性同一性障害–症状

症状

性同一性障害の身体的症状はありませんが、この状態の人は、さまざまな感情や行動を経験し、示すことがあります。

多くの場合、性同一性障害を持つ人は、自らの生物学的性別と性同一性の間の不一致を子ども時代の早い頃から感じ始めます。成人期までこれは起こらない人もいます。

子どもたち

子どもの性同一性障害には、以下のようなものが含まれます。
・性別が異なると主張する
・その性別の人に一般的に着られている服装を嫌い、異性に一般的に着られている服装を好む
・その性別の人に一般的に関連した活動やゲームを嫌い、拒否し、異性に一般的に関連した活動やゲームに参加したがる
・異性の子どもと遊ぶことを好む
・生物学的に同性の人が通常行うように排尿をするのを嫌い、拒否する — 例えば、男の子が座って尿をしたがり、女の子が立って尿をしたがる場合がある
・性器の変化を主張し、望む — 例えば、男の子が男性器を取り除きたがり、女の子が女性気を育てたいと思う場合がある
・思春期の肉体的変化に極度の苦痛を感じる

性同一性障害を持つ子どもは、これらの行動の一部または全部を示すことがあります。しかし、多くの場合、このような行動は子ども時代の一部であり、必ずしもその子どもが性同一性障害を持つとは限りません。

例えば、多くの女の子は、通常の女性の発達の一部としてよく見られる「おてんば」と表現されるような行動をします。男の子達が女の子の役をやり、母親や姉の服でドレスアップをすることも珍しくありません。これは単なる通常の発達段階です。

これらの行動をする子どものほとんどは性同一性障害を持たず、性転換者になることもありません。まれなケースでのみ、その行動は十代や大人になっても残ります。

十代の人や大人

子どもが十代や大人になっても、性同一性障害が残っている場合は、単に発達段階を踏んでいるだけではない可能性があります。

子ども時代に始まった性同一性障害の感覚を十代や大人になっても持っているなら、自らの性同一性と、どのようにそれに対処したいか、より明確に理解しているでしょう。性同一性障害の強い感覚を持つ人々は十代の間に完全に性転換しています。

性同一性障害の十代の人や大人に与える影響は、子どもに与えるものとは異なります。性同一性障害を持つ十代の人や大人は、以下のようなことを感じているかもしれません。
・自らの性同一性は生物学的性別とは間違いなく異なる
・自らの好む性同一性の性別として振舞うときのみ心地よさを感じる
・胸や体毛、筋肉など、自らの性別の身体的兆候を隠すか、取り除きたいという強い欲求
・生物学的性別の生殖器への強い嫌悪感と、それを変えたい、もしくは取り除きたいという強い欲求

適切な助けや支援がなしに、自分の気持ちを押さえ込み、生物的な性生活を生きようとする人もいます。しかし、最終的には、ほとんどの人がこれを維持することができません。

これらの感情を抱えたり抑えたりすることは、しばしば対処が難しく、その結果、多くの性転換者や性同一性障害を抱える人々は、うつ病や自傷、自殺思考を経験します。

うつ病や自殺願望を感じている場合は、できるだけ早く医師に相談して下さい。

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