年配の女性における尿失禁

治療方法

American College of Physicians(ACP)が自身の主力なジャーナルであるAnnals of Internal Medicineに記載された、根拠に基づく新しい外来診療所の診療指針では、骨盤底筋が強化するためのケーゲル体操、排尿訓練、減量、そして運動は、手術無しの治療を試みる尿失禁(UI)の女性にとって効果的とされています。

「尿失禁は、多くの女性がもっている問題にも関わらず、大抵報告も診断もされません。」とACPの代表取締役であるDavid Fleming博士は言う。

「医師は積極的な態度を見せ、症状の発現、症状、尿漏れの頻度等、具体的な質問をする必要があります。尿失禁をもつ女性のうち、医師に報告しない女性の数は半分にものぼるとされています。

ACPは緊張性尿失禁(笑ったり、咳をしたり、くしゃみをしたりした時に尿を溜めておくことがきないこと)をもつ女性に、ケーゲル体操を推奨し、浸透性の薬物治療は向かないと言います。

ACPは切迫性尿失禁(急に強い尿意を感じた後、明確な理由無しで尿漏れすること)をもつ女性に、排尿訓練を推奨します。もし排尿訓練が効果的でなかったならば、薬物治療を勧めます。医師は薬物が与える様々な影響、耐性、服用のしやすさ、そして値段という観点から薬物を選ぶべきでしょう。

緊張性尿失禁と切迫性尿失禁両方に当てはまる混合型尿失禁をもつ女性には、ケーゲル体操と排尿訓練を勧めます。

ACPは尿失禁をもつ肥満な女性に対して、減量と運動を推奨します。

「尿失禁に関して、医師はできる限り薬物治療を避けたほうが良いでしょう。」とFleming博士は言いました。

「緊張性尿失禁に対するケーゲル体操、切迫性尿失禁に対する排尿訓練、混合型尿失禁に対するケーゲル体操と排尿訓練は効果的で、ほとんど副作用が無く、薬物治療に比べて安くおさえられます。様々な薬物が尿失禁を改善し随意調節を可能にするものの、大抵逆行的な影響は多くの患者が治療を諦める原因となってしまいます。」

ケーゲル体操とは、尿の流れを妨げる筋肉に力を入れたり抜いたりして、骨盤底筋を強化する体操です。排尿訓練は、計画的に排尿をして、次第にトイレの間隔を長くしていく行動療法の一種です。

14から21歳の女性の約25%、40から60歳の女性の44から57%、75歳以上の女性の75%もの人々が尿失禁をもっています。とある研究で尿失禁の最低でも半数が医師にその問題を相談していないと答えたので、この推定人数は実際より少ないかもしれません。

尿失禁の危険因子には、妊娠、普通分娩による骨盤底の損傷、更年期障害、子宮摘出術、肥満、尿路感染症、機能障害、認識機能障害、慢性的な咳、便秘等が含まれます。

尿失禁の他の治療法としては、外科治療の選択肢や、ボツリヌス毒素、経皮的電気神経刺激、磁気刺激、電気刺激のような、手術を行わない治療があります。

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