胸焼けの症状:薬剤師による胸焼けを治療するためのガイド

もしあなたが、週に最低でも1回は胸焼けの症状を発症するアメリカ人4000万人のうちの1人、もしくは月に最低でも1回は胸焼けの症状を発症するアメリカ人6000万人のうちの1人であるならば、酸の逆流を軽減する新しい方法を常に探しているのではないかと思います。

胸焼けの症状が深刻ではなく、処方されるような薬物が必要になるほど、酸が逆流する頻度が高くないとしても、酸の逆流を抑制するために地域の薬剤師から得られるものはまだ多くあります。薬剤師は処方するような胸焼けの薬だけでなく、日々の胸焼けを緩和するような市販の医薬品や改善の必要な生活習慣も知っています。

胸焼けの症状を防ぐ

「多くの場合、酸の逆流は始まる前に防ぐことが出来ます。」と言うのは薬学博士で、Clinical Pharamacy and Outcomes Sciencesと、サウスカロライナ州にキャンパスをおく医療系大学であるSouth Carolina College of Pharmacyの家庭医療の教授のWayne Weart氏です。「何を食べているか、いつ食べているか、そして食後何をしているかに着目しなくてはなりません。」

胸焼けの症状を減らすための食事と運動では、以下のことに気を付けなければなりません。

･油っこい食事を避ける。
･柑橘系の果物やジュースを避ける。
･量が多く、重たい食事を、複数の少量で軽い食事に変える。
･食後の2、3時間は横になったり昼寝をしたりしない。
･食後数時間は運動、身体を曲げること、かがむことを避ける。

では辛い食べ物は?アルコールは?カフェインは?酸の逆流を促進させないのでしょうか。

「人によっては促進させますが、全員とは限りません。」とWeartは言います。「油っこいものは基本的に全員に通じる胸焼けの要因ですが、辛いもので言えば、胸焼け無しで食べられる人も、食べられない人もいます。」

大抵の人は、自身の場合何が酸の逆流を招くか判別ができますが、もし確かでないならば、1週間日記をつけると良いでしょう。なにを食べたかと、いつ胸焼けを起こしたかを記入します。そうすると、どの食事を避けなければならないのかわかるでしょう。

他にも生活習慣の改善で胸焼けの可能性を下げる方法もあります。

･もし体重が通常よりも重いならば、少し体重を落とすと、もし喫煙者ならば禁煙すると、胸焼けの恐れを引き下げます。
･ベッドで使う枕を、傾いているウェッジ型にするか、ベッドの頭部を6から8インチ分上げましょう。「重力に従うようにしましょう。」とWeartは言います。でも、通常の枕を使わないようにしましょう。「中央で曲がって、胃圧を増加させることになります。」
･きつく締まっている服、特に真ん中あたりで絞るような服は避けましょう。
･薬物によっては胸焼けを悪化させたり、引き起こしたりします。これには喘息、心臓血管の健康状態、骨粗しょう症、関節炎、炎症等を治療するための薬が含まれます。もし服用している薬が酸の逆流を引き起こしていると思ったならば、胸焼けを引き起こさずに同じ効果をもたらす代替薬があるか医師に聞いてみましょう。

市販薬で胸焼けを治療する

生活習慣の改善で胸焼けは軽減できるものの、酸の逆流に苦しめられている多くの人は不快感を無くすために薬を服用しなければなりません。幸運なことに、市販の胸焼け薬はたくさんあります。

「胸焼けの薬では、複数の種類を考えなければなりません。」とWeartは言います。「多くの人は最初に、すぐに効果が出るものの、効果の持続時間が短いという特徴をもつ制酸薬を服用します。つまり、真夜中に制酸薬を服用しても、数時間後には酸の逆流で目を覚ますかもしれない、ということです。長い目で見れば、H2受容体遮断薬の方が断然効果的です。」

また、胸焼けを避けるために事前から用意することもできます。ご褒美としてしっかりとした食事を摂る予定で、食べてはならないようなものも食べるということがわかっているならば、早めに胸焼けの薬を服用しておきましょう。「食事の1時間か2時間前に(タガメットやザンタックOTCのような)H2受容体遮断薬を服用すれば、胸焼けの症状が始まる前から原因となる酸を抑制します。」とWeartは述べます。

もし1週間で2回以上酸の逆流があるならば、ピロトンポンプ阻害薬(PPI’s)と呼ばれる種類の胸焼け市販薬のプリロセックを14日間服用してみるのが良いかもしれません。これらの薬は酸の生産をより完全に、長い間抑止することができます。

「これが頻繁な胸焼けに対処する基本的な治療法です。」とWeartは言います。これらの胸焼け薬は(コーヒー1杯とかトースト一枚とかではなく)しっかりとした食事の30分から1時間前に服用すると、効果が最大限に発揮されます。

14日間の治療を行った人の約半数が酸の逆流から解放されます。この胸焼け薬を14日間服用することは、1年のうちに3回までです。「それ以上は、本当に長期治療のために内科医を紹介してもらった方が良いでしょう。」

胸焼けが危険になり得る時

もし自分で胸焼けの治療を行っているならば、特定の症状は危険信号であることを理解してなくてはいけません。もし以下の症状に当てはまるようだったら、医師を呼びましょう。

･飲み込む時に痛みを伴う、もしくは飲み込むのが困難
･説明の付かない減量
･出血、もしくは黒いタール状の便
･胸部の痛み
･激しく、絶えない声の枯れと咳を含む息の詰まり、もしくは息切れ

「これらは全て異常でただならぬ症状です。」とWeartは言います。「胸焼けだと思うかもしれませんが、実際は心臓発作とか、別の病気かもしれません。そして頻繁に市販の薬物を服用しても効果が出ない、または適切な効果が出ないのならば、医師に相談するべきです。酸の逆流は悪性主要のように、もっと深刻な病気の症状かもしれないのです。」