睡眠障害の種類

4人に1人が何らかの睡眠障害に苦しんでいると推定されます。睡眠障害は、生産性と生活の質の両方に影響を与えます。一般的な睡眠障害には、不眠症、睡眠時無呼吸、夢遊病、夜驚症、下肢静止不能症候群、ナルコレプシー、レム睡眠行動障害があります。

不眠症

不眠症とは、最も一般的な睡眠障害で、ほとんどの人が人生のどこかで悩まされたことがあるものである、とパノラマ精神科・記憶クリニックのフランス・ユーゴ博士は言います。

ストレス、食事の偏り、ホルモンの変化、隠れた疾患、時差ぼけはよくある原因です。年齢も関係があり、中年以降になると、男性よりも女性が不眠症になりやすいです。

睡眠時無呼吸症候群

いびきは危険なものではないと思うのであれば、もう一度よく考えてみてください。時には、睡眠時無呼吸症候群の症状であることもあり、これは生命の危機を脅かすものです。

睡眠時無呼吸症候群(寝ている間、短時間息が止まること)は、最も診断されていない病気の一つです、とパノラマ睡眠クリニックの院長であるヤン・トップは言います。「眠りが悪いと、いびきはひどくなり、過体重となっていることもありますので、医師の診察を受けてください。」と彼は言います。

睡眠時無呼吸症候群は、二重顎や筋肉細胞が緩むことで首の周りに脂肪が蓄積され、就寝中に食道を平らにし、空気の流れを10-60秒止めてしまう時に起こります。脳は酸素が不足していることを検知するため、空気を求めて再び通常通りに呼吸をし始めます。これは一晩で100回起こることもあり、翌日は疲労感、イライラや幸福ではない感覚が残ります。酸素欠乏のため、頭痛もします。

新しい研究結果では、別のタイプの睡眠時無呼吸症候群では、肥満や閉塞とは関係なく、脳内の呼吸をコントロールする中枢の不全によって起こるものであることが示されています。

これは効果的に治療を行わないと危険な場合があります。脳内の中枢からの信号が呼吸をするための筋肉まで届かないことによって、夜中呼吸が止まっているのです、とプレトリアイースト睡眠クリニックの神経生理学者である、ベルナード・ティヤリンクスは言います。

睡眠クリニック専門家は、どちらの睡眠時無呼吸症候群でも診断をし、継続的な酸素の摂取を確実にするため、口腔内に空気を送り込む器具で治療をすることができます。医師たちは睡眠時無呼吸症候群で苦しむ人たちは、睡眠薬や精神安定剤を服用しないようにと警告しています。なぜならば、これにより呼吸が完全に止まってしまう可能性があるからです。

夢遊病

夢遊病は眠りが深いときに起こります。ベッドから起き上がり、起きている時にいつもやっていることをやろうとします。その時に目を覚ますのは困難で、後で何をしていたのか思い出すことはできません。夢遊病の人は自分自身や他人を傷つける場合があります。

夜驚症

夜驚症は典型的に子供がなることが多く、悪夢をみやすくなったりします。親は子供に触れたり、抱き上げたりしないほうがよいです。薄暗い明かりをつけて、優しい声で、怖い気持ちが去るまで落ち着かせてあげましょう。

下肢静止不能症候群

下肢静止不能症候群は家族で遺伝します。不快な痒み、チクチク感が脚や足にあり、その感覚を取り除くため、足を動かさなければならないものです。高齢者が特になりやすいです。これは不眠症の原因となるもので、貧血、妊娠、糖尿病と関連があります。神経伝達物質ドーパミンの作用を高める薬剤が効果的です。

ナルコレプシー

ナルコレプシーの人は、日中に突発的に眠気に襲われます。これは夜間にどれだけ寝ていたかとは関係ありません。眠気は突然起こり、数秒から30分程度続きます。

ナルコレプシーの患者は、目が覚めたときに、カタレプシー(激しい口論時など、感情的な状況下で筋肉のコントロールが失われる)、幻覚、一時的な麻痺などが現れることもあります。この疾患は死に繋がる怪我や自己の原因になる可能性があるため、危険なものです。

ナルコレプシーは、家族で遺伝しますが、脳の損傷に関連している場合もあります。通常は、抗うつ剤や刺激剤で治療します。

レム睡眠行動障害

レム睡眠行動障害とは、レム睡眠中に脳が一時的に筋肉を麻痺させることができなくなっている時に起こります。このため、夢の中で見ている通りのことを実際にやってしまいます。クリニックに入院していたある女性が、無意識に壁に激突してしまったことがありましたが、彼女は「ボールを取ろうとしていた」と答えました。こうしたことはあまり起きませんが、そう見えることは恐ろしいことで、患者は実際に自分が怪我をしたり、他人を傷つけたりしてしまっています、とトップ博士は言います。

トップはこう言います。「米国ではこの障害のために、殺人や暴力事件を起こしているという物議を醸すケースがあります。医師たちはこの障害がパーキンソン病や脳幹損傷などの疾患と関連性があると考えています。」

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