リンゴ酢と健康

その他

リンゴ酢は、長い間にわたり家庭薬として使用され、のどの痛みから静脈瘤まで様々な症状の治療に用いられました。しかし、これらの効果を裏付ける科学的な根拠はあまりありません。それでもなお、近年になって一部の研究者がリンゴ酢に目を向け、リンゴ酢がもたらしうる効果についての研究を進めています。

何が入っているの?

ほとんどはリンゴの果汁ですが、イースト菌を加えることによって果糖がアルコールに変化します。これが発酵です。細菌がそのアルコールを酢酸に変えることで、酢の酸味と強いにおいが生まれます。

どのように使用されるの?

酢は料理、製菓、ドレッシング、そして保存料としても使用されています。酢には酸が多く含まれているため、そのまま飲むことは推奨されていません。また、多量に摂取することで深刻な健康問題つながりかねません。健康増進のために摂る場合は、大さじ1~2杯を水かお茶に加えるという方法が推奨されています。

報告されている効果の多くは現代の研究によって裏付けられたものではありません。しかしながら、酢のあの独特な味とにおいのもととなっている酢酸が様々な病状に対して効果的である可能性が一部の研究で示唆されています。

・日本の科学者は酢を飲むことが肥満の軽減につながる可能性を発見しました。
・ある小規模な研究では、酢がII型糖尿病患者の血糖値とインスリンの値を改善しました。

また、酢にはポリフェノールと呼ばれる化学物質が含まれています。ポリフェノールは抗酸化物質で、細胞損傷(がんなどの病気につながることがあります)を防止することができます。ですが、実際に酢ががんのリスクを下げることができるかという点においては、研究結果は一様ではありません。

マイナス面

先述のように酢は強酸性です。多量のリンゴ酢を飲むことによって、歯を悪くしたり、のどを痛めたり、胃の調子が悪くなることがあります。また、以下のようなマイナス面もあります。

・一部、効果に見込みがあるとする研究結果もありましたが、リンゴ酢が減量につながるという根拠はいまだ多くありません。
・カリウム値が下がりすぎてしまうことがあります。筋肉や神経が正常に動くためにはこの栄養素は必要不可欠です。
・I型糖尿病患者を対象に行われた研究では、酢によって食べ物や飲み物が胃から次の消化器官へと移動するペースを遅くすることがわかっています。これにより、血糖値の調節が難しくなってしまいます。
・糖尿病や心臓病の治療薬、利尿剤(水分と塩分の排泄を助ける薬)、便秘薬の効果に影響する可能性があります。
・言うまでもなく、酢の強烈な味はすべての人に好まれるものではありません。

要するに、リンゴ酢が健康を著しく損なうことはないということです。カロリーゼロで、健康効果があり、食べ物の味付けにもうってつけなので、食生活の中に取り入れて楽しみましょう。しかしながら、妙薬ではありません。

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