女性のうつ病

その他

女性のうつ病は、よく見られる病気です。実際、女性は、臨床的うつ病を発症するリスクが男性の2倍高いです。最大、女性の4人に1人が、1回は大うつ病を発症する可能性があります。

女性のうつ病が男性のうつ病より多いのはなぜでしょうか?

うつ病は、思春期以前は、めったに見られず、発症率に男女差はほとんどありません。しかし、思春期の始まりとともに、若い女性がうつ病を発症するリスクは、若い男性の2倍まで、劇的に高まります。

女性のうつ病の発症率の増加は、女性が生涯にわたって経験するホルモン量の変化と関係があると、専門家は考えます。このような変化は、思春期、妊娠中、更年期、さらには、出産後や、流産を経験した後にも起こります。さらに、毎月の月経周期とともに起こるホルモンの変化は、月経前症候群PMSや、月経前不快気分障害PMDDの原因となっているかもしれません。PMDDとは、生理の一週間前に発生し、日常生活に支障をきたす深刻な疾患で、特に、気分の落ち込み、不安、気分変動といった症状があります。

うつ病は遺伝性でしょうか?

うつ病は、遺伝する可能性があります。遺伝の場合、15歳から30歳の間に発症することが多いです。うつ病の遺伝は、女性の間でよく見られます。しかし、臨床的うつ病を発症する理由を説明する、明確な遺伝子、もしくは遺伝による関連が、常に存在するわけではありません。

女性のうつ病は、男性のうつ病とどのように異なるのでしょうか?

女性のうつ病は、複数の点において、男性のうつ病と相違が見られます。

・女性のうつ病は、男性より早期に発症し、長期間続き、再発する確率が高く、日常における、ストレスの大きな出来事と関連がある場合が多いです。さらに、季節の変化にも、より敏感です。
・女性は、罪悪感を持ちやすく、自殺を試みようとする場合が多いです。しかし、実際には、男性よりは、自殺をする可能性が少ないです。
・女性のうつ病は、不安障害、特にパニック症状、恐怖症的症状や摂食障害と関連がある場合が多いです。

PMSやPMDDはどのように治療するのでしょうか?

PMSやPMDDを伴ううつ病の女性は、運動や瞑想によって症状が改善することが多いです。症状が深刻な場合は、医薬品、個人もしくはグループ心理療法、もしくはストレスマネジメントが効果的かもしれません。まずは、かかりつけ医、もしくは産婦人科医に行きましょう。うつ病の検査を行い、症状を治療してもらえるでしょう。

女性のうつ病有病率は、中年になると上昇するのでしょうか?

閉経周辺期は、一般的に女性の40代(場合によってはそれ以前)から始まり、生理が1年間止まるまで続く(そして、閉経したと考えられる)、女性の生殖寿命のステージです。閉経周辺期の最後の1、2年は、エストロゲンが減少する速度が速まります。この時点で、更年期の症状を経験する女性が多いです。

更年期とは、月経期間が終了し、エストロゲンが生成されないことに関連する症状が発生する期間です。定義によると、女性は、生理が1年間停止した後に、更年期になります。一般的に、更年期は、女性の40代後半から50代前半で発生します。しかし、卵巣を手術によって摘出した女性は、「突然」の更年期を経験します。

閉経周辺期や更年期にエストロゲン値が減少することで、うつ病や、不安神経症といった、身体的変化、もしくは感情面での変化が引き起こされます。女性の生涯の他の段階と同じように、ホルモン値と身体的症状、もしくは、感情面での症状に関係があります。身体的変化には、生理不順や生理がこない、生理が重い、または軽い、もしくは、体のほてりといった変化があります。

更年期の症状にどのように対処したら良いでしょうか?

更年期の症状を軽減し、健康を維持する方法がたくさんあります。気分の変動、恐怖、気分の落ち込みに対処するには、以下のようなヒントがあります。

・健康的な食事をし、定期的に運動しましょう。
・達成感を感じられ、創造力を発揮できる活動、もしくは趣味をしましょう。
・ヨガ、瞑想、もしくはゆっくりとした深呼吸など、実践できそうな、自分を落ち着かせる方法を探しましょう。
・寝汗、睡眠障害を防ぐために、寝室を涼しくしましょう。
・必要な時には、友人、家族、もしくはプロのカウンセラーに、精神的なサポートを求めましょう。
・家族や地域社会とつながりを持ち、友人関係を構築しましょう。
・医者から、医薬品、ビタミンもしくはミネラルを処方された場合、きちんと服用しましょう。
・体がほてる時には、ゆるい服を着るなど、涼しくいられる方法を探しましょう。

女性のうつ病の治療はどのように行われるのでしょうか?

抗うつ薬のような医薬品、電気けいれん療法ECTのような脳刺激技術、個別の心理療法など、うつ病の治療には、様々な方法があります。

うつ病の原因の一つに、家族のストレスがある場合、家族療法も効果的かもしれません。メンタルヘルスケアプロバイダー、もしくは、かかりつけ医が、最適な治療法を決定するでしょう。うつ病に関して、誰を頼っていいか分からない時は、以下のような機関やプログラムを調べてみましょう。

・地域のメンタルヘルスセンター
・従業員援助プログラム
・かかりつけ医
・家族サービス・社会福祉機関
・保健維持機構
・病院の精神科や、外来診察所
・地域の医療・精神科団体
・精神科医、精神分析医、ソーシャルワーカー、もしくは、メンタルヘルスカウンセラーといった、メンタルヘルスの専門家
・民間のクリニック、機関
・州の外来診察所
・大学や、医大と連携したプログラム

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