年間で起こった日が起こらなかった日よりも多いときに全般性不安障害と診断されます。症状により、仕事や学校に行かなくなるなど、日常生活に影響を与えていることも必要となります。