ケルセチン

治療薬

ケルセチンは全ての生体フラボノイドの中で最も研究の進んでいるものです。サプリメントとしての機能自体は良くはないのですが、研究トピックとしてはとても興味深いものになっています。他の生体フラボノイドとの間にたくさんの相互・相乗作用が見られ、レスベラトロールや緑茶カテキンの吸収を増加させます。

概要

ケルセチンは野菜や果物にみられる生態フラボノイドですが、特にりんごやたまねぎにおいて多くみられます。

他の多くの生体フラボノイドと同様、ケルセチンは抗酸化性、アテローム産生抑制性、抗腫瘍形成性を持っています。ケルセチンはまた向神経活性があり、カフェインと同じ能力を(効能はより低いですが)幾つか持っています。

ケルセチンのもたらす効果については、生体外(細胞を培養する)研究におけるものと生体内研究におけるものの間に隔たりがあります。生体外研究でみられる目覚しい結果も、人体や動物の体内では大した効果がないのです。これは主に、ケルセチンの経口生物学的利用能が低い(成分の極少量しか吸収・利用されない)ことに起因しますが、もしかすると生体外研究で用いられるケルセチンの形態が「ケルセチン・アグリコン」と呼ばれるものだから、ということもあるかもしれません。このタイプのケルセチンは肝臓で変化させられてしまう故に、絶対に(服用後でさえも)血液中では見つからないものなのです。

同量のケルセチンを服用した場合でも、かなり広い個人差が見られるということも、多くの研究が記録しています。したがって、サプリメントに関しては相当程度の変異性がみられるであろうことが示唆されます。

ケルセチンはGRAS status(Generally Recognized As Safe: 一般的に安全性が認められる)を保持しており、人体においても動物においても1日数グラムの服用量であれば副作用は全く確認されていません。

基礎知識

注意事項
・ケルセチン(粉末状)は黄色です。

摂取方法

ケルセチンの服用は体重1kg当たりに対し12.5-25mg範囲で行われます。これは1日あたりでは1136-2272mgを消費することに相当します。

ケルセチン・サプリメントはレスベラトロールやゲネステイン、或いは緑茶カテキン等の生体フラボノイドと共に摂取することが推奨されています。これによる相乗効果で効能が増大し、理論的にはより少ない服用量で効果・利益を享受することができます。

ケルセチンを求める時は、粉末状が最も生物学的利用能が高いようです。ケルセチンの次がグリコシド、アグリコン、そして最後にルチノシドです。

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