統合失調症

治療方法

統合失調症はどのように治療されているのですか?

統合失調症の治療のゴールは、症状を和らげ、症状が再発する可能性を少なくすることです。統合失調症の治療には、以下のようなものがあります。

・薬:統合失調症を治療するために使われる薬の中でも主要となるのが、抗精神病薬です。こうした薬は、統合失調症を治すわけではありませんが、妄想や幻覚、思考の問題といった、最もやっかいな症状を和らげる働きをします。

・社会心理療法:薬によって統合失調症の症状が和らぐ一方で、社会心理療法は病気の影響による、行動上や心理上、社会的、あるいは職業上といった様々な問題に対処するための手助けをします。セラピーを通じて、どのようにしたら症状と付き合っていけるのかについて考えたり、早い段階で再発の予兆に気付くための方法を見つけたり、再発を防ぐためのプランを考えたりすることができます。

・入院:統合失調症の患者の多くは、外来の患者です。しかし、とくにひどい症状が出ている人や、自分で自分自身の面倒を見るのが困難で、自分や周りの人を傷つけてしまう恐れのある人は、入院することで状態を安定させる必要があることがあります。

・電気ショック療法(ECT):この治療法は、患者の頭皮に電極が取り付けられ、全身麻酔によって眠らされているあいだに、脳に小さな電気ショックが与えられるというものです。電気ショック療法による治療は、通常週に2~3回行われ、それを数週間続ける必要があります。それぞれの治療で、発作がコントロールされ、何度も同じ治療を繰り返すことで、気分や思考の向上につながるのです。

統合失調症の患者は危険ですか?

本や映画などでは、統合失調症やその他の精神病の患者は危険で、暴力的に描かれることが多いですが、実際は全く違います。統合失調症の人のほとんどは、決して暴力的ではありません。内にこもりがちになり、ひとりにして欲しいと思うケースが典型的な例です。しかし、時に、精神病患者は、病気と、身の回りの環境に何らかの形で怯えてしまう結果として、危険な、あるいは暴力的な行動に出てしまうこともあります。

一方で、統合失調症の人は、自分自身を危険な目に遭わせてしまう恐れもあります。統合失調症の患者が早い段階で亡くなってしまう原因として最も多いのが、自殺なのです。

統合失調症患者の今後の展望はどのようなものですか?

正しく治療をすれば、統合失調症を患っている人でも、生産的で充実した人生を送ることができます。症状の深刻さとどれだけ治療を一定期間受けてきたかに応じて、家族と一緒に生活したり、社会環境に溶け込めるのか、精神病患者のための施設などで長期間過ごさなければならないのかが変わってきます。

脳と、脳の疾患がどのようにして進行してしまうのかに関する研究は進んでおり、今後より効果的で、かつ副作用の少ない薬が期待されています。

統合失調症を予防することはできますか?

統合失調症を予防する方法として、知られているものはありません。しかし、早期の診断と治療によって、再発を繰り返したり、入院することを防ぐことにつながります。また、患者本人や家族の人生、また人間関係を傷つける可能性を低くすることができます。

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