ネフィラセタム

その他

ネフィラセタムは、アニセセタムと類似しているラセタム系の向知性の化合物です。GABAの作動性やコリン作動性シグナル伝達の両方を増強すると考えられており、動物実験では、長期間の使用による神経保護と向知性の効果が見られています(ヒトを対象にした研究でも、同様の傾向がみられています)。

概要

ネフィラセタムは、最初に親分子であるピラセタムから誘導されたラセタムクラスの認知増強剤(ノートロピック)ですが、アニラセタムと構造的に最も類似しています。ネフィラセタムとアニラセタムはいずれも、記憶の増強や認知低下の治療として有効な、脂溶性のラセタム薬です。

急性の使用に関しては、ネフィラセタムの単回投与は記憶形成に有意に影響しないようです。

ネフィラセタムは、長時間(7日以上)にわたって毎日服用すると、記憶の形成を向上する効果があり、
動物実験では、繰り返しその効果が示されています。人に関しては、限られた実験において、同様の効果が示唆されています。

また、長期間にわたる補給は、高いニューロン新生率と関連しており、急激には見られません。

ネフィラセタムの機構は、2つの経路に関連していると考えられています。
一方は、シナプスとは無関係に受容体のシグナル伝達を増強するカルシウムチャネル(PKAとGi / oタンパク質に結びついている)の開口を延長し、もう一方の経路は、PKCおよびCAMKIIに結合し、その後、コリン作動性受容体を介したシグナル伝達を増強しすると考えられています。

前者の経路(カルシウムチャネル)は長期間の増強に重要であると思われますが、後者の経路(PKC / CAMKII)はニューロンの信号増強に不可欠であるようです。

他のいくつかの小経路では、NDMA受容体のグリシン結合部位のパーシャルアゴニストや、ムスカリン性アセチルコリン受容体の、そのリガンドである、アセチルコリンに対する親和性の増加が含まれます。

ネフィラセタムは、記憶形成を促進するための認知エンハンサーであり、シナプスにおけるアセチルコリンとグルタミン酸のシグナル伝達を増強し、活性化されたニューロンのカルシウムを延長させることによって、作用します。劇的に機能するわけではないにも関わらず、毎日の補給が必要になります。

ネフィラセタムの潜在的な毒性に関しては、イヌにおいて確実に毒性がある考えられています。ただし、これは推奨される補給用量よりも、はるかに高量を補給した場合です。低用量は毒性がないようであり、これらの低用量は、推奨用量範囲にほとんど適合しません。

毒性は、ラットやサルでは検出されておらず、イヌだけに見られることを示唆する証拠があると言われています。人間にとって、全く問題ではないこと確証するためには、人間での臨床実験が不十分ですが、推奨されているネフィラセタムの用量を使用している現時点でのヒトの証拠としては、重大な合併症は見られていません。

「ネフィラセタムは犬にとって非常に有毒ですが、これはサルやげっ歯類には及ばないと思われます。ヒトにとっては有害か無害かは、まだ完全には解明されていませんが、標準的な補給用量においては、予備試験では明白な毒性との関係は見られていません」

接種方法

ネフィラセタムの補給は、1日に150〜450mgだと考えられています。(通常、3回に分けて摂取します。)。急激な服用量を用いた動物実験では、3〜10mg / kgの範囲で最も多くの効果が見られる傾向があり、この用量は人間では0.48-1.6mg / kg(150lb人の場合、33〜110mg)に相当し、この数値は前述した人に対する用量に類似しています。

ネフィラセタムの単回投与は、認知の促進にはつながらないものの、経口摂取後30〜60分以内に脳に影響を及ぼすことができます。ネフィラセタムを認知訓練に先立って採取する必要があるかどうかは不明です。

関連記事一覧