避妊

その他

「自然な」手段

これらの方法は、避妊具や避妊薬を一切必要としません。

自然受胎調節法(リズム法)

これは、妊娠可能期間を正確に予測するために、女性が周期カレンダーをつけることを要します。ほとんどの女性は、次の月経が始まる約14日前に排卵します。28日周期の場合、これは生理周期のちょうど真ん中の日に位置します。未受精卵が2日間生きるかもしれないのに対し、受精できるのは約4日後までかもしれませんが、精子は性行為を行った10日後までは生殖管で生き続けるということがわかっています。よって、精子と卵子が出会う可能性が高い期間は、性行為は避けられるべきです。

・長所:ホルモンは服用されていないので、副作用はありません。
・短所:確実な避妊法ではありません。
・有効性:もし、周期カレンダーやさらには基礎体温などの記録も使って、妊娠しやすい時期が正しく予測されていれば、有効性は約80%です。

膣外射精

・射精をする寸前に膣から陰茎を抜く行為が含まれます。
・精子が膣内に入るのを防ぐことによって、受精は起こりません。
・有効性は、男性が射精前に引き抜く能力によって決まります。ほとんどの場合、抜く前もしくは抜いている最中に精子の一部が膣内に放出されてしまうため、この方法にはあまり期待できません。
・短所:性感染症(STI)に対しての保護にはなりません。性感染症を引き起こす有機体は、両方のパートナーの表面の損傷との直接的な接触と、膣分泌液と尿道腺液によって伝染します。

バリア法

バリア型の避妊具は、精子が女性の子宮や卵管に入ることを物質的に阻止します。これには、ペッサリーや子宮頸管キャップ、男性用と女性用のコンドーム、泡、クリーム、ゼリー状の殺精子剤などがあります。

ペッサリー

・柔らかくてドーム型のゴムもしくはシリコンが中心にあり、堅い外輪があります。精子が子宮内に入るのを防ぐために、子宮頸部の上に装着されます。
・子宮頸部の上に装着される前、性行為をする数分間~6時間前に、その両サイドにつけられる殺精子剤とともに使われなければなりません。性行為後6時間はつけておかなければなりません。6時間以上経ってからの性行為、もしくはこの時間内での繰り返しの性行為においては、ペッサリーがまだつけられた状態で、新たな精子が膣内で処理されるはずです。ペッサリーは、24時間以上、膣内に放置されてはなりません。
・殺精子のクリームを使って正しく使用され、適切なサイズを測るために定期的に医師に相談(特に産後)していれば、極めて効果的です。

男性用コンドーム

・男性用のコンドームは、精子が膣に入るのを防ぐために陰茎にかぶせられる、非常に薄い合成ゴムもしくはラテックスのコンドームです。
・性行為中に、病気を引き起こす有機体との直接的な接触を防ぎます。
・一度しか使用することはできません。繰り返し性行為を行う場合は、陰茎を乾かし、新しいコンドームを着用しなければなりません。
・はじめから潤滑剤が塗られているものがあります。潤滑剤は、避妊の効果やSTIの予防を上げることはしません。油性の潤滑剤やローション、マッサージオイルやベビーオイルなどは、素材を弱くするため、使用を控えるべきです。コンドームは破れる可能性があるため、さらに殺精子剤を使うことによって有効性を高めることができます。
・妊娠とSTIを防ぐために、コンドームは性器同士が接触する前に着用されなければなりません。

女性用コンドーム

・女性用のコンドームは、潤滑剤が塗られている薄いポリウレタン製の嚢で、両端に柔らかい紐が付いています。大きいほうの開いた輪は膣の外に残り、性行為中に会陰と陰唇の一部を覆い、小さいほうのポリウレタン製の輪は、緩く子宮頸部の上にかぶさります。
・男性用コンドームと構造は似ていますが、もっと大きいです。
・処方箋がなくても入手可能ですが、これは少数のクリニックや薬局に限られます。
・エイズなどを含む一部のSTIに対しては、男性用コンドームよりも防衛効果が小さくなります。
・一度限りの使用に適しています。
・位置がずれてしまう可能性があるため、男性用コンドームとの併用は好ましくありません。
・女性用コンドームは、殺精子剤と一緒に使われるべきです。

子宮内避妊器具(IUD)

・銅線で囲まれていたり、ホルモンを含んだりしていて、、小さく、プラスチック製で、たいていはT字型の、子宮内に挿入される装置です。
・子宮腔の物理的環境と化学環境を変え、そのことによって精子が卵子と受精したり、あるいは受精した卵子の着床を阻止するようなことを防ぎます。
・医療専門家によって挿入されます。
・種類によっては、1~5、さらには7年間使用されてから交換を要します。
・銅付加IUDは、ポリエチレン・プラスチックの芯に銅線が巻きつけられたものです。
・ホルモンを含んだIUDは、空洞の筒にプロゲストゲンホルモンの入ったプラスチック製の装置です。
・すべてのIUDには、筒の下のほうに細い糸がついていて、それは取り外しや装置の位置がずれていないことを確認するために使われます。
・位置がずれていないことを確認するために、定期的なチェックアップが必要です。
・IUDを挿入した後は月経の痛みが増すという女性もいます。これは、体が装置に慣れてくると治まることが多いです。

医師に相談するタイミング

もしIUDを使用している時に次のようなことが起こった場合には、医師に相談しましょう。

・月経異常‐月経がこなかったり、月経と月経の間に出血があったりする。
・肩の痛みを伴っていたり伴っていなかったりする、ひどい腹痛。
・性行為中の激しい痛み。
・膣分泌物。

次のような女性は、IUDの使用が好ましくありません。

・再発性の膣感染症を患っている。
・ひどい、不規則な出血がある。
・骨盤内感染症や子宮外妊娠の経験がある。
・性交渉の相手が2人以上いる(ゆえに、STIにかかる可能性が高い)。
・まだ子供を生む予定がある。
・妊娠している疑いがある。

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