無視してはならない関節リウマチの症状
関節リウマチを患っている時に出たり消えたりする関節の腫れや痛みについては、よくご存知でしょう。ですが、体の他の部位に現れる珍しい症状を無視しないで下さい。それは、あなたが服用している薬の合併症や副作用の症状かもしれません。
次の10個の問題に注意し、それらに気づいたら医師に相談しましょう。
1.発熱
生物製剤などのRAの薬には、細菌に対する体の防衛である免疫システムに影響を及ぼすものがあります。体が、以前ほど病気と闘うことができなくなるかもしれません。
このことより、発熱には注意しなければなりません。「非常に活発な病気もしくは感染」などの深刻なものを合図している可能性があると、Hospital for Special Surgeryのリウマチ専門医であるCatherine MacLean医学士、博士は言います。
免疫システムの働きを抑える薬を服用しているのなら、感染はすぐに悪化するかもしれないと彼女は言っているので、すばやく治療を受けることが重要です。
2.呼吸のトラブル
もしRAを患っているなら、肺の組織を傷つけるリスクが普通の人よりも高いです。なので、治らない咳や普段の活動で息切れがする場合は医師に診察してもらいましょう。
3.腹痛や消化器の異常
関節リウマチは、潰瘍や胃の出血、大腸炎、憩室炎になる危険性を高めます。これは、RAによる炎症、または非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)やコルチコステロイドによる副作用が原因となっているかもしれません。
また、腸内の善玉菌と悪玉菌の量のバランスが崩れているという警告ともなり得る、便秘や下痢にもなりやすくなります。
4.しびれ
腫れた関節は神経を押さえつけ、体のさまざまな部位でうずきを感じるようになるかもしれません。この症状がよく見受けられる部位には、肘や足首、手首が含まれます。
血管炎と呼ばれる血管での炎症は、RAで起こることがあり、しびれの原因ともなります。
5.目のトラブル
その病気に伴う炎症は、強膜(眼球の白い部分)と角膜(薄い保護層)を含んだ目の部分を損傷させることがあります。
「目の痛み、または新たに発生し、悪化している目の赤みは、すぐに診断してもらわなければなりません」と、MacLeanは言います。数日または数週間に渡って起きた視界の変化は、どのようなことでも医師に話しましょう。
6.骨折
RAの薬には、骨量の減少を引き起こし、骨折のリスクを高めるものがあります。運動や身体的活動を避けると、骨が弱くなる可能性もあります。
骨折は、骨粗しょう症という、骨が細くなる病気を発症しているという合図かもしれません。検査を受けて診断されたら、治療を受けることができます。
7.口と目の乾燥
RA患者には、また別の炎症状態であるシェーグレン症候群を発症する人もいます。もしそれを患っていれば、噛んだり飲み込んだりすることが困難であったり、目に何かざらざらしたものが入っているように感じるかもしれません。女性においては、性交中に膣の乾燥が起こる場合もあります。
シェーグレン症候群の治療法はありませんが、薬や生活スタイルの変化によって症状を耐えやすくすることはできるかもしれません。
8.気分の変化
うつ病や不安障害は、RAとともに発病することがあります。疾病対策センターの研究によると、関節炎を患っている人の約3分の1がこのような目にあっているようです。
もし自分の気分の変化に気づいたら、医師に相談しましょう。彼がそのための治療方法や薬を提案してくれます。
9.聴力の低下
RAやそのための薬は、聴力の問題を引き起こす可能性があるということを提唱する研究がいくつかあります。もしあなたや家族があなたの聴力の変化に気がついたら、医師に薬を変えてもらったり、補聴器をすすめてもらったりすることができるかもしれません。
10.胸痛
Brigham and Women’s Hospitalのリウマチ専門医であるJeffrey Sparks医学士と彼の同僚が2015年に行った研究で、RAを患っている人は、そうでない人よりも心臓がらみの問題で死ぬ可能性が高いということが明らかになりました。「胸痛、特に活動をする場合は、医師によく診ておいてもらわなければなりません」と、彼は言います。「私たちの望みは、患者さんが本格的に発病する前の状態に戻れるようにすることです。」
全体的に見て、関節リウマチを患っている人の約40%が、皮膚や筋肉、骨、目、肺などの関節以外の部位に発症していると、MacLeanは言います。ゆっくりと進行した軽い症状があるなら、次に医師に診てもらう時にそのことを話してみましょう。突然もしくは深刻な気分や治療への反応の変化があった場合には、ただちに予約を入れましょう。