心臓の動悸と異所性収縮
心臓の動悸は、突然、通常より目立って心臓が鼓動することです。
心臓が、ほんの数秒や数分間、激しく、震えるように、または不規則に鼓動していると感じることがあります。また、これらの感覚が喉や首で起こっているように感じることもあります。
動悸は、ただならないことのように思われます。しかし、ほとんどの場合、無害で、深刻な病気のサインではありません。
時に、余分に鼓動がある、または、鼓動が飛んだように感じることがあるかもしれません。これは、異所性収縮として知られるもので、これも、通常、全く心配することはありません。
心臓の動悸の原因
心臓の動悸の原因には、以下のようなものがあります。
・生活習慣によるもの
・感情によるもの、または心理学的原因
・医薬品
・ホルモンの変化
・心臓の鼓動の問題
・心臓病
・他の内科疾患
生活習慣によるもの
心臓の動悸の一般的な原因には、以下のようなものがあります。
・激しい運動
・睡眠不足
・コーヒー、お茶、栄養ドリンクなど、カフェインを含む飲み物
・アルコール
・喫煙
・コカイン、ヘロイン、アンフェタミン、エクスタシー、大麻などの違法薬物
・脂っこい食べ物や辛い食べ物
この場合、動悸は、自然と消えるはずです。これらの原因を避けることで、動悸の再発を予防できるかもしれません。
感情によるもの、または心理学的原因
心臓の動悸は、以下のような、感情や、心理学的問題によって引き起こされることも多くあります。
・興奮または緊張
・ストレスまたは不安
・パニック発作―気分が悪くなる、発汗、震えや動悸に伴い、不安や恐怖を強く感じること
ストレスや不安、パニックになりそうだと感じたら、呼吸訓練や、パニック発作の治療法が役立つかもしれません。
医薬品
以下のようなものによって、動悸が引き起こされる場合もあります。
・サルブタモールや臭化イプラトロピウムなどの喘息吸入剤
・ヒドララジンやミノキシジルなどの高血圧薬
・テルフェナジンなどの抗ヒスタミン薬
・クラリスロマイシンやエリスロマイシンなどの抗菌薬
・シタロプラム、エスシタロプラムなどの抗鬱薬
・イトラコナゾールなどの抗真菌薬
医薬品が動悸の原因だと考えられる場合は、かかりつけ医に相談しましょう。しかし、医者に相談しないで、処方箋薬の服用をやめないようにしましょう。
ホルモンの変化
女性の動悸は、以下のような場合に発生する、ホルモンの変化の結果として起こることもあります。
・月経
・妊娠
・更年期―月経が終わり、自然に妊娠することができなくなる時
これらの場合、通常、動悸は一時的なものに過ぎず、心配する必要はありません。
心臓の鼓動の問題
動悸が、以下のような、心臓の鼓動に付随する問題によって、引き起こされていることがあります。
・心房細動―心臓の鼓動の問題により、心拍が速く、不規則になっている可能性があります。
・心房粗動―心拍が速く、規則的または不規則的に乱れる。
・上室性頻拍症(SVT)―尋常ではないほど速いが、規則的な心拍を引き起こす、鼓動の問題。若く、鼓動以外は異常がない人によく起こります。
・心室頻拍症―めまいや意識喪失と関連があり、より深刻で、多くの場合、心拍が速く、規則的に乱れる
これらの症状は、不整脈として知られています。
心臓病
動悸が、以下のような、他の心臓の問題と関連があることがあります。
・僧帽弁逸脱など、心臓弁の問題
・肥大型心筋症―心臓の筋肉と壁が肥大し、厚くなる疾患
・心不全―心臓が、血液を、適切に体内に送ることができなくなる
・先天性心疾患―心臓の通常の機能に影響を与える、出生異常
これらの症状には、深刻なものがあり、治療を必要とすることが多いです。
他の内科疾患
以下の症状も、心臓の動悸の原因になる事があります。
・甲状腺機能亢進症―甲状腺が、甲状腺ホルモンを作りすぎる疾患
・血糖値が低い(低血糖症)―これは、糖尿病と関連があることが最も一般的です。
・貧血―赤血球の数の減少
・立ちくらみ、または起立性低血圧―めまいや、立ち上がるなど、姿勢を変えることで起こる低血圧
・38℃以上の高熱
・脱水症状
かかりつけ医の診察を受けた方が良い時
動悸がすぐになくなり、時々しか起こらない場合は、通常、医者に行く必要はありません。そのような動悸は、深刻な病気によって引き起こされている可能性は低く、治療は必要ないでしょう。
しかし、以下のような場合は、医者の診察を受けた方が良いでしょう。
・動悸が長時間続き、良くも悪くもならない場合
・心臓の障害を経験した過去がある場合
・動悸について不安に感じる場合
動悸の原因を定めるため、医者は以下のようなことをすることがあります。
・症状や病歴について尋ねる
・血液検査を手配する
・心拍数を調べるために、設備が整っている場合は、心電図を行う
かかりつけ医の診療所で心電図を行うことができない場合や、長時間の心臓モニタリングを行う必要がある場合は、検査のために、地域の病院を紹介されることがあります。
緊急救助を呼ばなければならない時
心臓の動悸があり、以下のいずれかの症状がある場合は、119番に電話をし、救急車を呼ぶか、一番近い救急外来に行きましょう。
・激しい息切れ
・胸の痛みや圧迫感
・めまいや意識が朦朧とする
・失神または意識の喪失
これらの症状は、深刻な、または、潜在的に命を脅かす心臓病を暗示している可能性があり、可能な限り早急に、医者に診てもらう必要があります。