中耳炎

その他

原因

・最も一般的な中耳炎の原因は、風邪やインフルエンザなどで、鼻と喉に感染しているウイルスが耳にまで移動して起こる上気道感染症です。耳管は中耳換気ができなくなるほどに腫れ、その部分は炎症を起こし、感染し、鼓膜の後ろに膿が蓄積します。

・花粉、ほこり、動物のふけ、もしくは食品に対する鼻アレルギーもまた、煙、ガス、その他の環境有害物質と同様に、同じ結果をもたらすことができます。さらに、耳管は粘液で詰まってしまうかもしれません。

・中耳洞まで空気が届かなくなると、真空空間ができ、その結果として中耳洞に分泌液が溜まります(中耳滲出液)。

・鼻と喉の奥の細菌と/もしくはウイルスは分泌液内で成長し、耳感染を起こすかもしれません。

・感染した中耳でよく見つかる細菌には、副鼻腔炎、肺炎、そしてその他の上気道感染の原因となる細菌と同じ部類のものが含まれます。

次のような理由で、乳幼児のほうが耳感染になる傾向が高いです。

・彼らのほうが耳管が短く、細く、水平で、ある程度大きくなった子供と成人よりも塞がりやすい。

・ある程度大きくなった子供や成人とは異なり、以前にかかった感染症に対して免疫システムが防衛をつくっていない。

・耳の後ろの、耳管が開く部分である鼻咽頭が小さい。咽頭扁桃腺もそこにあり、それらは耳管に近いところにあるため、感染症にかかりやすくなります。

流れ

耳感染はたいてい、風邪などのような上気道感染とともに発生します。上気道感染になった時は、鼻と喉の奥の組織が腫れます。腫れた組織は、飲み込んだり、くしゃみをしたり、あくびをした時などに、鼻の奥と中耳洞をつなげる耳管が開くことを阻止します。

穴が閉じているせいで中耳洞まで空気が届かなかった場合、中耳に並んでいる組織から中耳洞へと分泌液を引き出す真空空間ができます(中耳滲出液)。鼻と喉の奥にある細菌と/もしくはウイルスは、耳管を上向きに移動し、分泌液内で成長し、耳感染を引き起こすかもしれません。

耳感染(急性中耳炎)の症状は、上気道感染の2~7日後に出始めることが多いです。

子供の約80%は、耳感染の治療を受けた2週間後にも(感染していないかもしれない)分泌液が鼓膜の後ろに残ったままです。これは普通のことと考えられていて、ほとんどの場合は治療をしなくても治ります。中には、耳感染が治った1,2もしくは3ヵ月後まで鼓膜の後ろに分泌液が溜まる子供もいるかもしれませんが、この発生率は次第に治まります。

もし鼓膜の後ろの分泌液が12週間以上続いた場合には、その子供は追加の治療と聴力検査が必要かもしれません。3歳以下の乳幼児は話し方を覚えている最中なので、この年代の子供の聴力評価としつこい鼓膜の後ろの分泌液の治療は重要です。子供が明らかに風邪をひいたり、耳感染になったり、その他の上気道感染にかかっていなくても、分泌液が鼓膜の後ろに溜まることはあります(滲出性中耳炎)。

耳感染が慢性的なものになったり、深刻なリスクとなることはめったにありません。しかし、治療を受けていない中耳炎は、乳様突起炎(耳に隣接した骨で起こる、珍しい炎症)などのさらにひどい合併症につながることがあります。度重なる耳感染は、鼓膜に傷跡を残し、永続的な聴力損失を引き起こし、3歳以下の子供においては音声習得を遅らせるかもしれません。また、鼓膜の後ろの分泌液の蓄積がしつこく続くと、鼓膜を損傷し、聴力損失が起こるかもしれません。

危険因子

次のような部類の人は、中耳炎になるリスクを平均以上に抱えています。

・3歳以下の子供。
・反復して風邪や上気道感染にかかる人(特に子供)。
・咽頭扁桃腺が肥大化している子供。腫れた咽頭扁桃腺の組織によって耳管が開くことが阻止され、分泌液が鼓膜の後ろに蓄積するかもしれません。
・男性。
・コーカサス人(他の民族よりもリスクが高い)。
・家系に耳感染にかかった人がいる人。
・兄弟姉妹が耳感染にかかった子供。
・託児所に預けられている子供。
・喫煙者と暮らしていたり、たばこの煙に頻繁にさらされている人(特に子供)。
・授乳ではなくミルクを与えられている子供。
・ダウン症の子供。
・口蓋裂の子供。
・アレルギーを持っている子供。
・免疫システムが弱っていたり壊れている人。

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