体臭があるならば、遺伝が関係しているかも

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魚臭症候群が、これまで考えられていたよりも、一般的なものである可能性があることを示す研究があります。

デオドラント(消臭剤)を使用して、できる限り頻繫にシャワーを浴びている姿を想像してみてください。本質的には、体は完全にきれいですが、依然として魚のような臭いがします。

この事は、一部の人にとっては、歓迎されていない現実です。一般的には、「魚臭症候群」と呼ばれますが、専門的には、トリメチルアミン尿と呼ばれる遺伝的状態です。そして、これまで考えられていたよりも、一般的な症状である可能性があります。

魚臭症候群これまで、比較的まれな疾患で、米国内の患者は20万人未満だと考えられていました。しかし、フィラデルフィアのMonell Chemical Senses Centerの科学者は、このような体臭を訴える人の約3分の1は、代謝障害であるトリメチルアミン尿症(TMAU)だ報告しています。

この発見はAmerican Journal of Medicineに掲載されています。

「魚臭症の人は、我々が考えていたほど珍しいことではありません」と、研究者のジョエルプレティ博士は言います。博士は、Monell Chemical Senses Centerの有機化学者です。良いニュースは、TMAUは一旦診断されると、食生活を改善することで臭いをなくすことができるということです。

TMAUとは?

TMAUは遺伝子疾患です。特定の遺伝子が、トリメチルチアミン(TMA)を分解する身体の能力を妨げます。トリメチルチアミンは、以下の様な、主にコリンが豊富な食べ物に含まれています。

・卵
・小麦胚芽
・海水魚
・肝臓、脳、心臓などの内臓肉
・特定の豆

手短に言えば、過剰なTMAが体内に蓄積することで、悪臭を放ちます。TMAは汗、尿、息を介して放出されます。

TMAUの程度と臭いは、何を食べるかと、いつ食べるのかに基づいて異なります。 「最も重症の症例においても、豆腐や卵などのコリン食品を食べた時しか匂いが出ないという人もいます。」

この事が、研究をさらに困難にしています。さらに、容易に尿中のTMAレベルが測定できる検査は試験はありません。しかし、米国では、Monell Chemical Senses Centerを含め、TMAの検査ができる研究所がいくつか報告されています。

新しい研究は、説明できない悩ましい匂いに悩まされていることが原因でMonell Chemical Senses Centerを訪れた、353人の患者を対象に行われました。研究者は、被験者達がコリンが豊富に含まれている食べ物を摂取した後の、TMAの尿中濃度を調べました。そして、うち、118人は尿中のコリンのレベルが高かいことがわかりました。この研究では、65%もの人には、TMAは見られませんでした。

Preti氏は、魚臭症候群だとの認識自体、疑わしいものがあると、Preti氏は言います。TMAUの誰もが魚のようなにおいをするわけではありません。

「このことは、ナンセンスです」と彼は言います。重度の症例の人だけが腐った魚のような臭いがあり、そしていつも臭いがあるわけではない、と彼は語ります。この研究では、3.5%の人々が「魚臭い」匂いを訴えていました。

TMAUの治療

TMAUの治療法は、コリンが豊富な食品の摂取を避けることである、とPreti氏はWebMDに語っています。

抗生物質で効果が見られることもあります。 「特別なイベントや結婚式に出席し、食べるものを制限できないことが分かっている場合は、抗生物質を検討してください。」

シカゴにある、the Smell and Taste Treatment and Research Foundationのディレクターである、Alan Hirsch博士は、この発見は、TMAUが予想以上に一般的であるこということを示唆しています。

「TMAUの人は、身体のある領域から悪いにおいがあるといい、TMAUだと説得することは難しい」と彼はいいます。「1日に12〜15回シャワーを浴び、多くの医師の診察を受けている人もいます。」

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