心的外傷後ストレス障害 本当の病気

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心的外傷後ストレス障害PTSDは、どれほど本当なのでしょうか?そして、誰が、この疾患になるのでしょうか?

PTSDは本当の病気なのでしょうか?

ほとんどの精神疾患と同様、PTSDは、「本当の」心配ごと、もしくは「正当な」病気ではないと考えられることが多いです。今日でも、精神疾患が、弱さ、注目を集める行動のサインだとみなされることは多く、特定の疾患の場合、モラルがないとみなされることすらあります。

精神疾患の人への判断や誤解は、無知によるものだけではなく、長らく、心と体が、連結したものではなく、二つの分離した存在であると考えられてきたことにもよります。

PTSDは、心身に影響を与え、精神、肉体両方に症状を出現させます。幸い、この疾患に関する考えは、ゆっくりと変わっています。この変化は、アメリカ合衆国のような国々で現れ、現在では、そのような症状が病気だと認識されています。ベトナム帰還兵は、異なった観点で見られ、警察のメンバーにサポートサービスが提供され、それ以降、イラクから戻った兵士を手当てするためにプログラムが導入され、自然災害などのほかの背景によるトラウマを体験した人には、PTSDの発症を事前に防ぐことを目的とした、支援が行われています。

残念ながら、特に、男性に対して、未だに、そのような烙印は残っており、最初に症状が現れたときに、対処していないことを認めたがらず、助けを求めることをためらう人が多いです。

PTSDの認識方法

不安障害に分類されるPTSDは、異常な脅威や壊滅的な自然といった、トラウマになる出来事や、ストレスを感じる出来事への反応がすぐに、もしくは遅れて起こり、場合によっては、その反応が持続することで出現します。そのような出来事の例としては、自然災害、爆風といったテロ行為、ハイジャックや身体的暴行があります。

PTSDを引き起こすストレッサーは、人間の通常の体験の範囲外です。愛する人を失った悲しみや、婚姻関係に関する葛藤といった問題は、PTSDを発症するほど深刻なものではないと考えられています。PTSDを患っているのは、以下のような人です。

・強い恐怖、絶望、嫌悪を引き起こす、自分自身または他人への、死や重大な負傷の脅威をもたらす、トラウマとなるような出来事を体験、目撃、もしくは、直面した人。
・脳に押し寄せる思考、夢、出来事が再発したかのような振舞いや感覚、その出来事を象徴する合図や、その出来事に共通する合図を発見した時の激しい苦痛や感情を通して、いつまでも、その出来事を追体験する人。
・出来事に関連する要因を避け、トラウマに関連する思考、感情、会話、活動、場所や人を避けることで、反応性全般を麻痺させようと試みる人。
・トラウマの重要な側面を思い出せず、様々な活動に参加することへの興味を失っている人。
・他人から孤立していると感じ、感情の幅が制限され、しばしば、愛情のある人間関係が築けない人。
・将来にあまり希望を感じられない人。
・睡眠障害、興奮、突発性の怒り、集中できない、警戒心の強化、誇張された、もしくは驚いた反応といった、感情の興奮が増すという症状がある人。

上述ような混乱状態は、最低1ヶ月間続き、社会、職業、もしくは、他の日常生活での重要な領域において、重大な苦痛や機能障害が発生するでしょう。

総じて、PTSDの人は、この障害がない人に比べて、さまざまな状況に、より激しく反応します。他の人が拒絶で反応するのに対し、PTSDの人は、目を背けることで反応し、アルコール、薬物、もしくは自殺に転じる場合があります。感情と向き合うことができないため、愛することや働くことができなくなります。このような苦痛によって、強迫性障害、パニック障害、全般性不安障害、急性ストレス障害やうつ病といった、不安障害が引き起こされる場合があります。

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