避妊と避妊リング(IUD)
避妊の方法の選択肢の一つとして、避妊リング(IUD)を考えているかもしれません。誰にでも適したものではありませんが、現在の避妊リングはほとんどの女性にとって効果的かつ安全と考えられています。また、効果の持続期間も長いです。
避妊リングとは何でしょうか?
「避妊リング」とは、「子宮内避妊具」のことです。「T」のような形をしており、直径25mmの大きさで、子宮内にちょうどフィットします。精子が卵子に届かないようにし、受精卵とならないようにすることで、妊娠を防止します。
避妊リングはどの程度効果があるのでしょうか?
避妊リングを正しく使っているようであれば、妊娠する可能性は1%以下です。
避妊リングの利点は何でしょうか?
・長期間効果が持続する
・避妊リングのほどんどは手間がかからない。1度挿入したら、自分もパートナーも避妊リングのことを考える必要がない
・最初に1回お金を払えばよい
・授乳中であった場合、使用が安全である
避妊リングを使うことができるのはどんな人でしょうか?
ほとんどの女性が避妊リングを使うことができます。パートナーが一人で、性感染症にかかるリスクが低い女性に特に適しています。避妊リングは性感染症から守る効果はありません。もし次のようなことがある場合は、避妊リングを使ってはなりません。
・性感染症にかかっている、もしくは骨盤内感染症に最近かかった
・妊娠中である
・子宮頸がん、または子宮がんにかかっている
・腟から理由が不明な不正出血をしている
銅アレルギーがある場合やウィルソン病がある場合、体内に銅が多く沈着してしまう原因となるため、銅付加避妊リングを使うことはできません。
ホルモン付加避妊リングは、肝疾患、乳がん、または乳がんの可能性が高い場合には安全んと考えられています。
非常に稀なケースですが、子宮の大きさまたは形によっては、避妊リングを装着することが困難な場合があります。
どのように避妊リングは挿入されるのでしょうか?
婦人科医のクリニックで婦人科医が挿入します。腹痛の痛みをなくすために、医師は器具の挿入数時間前にイブプロフェンなどの市販の鎮痛剤を飲むように勧めることがあるかもしれません。
子宮頸部細胞診と同様の方法で行われます。内診台の脚踏み台に脚をのせます。医師は腟内に挿入する小さなチューブに避妊リングをいれます。頸部を通して子宮までチューブを挿入します。そして、避妊リングを押し出し、チューブを腟から引き出します。避妊リングに付いている糸は、腟内上部2.5-5cmのところにぶらさがります。
避妊リングの挿入は不快で、痛みや出血がある場合もありますが、2-3日でなくなります。痛みから頭がクラクラする感じがする人もいます。
生理サイクルのどこででも避妊リングは挿入できるものがほとんどです。しかし、生理中に避妊リングを挿入することはさらに不快感を感じるかもしれません。頸部が一番開いている時期だからです。
避妊リングはいつから効果が出始めるのでしょうか?
ホルモン付加避妊リングではない避妊リングは、挿入した後すぐに効果がでます。
生理期間中にホルモン付加避妊リングを装着した場合は、すぐに効果が出始めますが、ホルモン付加型は効果がでるまでに7日程度時間がかかることがあります。
どれぐらい効果が続きますか?
どのような避妊リングであるかによって、3-10年と効果が続く期間は変わります。
生理に何か変化がありますか?
ホルモン付加避妊リングでは、お腹の痛みが少ない人が多いようです。最初の2-3ヶ月は、不定期な少量の出血がある人もいます。時には、生理の経血量が減ったり、生理自体が来ない人もいます。避妊リングを挿入している場合、妊娠することは非常に稀ですが、生理が来ないことは妊娠したのではないかと常に心配な気持ちにさせられるかもしれません。その場合は、ホルモン付加避妊リングではなく、銅付加避妊リングに変更することを考えることになるかもしれません。
銅付加避妊リングは、生理を重くしたり、お腹の痛みがひどくなることがあるかもしれません。しかし、2-3ヶ月でこうした症状はなくなることが多いようです。
パートナーが避妊リングを感じることはありますか?
パートナーは何も感じないはずですが、もし何か感じるようであれば、それは避妊リングの糸にほんの少し接触しただけのはずです。何も不快感の原因とはなりません。糸は否認リングが長く挿入されているほとやわらかくなっていきますし、短めに切ることも可能です。
何か副作用はありますか?
避妊リングが外れることはありますか?
定期的な診察により、医師は避妊リングの状態を確認します。頸部は避妊リングを正しい位置で保っているはずですが、非常に稀なケースでは、避妊リングが全て外れる、または一部外れる可能性はあります。
次のような場合にはそうしたことが起こりやすいです。
・子供を産んでいない場合
・20歳以下である場合
・赤ちゃん出産後すぐに避妊リングを挿入した、または妊娠中期での中絶後すぐに避妊リングを挿入した場合
・子宮筋腫がある場合
・子宮の大きさや形が一般的なものではない場合
生理期間中に避妊リングが外れて出てくる可能性はあります。生理ナプキンやタンポンに避妊リングが付いているのを目にするかもしれません。時々、避妊リングの糸を感じることができるかどうか確認しましょう。糸が短すぎたり、長すぎたり、または避妊リング自体が頸部を押しているように感じるのであれば、避妊リングが外れた可能性があります。その場合は、医師に連絡をしましょう。
将来、子供が欲しくなった時はどうすればよいでしょうか?
避妊リングを使用することは、子供を妊娠する能力には何の影響も与えません。妊娠したくなった場合は、医師に避妊リングを取り出してもらうように相談しましょう。避妊リングを外せば、生理周期は通常に戻ります。
避妊リングはどのように取り外すのでしょうか?
産婦人科医が避妊リングを取り外します。ほんの数分しかかからないことが多いです。内診台に乗り、医師は鉗子を使ってゆっくりと避妊リングを引き出します。痛みや出血がある場合もありますが、1-2日でなくなることがほとんどです。