うつ病は防げるのか

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多くの場合、うつ病は精神疾患の中で「一般的な風邪」とされ、3.5億人がこれに苦しめられているので、治療法もよく話題となります。

「今ほど抗鬱剤を服用している人が多かった時代は無いと言うほど多くの人が抗鬱剤を服用していますが、うつ病で苦しんでいる人数は減少していません。」とオーストラリアにあるDeakin Universityの精神医学の長であるMichael Berk教授は言います。彼はケープタウンで最近開催された世界精神医学会の国際会議で演説を行った人物です。

「うつ病を防止することに焦点をあてなければならないので、明らかに、心理療法や薬物療法だけが答えとは言えないでしょう。」

しかしうつ病は防ぐことが出来るのでしょうか。うつ病に発展しにくくなるような医療介入があるのでしょうか。

「はい、裏付ける調査書も存在します。」とBerkは答えます。「積極的にうつ病や他の精神衛生上の問題を防ぐためにできることはたくさんあります。最終的には、個人の生活を改善するだけでなく、精神疾患を治療するための金銭的負担も軽減することができるでしょう。」

以下は防ぐための方法です。

1.栄養素
Berkによると、摂取された食事とうつ病には関連性があります。人間の身体は栄養を得るだけではなく、脳内の化学成分に影響を与え、生活習慣病を防ぐこともできます。「食品が工場から来ているのならば、恐らくそれは身体に悪いでしょう。農場から来ているのならば、、恐らくそれは身体に良いでしょう。」

また、幼少期の食生活と、後に発症する精神衛生上の問題にも関連があります。「その最初の数年間は人生を形作るもののようです。」

研究員は、地中海料理を適度な量のコーヒーやワインと一緒に食べることを勧めます。これらは全てうつ病と対抗するものとして証明されています。

2.不平等社会
研究によると、貧富の差が小さい国の方が、一般的に人は幸せである傾向があります。「アメリカ合衆国では、実質的に収入は増加したものの、人々は幸せになっていません。」とBerkは言います。「近所の人の良い生活を目にしてしまうと、自身が持っている物で幸せを感じることが困難になってしまうのです。」

また、期待とそれを成し遂げようという意欲にも相互作用があります。「人々は瞬時に目標を成し遂げて、一番裕福であるような人達と同等になることを期待してしまいます。」

3.ナルシシズム
ナルシシズムとは、過度に自身、自身の必要なこと、自身の問題に焦点をあてる傾向があることを指します。この現象を持つ人は増加傾向にあり、Berkによると、地球が自分中心に回っていると考えることは、うつ病を引き起こす要因となります。

4.交流の質
我々の社会では今まで以上に人が多くなっていますが、個人の間の交流は今まで以上に少なくなっています。「家にこもることが増え、他の人との繋がりが減っています。この孤立感が精神疾患を引き起こす恐れがあります。」

5.運動
運動によってセロトニン(満足感を与えるホルモン)が放出されるため、うつ病を治療するために使われることが多いということは多くの人にとって既知のことですが、精神疾患を予防するためにも運動は効果的です。「運動、特に好んで行う活動に参加をする人の方が幸せ度が高いことが研究によってわかっています。」

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