ヨガが女性の尿漏れに効果的

その他

2014年4月25日にAmerican Urogynecologic Societyの公式ジャーナルであるFemale Pelvic Medicine & Reconstructive Surgeryに掲載された研究の中で、骨盤を整えるためのヨガプログラムを行うことで、女性はおしっこの制御がしやすくなり尿漏れを防ぐことができると、カリフォルア大学サンフランシスコ校(UCSF)の研究者たちが明らかにした。

UCSF医学部の助教授、Alison Huang医師は、次のように述べています。「ヨガは大抵、内観性の向上やリラクゼーションの増加、不安とストレスの軽減などを目的としています。 そのため、ヨガは、メタボリックシンドロームや疼痛症候群などの病気にも効果があるとされています。しかしさらに、尿漏れにも効くという根拠が別にあるのです。」

Huang医師と同僚らは、カリフォルニア州のベイエリア地域で日頃から尿漏れに悩まされている、40歳以上の女性を20人集めました。その中からランダムに選ばれた半分の人たちは、6週間のヨガプログラムに参加させられ、残りの半分は参加しませんでした。その結果、ヨガプログラムに取り組んだ方の女性たちは、基準値と比べて尿漏れの頻度に70%の改善、すなわち減少が見られたのです。比較対象となる、ヨガ療法を行わなかったグループでは13%の減少しか見られませんでした。尿漏れの改善した部分の多くは腹圧性のものでした。腹圧性尿失禁は、咳やくしゃみをした時や、腰を曲げた時などの、腹部を圧迫する動きによって起きる尿漏れです。

Huang医師と同僚らは、ヨガは複数のメカニズムを通じて尿漏れを改善できる、と考えています。尿漏れは不安や憂鬱と関連しており、ヨガは心の瞑想とリラクゼーションに重点を置くため、ヨガは尿漏れに悩む女性の助けになります。しかしそれだけでなく、女性は普段からヨガをすることで、膀胱を支える骨盤底筋が鍛えられ、尿漏れを防げるのです。

「この研究は、女性が骨盤底筋のことを知り、それを制御できるようになるいい機会だと考えました」とHuang医師は言います。

尿漏れは一般的

International Continence Societyによると、世界中で約4億人、そして35歳以上の女性のおよそ4人に1人が尿漏れに悩まされています。女性は年をとればとるほど尿漏れが身近なものになりますが、若い女性にも尿漏れに悩む人はいます。

Huang医師は次のように述べています。「私たちは、軽度の運動制限がある女性や高齢の女性も安全にできるようなヨガプログラムを考案しました。特に尿漏れになりやすい高齢の女性のために、このプログラムの安全性を査定したのです。」

全てのヨガが尿漏れに効果があるというわけではありません。研究で使用されたヨガは、骨盤を整えるヨガを女性に教えていた経験のある2人のヨガコンサルタント、Leslie Howard と Judith Hanson Lasaterが監修しました。地域社会の女性の多くは、必要なことを教わって、骨盤の筋力を維持し尿漏れを防ぐことができる、とHuang医師と同僚らは考えています。

「これは、従来の、高価で時間を要するリハビリ療法を経ることなく、女性が骨盤底筋をより制御できるようになる方法となるでしょう」とHuang医師は述べています。

男性の尿漏れの多くは前立腺と関係しており、ヨガで改善するのは難しいため、この研究に男性被験者は含まれていません。Huang医師と同僚らは、最終的にはこの研究を拡張し、研究期間を12週間にしたいと言っています。

関連記事一覧