認知症の人を介護する

治療方法

もし自身が認知症だったり、認知症の人を介護していたりすると、日常生活で多くの問題に直面するでしょう。

認知症の人は症状が進行して、他の人に頼らないといけないことが増えると、精神が不安定になる恐れがあります。認知症の人が、一定の主体性をもったまま、安心感と支えを感じることが大事になります。

認知症の症状で大勢の人に共通するものはありますが、大抵認知症で体験することと、それの対象法は異なります。

日常業務で認知症の人を手伝う

知能が低下していることを認知症の人が知ると、恐らく不安になり、ストレスを感じると共に、恐怖を抱くでしょう。不器用さが増していったり、物事を覚えていられなかったりすることに自身で気付いていることがあり、その場合、非常に苛立たしく感じ、動揺するでしょう。

認知症の人を介護しているのならば、落ち着いた環境で、批判するのではなく励ましながら、日々の習慣を築くことで安心させることができるでしょう。

日常業務に認知症の人を関与させることで、役に立っていると感じ、自尊心を高めることができるかもしれません。例えば、買い物やお膳立て、庭の掃き掃除で手伝ってもらう、等です。

認知症が進行するにつれ、これらの業務は1人でこなすのが困難になっていき、より支えが必要になるかもしれません。

どのようにして手伝えるか

認知症の人を手助けする主な方法は、敏感に支えを提供し、彼らがやっていることに対し批判的にならないようにすることです。認知症の人がまだ役立っていると感じることが重要になります。

初期段階では、物の場所がわかるように家で記憶補助を使うと良いでしょう。

食器棚の扉にコップや皿の写真を貼って、中身が分かるようにする、というのは一例です。貼ってあるものが思い出す引き金となって、自立性をより長く保持できるかもしれません。

認知症でも趣味や興味あることは続ける

認知症になっても、多くの人は趣味や興味あることを楽しいと思うでしょう。例えば、料理が好きな人であれば、食事を作る時に手伝えるかもしれません。散歩に行ったり、庭の手入れをしたりすることは、多少の運動を得るにも、達成感を味わうにも適した方法です。あるいは音楽を聴いたり、ボードゲームをしたりする方を好むかもしれません。飼い猫や飼い犬の世話をすることで喜びを得る人もいます。

もし認知症になった人が非常に社交的だったり、大家族だったりしたならば、家族や友人が訪れるのを喜ぶかもしれません。しかし、大勢の訪問者が一気に訪れると、会話についていくのに苦労するかもしれないので、注意が必要です。

認知症の人の良い健康状態・栄養状態を維持する

認知症の人にとって、健康的でバランスのとれた食事を摂り、多少なりとも運動をすることは重要になります。健康的な時期が長いほど、生活の質は良いものとなるでしょう。

認知症の人が十分に食べなかったり、不健康なものを食べたりしていると、他の病気になる恐れがあります。認知症の人が他の病気にかかると、更に混乱する恐れがあります。

認知症の人が一般的に直面する食事に関する問題には、以下のものが含まれます。

・食べ物を認識しない
・好きな食べ物を忘れる
・食事を拒否したり、吐き出す
・食べさせてもらうことを拒否する
・食べ物を異様な組み合わせで食べたいと言う

これらの行動は一般的に、異様になりたいからではなく、混乱、もしくは歯科疾患による口内の炎症によるものです。認知症の人の食生活で心配な点があるならば、一般医に相談しましょう。

どのようにして手伝えるか

認知症の人が関与することを多くしましょう。例えば、もし自身で食事が摂れないのならば、食器を握らせて口元まで運ぶのを導いてあげましょう。また、可能であれば食事の準備にも関与させられると良いでしょう。

落ち着いているようにしましょう。もし食事の時にストレスを感じるのならば、介護を受けている人も恐らくストレスを感じるでしょう。問題が発生したとしても対処できるよう、食事には時間を十分に確保するようにしましょう。

言動の変化に適応するよう心がけましょう。時間が経つにつれて、介護を受けている人の食生活や習慣が変わっていく可能性は高いです。この事実を認識しておき、柔軟に対応できるようにしていれば、食事の時もお互いストレスさほど感じずに済むでしょう。

認知症の人が健康、もしくは歯に問題があるように感じたならば、一般医か歯医者に相談しましょう。もしくは、地域の介護団体に連絡をし、似たような問題を経験した事のある人と話してみましょう。

もし認知症の人が喫煙するならば、うっかり火事にならないように、マッチではなく使い捨てライターに変えましょう。

もし認知症の人が飲酒するならば、服用する薬と一緒に飲んで安全か確認しましょう。分からない場合は、一般医に聞きましょう。

認知症の人の失禁に対処する

尿失禁は対処が難しく、認知症の人にも苛立たしい出来事です。認知症の人が失禁を経験することは一般的です。これは、尿路感染症、便秘による膀胱への圧迫感、もしくは薬によって引き起こされているかもしれません。

認知症の人は単にトイレに行くことを忘れていたり、トイレの場所を忘れていたりするかもしれません。

どのようにして手伝えるか

理解を示し、ユーモアの感覚を持ち続け、彼らのせいではないことを念頭においておくことが重要となります。また、以下のことを試してみると良いかもしれません。

・トイレの写真等の看板をトイレのドアに貼る。
・トイレのドアを開けておき、介護を受けている人が容易に行けるようにする。
・服を脱ぎやすいようにしておく。認知症の人によってはボタンやジッパーで苦戦します。
・そわそわしたり、断ち座りを繰りえしたりする等、トイレに行きたそうな素振りを見逃さないようにする。

失禁に関して困ることがあるならば、防水の寝具や尿漏れ防止パッドのような製品を勧められるような失禁アドバイザーを一般医に紹介してもらいましょう。

認知症の人のシャワーを手伝う

認知症の人は、個人衛生の特定の側面に不安を抱いて、シャワーを浴びるのに援助が必要かもしれません。例えば、お風呂から出てくる時に滑ったり、シャワーで混乱したりすることを恐れるかもしれません。

介護を受けている人はプライバシーの欠如をみっともない、もしくは恥ずかしいと思うことで、1人にされたくなかったり、シャワーを浴びることを拒むかもしれません。彼らにとって一番良いように行動しましょう。

自身の幸福を確保する

もし自身、あるいは家族の一員が認知症であるならば、楽観的であることは難しいかもしれません。あなたは1人ではなく、支援と援助を受けられることを覚えて置いてください。心配事は他の人に話しましょう。家族や友人、地域の認知症支援団体に話すことはもちろん、一般医に近くにいる心理カウンセラーを紹介してもらって話すことも良いでしょう。

介護をしている人の身体的、精神的健康のためにも、介護から一休み(休息)することは重要です。病院に行ったり、やらなければならないことがある場合は一時療養センターを利用しましょう。

友人、親戚、近所の人が家でも一時的に介護できます。在宅介護機関を通して、あるいは地域によっては、地方自治体を通して、家で一時療養をしてもらうように申し込むこともできます。家から離れた療養は、家から離れている時も、家に戻ってきてからも認知症の人を混乱させる恐れがあります。もし家から離れた一時療養センターを利用することになったならば、認知症の人が必要な設備が整っているか事前に確認しに行きましょう。

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