アルコール依存症

治療薬

治療法

アルコール依存症の人のうち、15%の人しか治療を求めていません。アルコール依存症の人の検査や治療を始めることをためらっており、その理由としては自分がアルコール依存症であることを否定しているからのようです。アルコール依存症の人が治療を始めるのは、家族、友人、医師がそうするように説得した場合です。アルコール依存症の人のそばにいる人が、治療の必要性を受け入れるように介入することです。もし、友人や家族のため介入したいと考えるようであれば、アルコール依存症の分野に強い医師などの専門家に、一番よい方法はなにか、話し合ってみましょう。アルコール依存症は、犯罪や医療的な緊急性という結果が起こらない限り、強制的に介入することはできません。

治療の第一歩は、その人がアルコール依存症の治療を求めているかどうかを決定するところから始まります。アルコール依存症である場合は、完全な禁酒が完全回復のために、常に必要なことになります。

アルコール依存症は、医学的管理とカウンセリングを含む治療プログラムを必要とします。治療は外来プログラムと入院プログラムがあります。

一般的な治療プログラムには次のようなものがあります。

・解毒と離脱
解毒は4-7日間程度、管理下の下、アルコールの離脱を含むのです。ベンゾジアゼピンと呼ばれる精神安定剤が離脱症状をコントロールするために処方されることが多いです。アルコール離脱の後、最初の5日間の間に起こることが最も多いです。
・回復プログラム
回復プログラムまたはリハビリプログラムは解毒後の支援を行うことにより、禁酒を維持するためのものです。通常、このプログラムでは、カウンセリング、精神的支援、医療面でのケアを受けることが可能です。アルコール依存症とその影響についての教育はこの治療法の一部です。リハビリセンターの職員も、アルコール依存症を克服したお手本としてこのプログラムに関わります。
・アルコール依存症に関連した、一般的な病気の検査や治療を行います。
・精神的支援と精神科治療
個別またはグループによるカウンセリングやセラピーにより、アルコール依存症の真理的な面からの回復を支援します。カウンセリングと治療のじゅうような面は、飲酒の原因となる行動パターンを認識し、修正することです。うつや気分障害は同時に治療すべきです。アルコール依存症は依存症のまわりの人にも悪い影響を与えるため、家族の強力は効果的な回復には欠かせません。
・依存症ということを受け入れ、禁酒をすることを強調します。自分が依存症だということを受け入れ、リスクのある禁酒ができないことを認識するまで、効果的な治療を行うのは不可能です。
・薬物療法
離脱を安全に行うための精神安定剤に加えて、冷静でいるために効果がある2つ目の薬剤が使われることがあります。アルコール感作薬剤であるジスルフィラムは、服用すると体のほてり、吐き気、頭痛などの身体的反応を起こします。ナルトレキソンは、アルコール・ハイを阻止する比較的新しい薬で、飲酒したい気持ちを減らします。この薬剤はアルコール渇望を減らし、再飲酒を防ぐ効果もあります、
・追加的持続支援
アルコールを摂らず、長期的にしらふであったといっても、再飲酒する可能性があり、アルコールを避け続けなければなりません。アルコール依存症から回復した人とその家族の多くは支援団体に参加しており、これは依存症に対処するには欠かせないことの一つです。支援団体はアルコール依存症を克服した人たちの団体で、心のサポートをしたり、禁酒の効果的な模範となってくれるものです。医師やカウンセラーが支援団体の情報を教えてくれたり、電話帳や地元新聞やインターネットで支援団体の情報を得ることができます。
・全体的な健康を改善する
ビタミンサプリメントとバランスの取れた食事を摂り、定期的な運動をすることは、健康を取り戻す上で重要なことです。

結果

アルコール依存症は、糖尿病等のほかの病気と同様で、たとえ患者が禁酒し続けていても、1回の治療の後に単に消えてなくなるものではありません。治療プログラムの成功率は様々です。アルコール依存症の人は、治療1年後に禁酒を続けている人はほんの数人で、他の人は禁酒の期間があるものの、飲酒してしまうこともあるということが研究結果で報告されています。多くのアルコール依存症は6-7回飲酒してしまっていますが、そうとはいえ、長期的な禁酒ができないということではありません。禁酒を長くできればできるほど、禁酒を続けることができるようになります。人生を通してアルコールへの欲求を感じることがあるかもしれません。アルコール依存症の人の中には、わずかな間でも禁酒できない人もいます。

アルコール依存症は、社会的、経済的、公衆衛生上の問題であり、全ての不自然死の半数、交通事故の半数に関連していると言われています。アルコールと他の薬を混合して自殺する人が多くいます。アルコール依存症に関連した長期的な合併症で亡くなる人もいます。アルコール依存症の様々な合併症の結果として、アルコール依存症の人の寿命は平均して15年短いと言われています。

飲酒をやめれば、アルコール関連の健康問題は管理されるか、予防することができます。しかし、肝臓やすい臓のような内臓の疾患は永久的なものである可能性があり、死に至ることもあります。

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