鼓動のリズムが正常でない場合

「不整脈」とは、心拍が不規則になることです。必ずしも鼓動が速すぎたり、遅すぎるようになるというわけではなく、通常のリズムから外れるという事を意味します。

拍動がとんだり、小刻みになったり(細動)、速くなったり（頻脈）、遅くなる（徐脈）症状がみられます。あるいは、何も症状に表れないケースもあります。

不整脈は緊急事態にもなる可能性もあれば、無害であることもあります。鼓動に異常を感じたら、すぐに救急車を呼んで、医師の判断を仰ぎましょう。

不整脈の原因と種類

心臓が健康であっても、不整脈を起こすことがあります。または、以下の様な疾患や状態にあることで、不整脈になることもあります。

・心臓病
・血液中の電解質（ナトリウムやカリウムなど）のバランスの乱れ
・心筋の変化
・心臓発作による傷害
・心臓手術後の治癒過程にある

不整脈には、以下を含む多くのタイプがあります。

心房期外収縮

心房で発生する、拍動が小刻みになる状態の初期段階です。通常は無害で、治療の必要はありません。

早期心室収縮（PVC）

最も一般的な不整脈の1つです。症状としては、時々、脈が「飛ぶ」ように感じることがあります。ストレスや過剰なカフェインやニコチンの摂取が原因の場合が多くあります。ただし、心臓病や電解質の不均衡によって、引き起こされることもあります。症状がある場合は、心臓医に相談してください。

心房細動

不規則な心調律によって、心臓の上室が異常に収縮します。

心房粗動

心房細動に比べて、組織的で規則的な不整脈です。心臓病のある人や、心臓手術後の最初の週に起こることがよくあります。心房細動に変わることがよくあります。

発作性上室性頻脈（PSVT）

心拍数が下がる症状で、下方室や心室の上を起点に発症し、通常は規則正しい心拍のリズムがみられます。 PSVTは発生するのも収まるのも、突然です。

副伝導路頻脈(Accessory pathway tachycardias)

心臓の上室と下室との間に余分な通路ができることで、心拍数が速くなります。この余分な通路を経由して、早く血液が帰ってくるようになります。結果、頻脈とよばれる、鼓動のリズムが早くなる状態になります。心臓リズムを制御するインパルスが、心臓をすばやく移動することで、リズムが異常に速くなるのです。

心室頻脈（V-tach）

心室(心臓の下の部屋)で発生する、心拍数が速くなる症状のことをいいます。速く鼓動しすぎることで、心臓が十分な血液で満たされなくなります。心室頻脈は深刻な状態です。特に心臓病を患っている人にとっては、他の症状と関連している可能性があります。

心室細動

心室細動は。心臓の下室が震えて、血液を収縮させて体に送ることができなくなることで、起こります。緊急事態であり、可能な限り早急に、心肺蘇生法(CPR)と除細動を行う必要があります。

QT延長症候群

QT延長症候群は、潜在的に危険な不整脈および突然の死を引き起こす可能性があります。医師は、除細動器と呼ばれる薬物や器具を使用することで、治療することができます。

徐脈性不整脈

心臓の電気系の疾患が原因で、鼓動のリズムがゆっくりになる疾患です。これが起こると、失神するかののように感じる事があります。薬が原因になっていることもあります。治療は、ペースメーカーが用いられる可能性があります。

以下が見られる場合、医師に連絡してください。

洞穴機能不全

臓の洞結節の問題が原因で心調律が晩くなります。このタイプの不整脈を持つ人には、ペースメーカーが必要です。

房室ブロック

電気インパルスが心臓の洞結節から、下室に移動する際に、延長されるか、または完全に途絶えることです。鼓動のリズムが不規則になったり、ゆっくりと鼓動することがあります。深刻な場合は、ペースメーカーを使用する必要があります。

不整脈の症状

不整脈は、何の症状も出ないこともあります。医師による身体検査中に、脈拍や心電図を通して、不規則な心拍に気づくことがあります。

症状がある場合は、以下が含まれます：

・動悸
・胸のドキドキ
・めまい
・失神
・息切れ
・胸の痛みや緊張
・極度の疲労