尿漏れ‐手術を行わない治療

治療方法

尿漏れのために受ける治療は、あなたの尿漏れの種類と症状の重さによって決まります。

もしあなたの尿漏れの原因が基礎疾患によるものなら、尿漏れの薬とともに、この基礎疾患のための別の治療も受けるかもしれません。

薬や手術を利用しない保存療法がまずはじめに試されます。これには、次のようなものが含まれます。

・生活スタイルの変化。
・骨盤底筋トレーニング(ケーゲル体操)。
・膀胱トレーニング。

これらを試してみた後、薬や手術が検討されるかもしれません。

生活スタイルの変化

医師は、症状を改善するために、生活スタイルに簡単な変化をつくることを提案するかもしれません。これらの変化は、尿漏れの種類に関係なく、病状を改善する上で役に立つことがあります。

例えば、医師は次のようなことをすすめるかもしれません。

・カフェイン摂取量を減らす‐カフェインは、紅茶、コーヒー、コーラなどに含まれ、体が生成する尿の量を増やすことができます。
・1日に摂取する液体の量を調整する‐飲む量が多すぎたり少なすぎたりすると、尿漏れが悪化することがあります。
・肥満なら、体重を落とす‐標準体重を計算し、自分の体重が身長に適したものかどうかを確かめましょう。

骨盤底筋トレーニング

骨盤底筋は、排尿をする際の尿量をコントロールする筋肉です。それは、膀胱と、膀胱から体外へ尿を送る管である尿道を囲います。

弱ったり損傷を受けたりしている骨盤底筋は尿漏れを引き起こすことができるため、これらの筋肉を鍛えることはよく推奨されています。

あなたの医師は、骨盤底筋トレーニングのプログラムを始めるために、専門家を紹介してくれるかもしれません。

その専門家は、あなたが骨盤底筋をしぼることができるかどうか、また、どの程度しぼることがきるかを判断します。

骨盤底筋を収縮することができれば、専門家の判断に基づいて個人の体操プログラムを組まれます。

あなたのプログラムは、最低でも1日に3回、少なくとも8回の筋収縮を必ず3ヶ月は続けることが含まれているはずです。この期間が終わった後に体操の効果が見られたら、それを継続してもかまいません。

研究によると、骨盤底筋トレーニングをこなした女性のほうが尿漏れをすることが少なく、人生の質も良いのではないかということがうかがえます。

電気刺激

もし骨盤底筋を収縮することができないならば、筋肉の電気信号を測り、刺激する道具を使うことが推奨されるかもしれません。これは、電気刺激と呼ばれます。

女性ならば膣に、男性ならば肛門に、小さなプローブが挿されます。そのプローブに電流が走り、骨盤底筋の体操をしながらその筋肉を強化する手助けをします。

電気刺激の使用は難しかったり不愉快だったりするかもしれませんが、それを使わずに骨盤底筋の収縮をすることが困難なら、使うと良いかもしれません。

膀胱トレーニング

もし急迫性尿失禁と診断されたなら、最初に提案される治療のひとつに膀胱トレーニングが含まれるかもしれません。

また、もし複数の尿漏れが混合しているなら、膀胱トレーニングは骨盤底筋トレーニングと一緒に行うように指示されるかもしれません。

尿意を感じたタイミングと排尿をするタイミングの間隔を広げるには、テクニックを学ばなければなりません。そのためのコースには、たいてい6週間はかかります。

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