不整脈の診断はどのように行われますか?

検査方法

不整脈の診断を受けると、それが特に時々にしかできない症状である場合には驚くことでしょう。医師は既往歴や家族歴、診察、検査等の結果に基づいて不整脈の診断を行います。

関連する専門家とは

心臓疾患の診断と治療を専門とする医師には以下のような人がいます。
循環器専門医。心臓疾患を持つ大人を診断したり治療したりします。
小児循環器専門医。心臓疾患のある赤ちゃん、子供、十代の子供を診察し治療する医師です。
心臓電気生理学者。不整脈を専門としている、循環器専門医もしくは小児循環器専門医です。

既往歴と家族歴

不整脈と診断するには、医師は自分の症状を詳しく説明するよう言うはずです。胸の中がドキドキしているように感じるか、めまいや頭がクラクラするかどうかについて医師は尋ねます。

医師は心臓疾患、高血圧、糖尿病、甲状腺疾患の既往歴があるかどうかなど、他の病気について尋ねると思います。以下の既往症がある人が家族の誰かにいるかどうかを含む、家族歴について医師は尋ねます。
不整脈の既往症
心臓病もしくは高血圧
突然死
他の病気や健康問題

市販薬やサプリメントを含む、どのような薬剤を服用しているのか医師は恐らく尋ねます。

運動歴、喫煙歴、飲酒歴、ドラッグ(例えばコカイン)の使用について医師は尋ねるかもしれません。ストレスや憤りがあるかどうかについて、医師は尋ねるかもしれません。

診察

診察中、医師は次のことをするかもしれません。
心拍数とリズムを聞く
心雑音を聞く(余分な音、異常音が心拍の間に聞こえるか)
心臓がどのぐらいの早さで打っているのかを知るために脈をとる
心臓肥大や心不全の兆候となることがある、脚や足にむくみの兆候がないかを調べる
甲状腺疾患など他の病気の兆候がないか調べる

診断検査と診断方法

心電図

心電図は単純かつ無痛の検査方法で、心臓の電気的活動を検知し記録するものです。これは不整脈の診断でもっとも一般的な検査です。

心電図は心臓がどの程度の早さで打っているのか、またそのリズムが一定しているのか不整なのかを表します。心臓を通過するにつれ、心臓の電気信号の強さとタイミングを記録します。

一般的な心電図は数秒に1回の心拍しか記録しません。検査内に起こらなかった不整脈は検出できません。

起こったり起こらなかったりする不整脈を診断するために、医師は患者に携帯型心電図をつけるかもしれません。携帯型心電図で一般的なタイプはホルター心電図とイベント心電図の二種類です。

ホルター心電図とイベント心電図

ホルター心電図は24時間もしくは48時間の間、心臓の電気信号を記録します。自分が日常生活を送る間にホルター心電図をつけます。これは一般的な心電図よりも長時間の間心臓の記録をとることができます。

イベント心電図はホルター心電図と似ているものです。イベント心電図を日常生活を行っている間装着します。しかし、イベント心電図は装着している間の一定の時間に心臓の電気的活動を記録するだけです。

イベント心電図の多くは、症状を感じた時に自分でスタートボタンを押すものです。イベント心電図の中には、機械が心拍リズムの異常を感じた時に自動にスタートするものもあります。

イベント心電図の中には心臓の電気的活動のデータを集中監視室に送ることができるものもあります。監視室の技術者たちは情報を見直して、医師にデータを送ります。また、この機器を使って自分に起こっている症状に関する全ての情報を報告することもできます。

イベント心電図を数週間の間、または症状が起こるまで装着することができます。

その他の検査方法

不整脈の診断に使われる検査には次のようなものがあります。
・血液検査。血液検査では血中のカリウムや甲状腺ホルモンなどの物質の値を検査することができます。こうした物質の異常な値は不整脈となる確立を上げます。
・胸部X線(レントゲン)検査。胸部X線検査は、心臓や肺などの胸部構造の写真を作ることができるものです。この検査によって、心臓が肥大しているかどうかがわかります。
・心エコー検査。この検査は音波を使って心臓の動画を作成するものです。エコー検査は心臓の大きさと形について、また心室と心臓弁がどの程度きちんと動いているのかについての情報を与えてくれます。

検査では、心臓への血流の流れが悪い部分、心臓の筋肉が正常に収縮しない部分、以前に起きた血流が悪いことが原因で起きた心臓の筋肉の損傷部分についても特定することができます。

・運動負荷検査(ストレステスト)。心臓の病気の中には、心臓が激しく動いている時、または心拍が早い時に診断しやすいものもあります。運動負荷検査の間、心臓を激しく動かし、心拍を早くするために運動をします。運動ができない場合、心臓を激しく動かし、心拍を早くする薬が与えられることもあります。
・電気生理学的検査。この検査は深刻な不整脈を診断するために用いられます。電気生理学的検査の間、細く柔軟性のあるワイヤーが鼠径部の血管または腕の血管を通じて心臓まで入れられます。このワイヤーは心臓の電気信号を記録します。

医師はこのワイヤーで心臓に電気刺激を行うことで不整脈を起こします。これにより、不整脈治療薬が不整脈を改善するかどうか、医師が確認することができます。

・傾斜台試験。この検査ではなぜ患者が失神してしまうことがあるのか、その原因を見つけることの手がかりとして使われることがあります。患者の姿勢を横臥位から立位まで変化させます。体位の変化がなぜ失神してしまうのかという原因である可能性があります。

検査の間、医師は症状、心拍数、心電図、血圧を観察します。医師は薬を処方し、薬への反応を確認します。

・冠動脈造影。冠動脈造影は造影剤と特殊な胸部X線(レントゲン)検査を使い、冠動脈の内部を見える状態にします。冠動脈に造影剤を入れる時、心臓カテーテルと呼ばれる方法を用います。

カテーテルと呼ばれる、細く柔軟性のあるチューブを腕、鼠径部、首の血管に入れます。チューブは冠動脈に挿入され、造影剤が血流に流されます。

特殊な胸部X線(レントゲン)は、冠動脈に造影剤が流れ出す間に撮影されます。造影剤により、医師は心臓から血管の血液の流れを知ることができます。この検査により、心臓発作の原因となっているかもしれない閉塞をみつけることに役立ちます。

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