パーソナリティー障害のサインとその症状

症状

治療が必要なパーソナリティー障害の種類には、大きく3つのグループに分けられます。それぞれ、「A群」「B群」「C群」と呼ばれています。

A群

パーソナリティー障害のA群の特徴は、他人との関係を構築することが困難で、ほかの人から見ると奇妙で一風変わった行動をとる傾向にあります。

B群

パーソナリティー障害のB群の人は、人間関係に支障をきたします。その結果として、大げさで風変わりな言動や、脅迫的で人を妨害するような行動をとってしまいます。

C群

パーソナリティー障害のC群の特徴として、人付き合いを恐れ、ほかの人の前で不安で恐怖を感じているような態度をとったりします。また、内にこもって、社会と関わることが億劫になる人もいます。

C群のそれぞれの特徴は、以下の通りです。

回避性タイプ

このタイプの人は、極端に内気で、社会との関わりが薄くなり、自分は無力であると感じてしまい、人から拒絶されることに対して非常に敏感です。

シゾイドパーソナリティー障害と違って、他人との密接な関係を望むものの、実際にその関係を構築できるかどうかについては自信も能力もありません。

依存性タイプ

このタイプの人は、自分には自立する能力がないと思い込んでしまう傾向にあります。このような人は、自分の面倒を見てくれるような人を必要としていることを過度に態度に表し、極度に「ベタベタしてくる」傾向にあります。ほかにも、以下のような特徴があります。

・ほかの人の助言なしでは決断をすることが難しいと感じる
・自分の人生の大切な選択であるにもかかわらず、ほかの人にその責任を取ってほしいと感じる
・ほかの人の意見に反対するような気持ちを表現することができない
・自信がないがために新しい活動などを始めることが困難に感じる
・助けと安心感を得るために極端なことを言う
・一人でいると、自分は無力であると感じ、落ち着かない気持ちになる
・一つの関係が終わってしまうと、すぐにでもまた新たな関係を構築する必要に駆られる
・ほかの人の援助なしで一人でやっていかなければならなくなる状況にさせられるのではないか、という非現実的な恐怖に絶えず怯えている

強迫性パーソナリティー障害

強迫性パーソナリティー障害の人は、制御のきかないような、厄介な問題について心配します。いかに規律正しくあるかということや、自分の周りの環境をコントロールするかで頭がいっぱいになり、周りからは「仕切りたがり屋」というレッテルを貼られてしまうことになりかねません。

ほかにも、以下のような特長があります。

・リストを作ることや、タイムテーブル、ルールに過度に縛られる
・こなすことが難しいようなタスクを完璧にこなすことに必要以上にこだわる(完璧主義)
・ワーカホリックになる
・モラルや道徳、日常生活で人はどのように振舞うべきかなどについて、非常に厳しい見方をする
・ほかの人に仕事を任せることができない
・お金を使うことを嫌い、万が一のことがあったときのために貯金しておいたほうがいいと考える

このタイプのパーソナリティー障害は、強迫性障害(OCD)という似たような名前の障害とは、様々な点で異なる精神疾患です。

・強迫性障害の人は、自分の態度が普通ではないという自覚があり、それを心配します。一方、強迫性パーソナリティー障害の人は、自分の振る舞いは何の問題もなく受け入れられるべきもので、それを変えたいなどと望むことはありません。
・強迫性障害の人の中には、やむを得ず、ある行為を病的に繰り返さないと気が済まないという人がいます。たとえば、道を歩いているときに街灯を一つ飛ばしで触らないといけない、といった行動です。これは、通常は強迫性パーソナリティー障害の人には見られません。
・強迫性障害の人は、リストを作ったり家の中を整理整頓しないといけないのではないかという気持ちに駆られますが、それをすることに対して不安を覚えます。強迫性パーソナリティー障害の人は、そうしたタスクをこなすことで不安だった気持ちが和らぎ、そのタスクをこなすことを妨害されたときにはイライラする傾向にあります。

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