乗り物酔い
旅行者へのリスク
乗り物酔いは、船、車、電車、飛行機、没入型仮想現実などへの身体的な反応を表す言葉です。十分な刺激があれば、前庭系が機能している人ならだれでも乗り物酔いする可能性があります。しかし、人によって感受性は異なります。乗り物酔いするリスクが高まるのは、以下の項目に当てはまる人です。
年齢
2歳から12歳の子供たちは、反応しやすいです。なお、乳児は通常乗り物酔いしにくいようです。また、50歳以上の人は乗り物酔いになりにくいようです。
性別
女性は乗り物酔いしやすいです。妊娠中、生理中、ホルモンバランスが崩れている時は、特に乗り物酔いしやすいでしょう。
偏頭痛
偏頭痛持ちの人は、乗り物酔いしやすいです。偏頭痛がきている時は特に酔いやすいでしょう。
薬
薬局で処方される薬の中には、乗り物酔いによる吐き気を増幅させる可能性のあるものもあります。
臨床症状
以下に示すのが乗り物酔いした旅行客が見せる代表的な症状の一覧です。
・吐き気
・嘔吐、胃のむかつき
・発汗
・冷や汗
・唾液の分泌量増加
・無気力
・過呼吸
・嗅覚過敏
・食欲減退
・頭痛
・眠気
・体が温かく感じる
・不快感
乗り物酔いの予防
乗り物酔いに対する、薬理学的ではない対処法をご紹介します。
・症状を引き起こしそうな環境に気づき、避けるようにしましょう。
・体が動かないように、あるいは、動きを感じないように体勢を整えましょう。たとえば、車は同乗するのではなく自分で運転する、車やバスでは前席に座る、飛行機では翼の近くに座る、頭を席の背もたれにつけて固定する、電車や飛行機では窓側の席に座るなどです。
・感覚を感じないように工夫しましょう。横になったり、目を閉じたり、眠ったり、水平線や地平線を見つめたりと、いろいろできます。
・水を飲んで水分補給し、少量の食事を頻繁に食べ、アルコール飲料やカフェイン入りの飲みものはできるだけ飲まないようにしましょう。
・タバコは控えましょう。少しタバコを我慢するだけで乗り物酔いしにくくなります。
・注意をそらすことをしましょう。呼吸を意識して整えたり、音楽を聴いたり、ミントやラベンダーのようなエッセンシャルオイルを用いてアロマセラピーをしたりできます。のど飴をなめるのも良いと思います。
・科学的な証拠はありませんが、酔い止めバンドなどを使用するのも吐き気を防ぐのに役立つかもしれません。
・自分が乗り物酔いしてしまう環境に徐々に自分をさらしていきましょう。大部分の人の乗り物酔いの症状が軽くなっていることを実感したそうです。