年齢から来る物忘れの進行を止める、４つの方法

Janis Maraさんは、毎度買い物リストを忘れても我慢できていましたし、毎回車を停めた場所を忘れないようにメモしておくことは、彼女の習慣になりました。しかし、50歳半ばにもなると、彼女の物忘れは、お金に関わってくるようになりました。お金を払うことを忘れてしまうため、延滞料が積み重なっていってしまったのです。

「時が経つにつれて、ひどくなっていったわ」と彼女は語ります。「私はただ年のせいだと思いたかったけれど、アルツハイマーなんじゃないかと思うとそれはそれは怖かったわ」

磁気共鳴画像（ＭＲＩ）検査の後、彼女のちょっとした物忘れは、病気を疑うものではないことがわかりました。ただ単に年齢が原因だったのです。

イリノイ大学の、博士号取得済みの心理学研究員であり、記憶力と生活スタイルとの関係性を研究している、Kirk Ericksonによると、このような年齢による物忘れは、50代に見られる脳活動の衰退が原因で、ほとんどの65歳以上の人に現れます。

年齢による物忘れは、脳への血流の低下が原因なのか、脳細胞の減少が原因なのか、まだよくわかっていません。様々な原因が考えられます。

人の名前を忘れたり、鍵の置き場所を忘れたり、一瞬前に何をしていたのかわからなくなってしまうのは、ごく普通のことだと言えるでしょう。しかし、家族の名前を忘れたり、使っていた鍵が、どこの鍵だったか忘れてしまうのは、より深刻な問題の兆候です。

物忘れがひどくなったとき、脳がドロドロになっていっていくように感じるかもしれませんが、年齢による物忘れは、ずっと悪化していくわけではありません。それどころか、クロスワードパズル等、一部の記憶関係のタスクでは、若者よりも高齢者の方が上手いこともあると、Ericksonは言います。しかも、衰退を止め、物忘れをいくらか改善することも可能だと言います。

どのようにすれば、良いのでしょうか？それは、生活スタイルに良い変化を与えていくのです。この方法で、脳だけでなく、心臓や骨、肺等も健康的に保つことができます。「遅すぎるということはありません。脳は比較的順応力が高いのです。」とEricksonは言います「ある程度年齢が高くてもですよ。」

Ericksonは、脳内のニューロンや神経細胞が衰えないよう、以下の対策を勧めています。

運動：有酸素運動は、脳への血液の供給を増やし、新しいニューロンの成長を促進し、ニューロン同士間の繋がりもまた徐々に増やすよう促します。ウォーキング等の適度な有酸素運動を45分間、週に三回やるだけで出来てしまうので、簡単です。

バランスの良い食生活：栄養価の高い餌を食べている実験動物は、餌の乏しい動物よりも頭が良いです。Ericksonは、人間にも同じことが当てはまるのではないかと言っています。

ビタミン：Ericksonの研究では、ビタミンのサプリメントを服用した人は、服用しなかった人たちよりも脳の萎縮が起きにくいことがわかりました。ビタミンを摂取していた人が、そもそも、ビタミンでなくとも、他に脳に健康的なことをしていたということは考えられますが、１日に必要な最低限のビタミンＣ、Ｅ、Ｂ６、Ｂ１２、そして葉酸は、一応摂取しておいて損はないでしょう。

新しいことを始める：ダンスだろうと、数独だろうと、新しいことを始めれば、注意力の向上に繋がります。目の前の課題だけでなく、かなり広範囲に影響を及ぼすことができます。例えば、パズルを解くことは、運転中の集中力の向上に繋がるかもしれません。

Maraさんは、体操にはまるようになりましたが、初めの物忘れでイライラしていた時期を、新しい情報を処理することで押し切り、それによって脳が回るようになったと気づきました。「私の経験では、新しいことを始めれば、すぐにでも頭の回りは改善するはずよ」