流産とカフェインの関連性についての研究

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最新の研究では、1日にコーヒー2-3杯以上、またはその他のカフェイン飲料を摂取する妊婦は、流産のリスクが増加するかもしれないということが示されています。

この研究では、1日にカフェインを200mg以上(レギュラーコーヒー230mlを2杯に含まれる量)摂取する妊婦は、カフェインを全く摂らない妊婦と比較すると流産のリスクが2倍になると示されています。

カフェインと流産の関連性について、この研究にはいくつかの強いエビデンスが示されていると研究者たちはいいます。しかし、専門家はこの研究はまだ評価の段階にないとして結果に異論を唱えています。

「この研究のエビデンスからは、カフェインが流産のリスク要因であるということはできない」と、カフェインと流産の関連性について研究をしている、疫病学者のリサ・B・シグノレロ(Lisa B. Signorello)は言います。「二つの関連性は調査することがとても難しいことであるため、質問の答えとなる研究の判断材料は何もないのです。」

カフェインと流産

研究では妊娠第20週目までの妊娠初期の段階の女性1,063人が含まれていました。研究はカイザー・パーマネント(Kaiser Permanente)研究部門の研究者によって行われました。

研究の始めに妊婦たちは、カフェインの摂取量や、流産のリスク要因として知られるものについての面談を受けました。

631人の妊婦(79%)は妊娠してからカフェイン消費量を減らしたと答え、152人が以前と全く同じ量消費していると応えました。

研究の中で、172人(16%)に流産が起こりました。マーチ・オブ・ダイムスによると、妊娠していると診断された妊婦のうちの15%が流産しているとのことです。

研究者たちは1日にカフェイン200mg以上を消費すると、カフェインを待ったくと習い場合と比べて、流産のリスクが2倍になると結論づけています。

この研究の主な強みとして、妊娠中のカフェイン嫌悪を悪化させないようにコントロールする試みを研究者たちは挙げています。

研究者たちによると、妊娠初期のつわりと嘔吐は、流産のリスクを低くすることと関連付けされてきました。つわりと嘔吐はカフェイン嫌悪の一因である可能性があります。

流産になりやすい女性はコーヒーを飲み続けている傾向があり、このことから以前の研究で見られたカフェインと流産との関連性を説明することができるかもしれないとされていました。

しかし、シグノレロはカフェイン消費が流産のリスク要因であると結論付けた、この研究で対象となったカフェインを飲む習慣を変えなかった女性の数は十分ではないと言います。

カフェインを摂取した女性は、35歳以上であったり、流産歴があったり、つわりの症状がなかったり、喫煙やアルコール摂取など、おそらく流産のリスク要因があった可能性があります。

シグノレロは、米国メリーランド州ロックビルのバンデルビルト・イングラム・がんセンター及び国際疫学研究所(the Vanderbilt-Ingram Cancer Center and the International Epidemiology Institute in Rockville, Md)の研究者・疫学者です。

「カフェインを摂らない人たちとこうした妊婦たちは非常に違っていますが、流産との関連性も妊婦それぞれで違っていたのです。」とシグノレロは言います。

ほとんどの流産は不可避であった

カイザー・パーマネントの女性の健康局長であるトレイシー・フラナガンは、自分が担当している妊婦とカフェイン摂取を控えることを話し合っているといいます。

フラナガンは禁煙、アルコールや薬剤を控えるよりも、流産リスクに影響を与えることが示されているライフスタイルへの介入方法がいくつかあると言います。

「実際、流産のほとんどは染色体異常が原因です。」と彼女は言います。「臨床医の観点からは、患者達に妊娠に影響がでるかもしれないカフェインを控えるように言うことは良いことだと思っています。」

初めての妊娠が流産に終わったファイナンシャル・プランナーのタミー・プロトキン・オレンはこう言っています。

「私はコーヒーを沢山飲んでいましたが、再度妊娠した時はきっぱりやめました」とタミーは言います。

彼女は今では3人の娘の母親です。彼女は流産の原因がコーヒーを飲んでいたことであるかどうかについてはわからないと言います。

「私にとっては、カフェインを摂取しなくすることは簡単なことでした。妊娠中にはカフェインを摂らなくする必要があることはわかっていました。それによって違いがあったかなかったかはわかりません。」と彼女は言います。

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