帝王切開分娩とは何でしょうか?

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帝王切開分娩とは、胎児を、母親の腹部と子宮を切開することで出産する、外科手術です。2010年のCDCによると、ほぼ33%の出産が、帝王切開分娩によるものでした。the Agency for Healthcare Research and Qualityによると、1997年から2008年の間に、帝王切開分娩の数が72%増加したそうです。

以下のような場合には、帝王切開分娩が必要かもしれません。

・複数の胎児を妊娠している場合。複数の胎児を妊娠している場合、特に、2人より多い場合は、早期陣痛が起こる場合があります。出産に際して、または、胎児の心拍に困難が生じた場合、帝王切開分娩をしなければならないかもしれません。
・陣痛の進行に異常があるなど、陣痛時に困難がある場合。これは、頸部が正常に広がっていない場合に起こります。
・新生児が危険な状態にある場合。例えば、へその緒に問題がある場合や、胎児検診の際に、心拍数に異常が見られる場合があります。
・胎児が大き過ぎる場合。妊娠(性)糖尿病を患う女性で、特に、血糖値がうまくコントロールされていない場合、胎児が大きいと、リスクが大きくなります。そのため、子どもの頭部は膣を通って外に出たものの、肩がつっかえる肩甲難産など、出産時の困難を防ぐために、帝王切開分娩が必要になります。
・胎児が逆さ向きの骨盤位の場合や、頭部ではなく、足が先に出てきた場合。
・母親がヒト免疫不全ウイルスHIVやヘルペスなどの感染症に感染している場合。この場合、帝王切開分娩を行うことで、子どものウイルス感染を防ぐことができる可能性があります。
・胎盤に問題がある場合。胎盤が適切に形成されていなかったり、適切に機能しなかったりすることや、子宮内の不適切な場所や、深すぎる場所にあること、子宮の壁に固くくっついていることがあります。これにより、胎児が必要とする酸素や栄養、膣出血が送られないというような問題が発生することがあります。

帝王切開分娩をする女性は、硬膜外ブロック、脊髄ブロック、または全身麻酔などの鎮痛剤が投与されるでしょう。硬膜外ブロックは、脊椎への注射で、下半身に麻酔をかけることができます。脊髄ブロックも、下半身に麻酔をかけることができますが、これは、髄液に直接注射をします。全身麻酔は、緊急帝王切開分娩の際によく行われます。全身麻酔をすると、手術の間、意識はなくなります。

術中、母親の腹部と子宮を切開し、子どもを取り出します。その後、子宮は、後に溶解する糸でとじられます。腹部の皮膚も、糸またはホチキスの針でとじられます。

帝王切開分娩は安全です。しかし、手術であることに変わりはなく、リスクや困難を考慮に入れなければなりません。帝王切開からの回復も、普通分娩からの回復より、長くかかることが多いです。普通分娩という選択肢があるにも関わらず、帝王切開出産を望む女性もいます。しかし、帝王切開出産は、医学的問題のリスクを高め、将来、妊娠した場合に困難が伴うかもしれません。また、帝王切開分娩によって生まれた子どもは、普通分娩によって生まれた子どもよりも、呼吸障害を発症しやすい可能性があります。

過去の妊娠で、帝王切開分娩をした女性でも、多くの場合、その後の妊娠で、普通分娩を試みることはできます。(これは、帝王切開後経膣分娩VBACと呼ばれます。)国立小児保健発育研究所の研究によると、後の妊娠で帝王切開後経膣分娩を試みた女性の75%が、出産に成功しているそうです。

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