睡眠障害:診断と治療の説明

その他

自分が良く眠れていないということはわかっているけれど、理由がわからない場合。

まず、医師が検査をし、何が起こっているのか状況を説明してくれます。その医師は、次のような質問をするかもしれません。

・どのような病気を持っていますか?
・現在服用している薬は何ですか?
・最近どのくらいストレスを感じていますか?
・どのくらいの量のアルコールを摂取していますか?
・どのくらいの量のカフェインを摂取していますか?

もしすでに十分な睡眠をとったり、寝室を休むために適した空間にすることなどを試してみたなら、医師は睡眠検査室に行ってさらに検査を受けることを薦めるかもしれません。これには、一晩か二晩かかるでしょう。

睡眠検査室では、睡眠中のあなたの心臓、脳、動き、呼吸パターンを記録するモニターにつなげられます。睡眠の専門家が結果を再考察し、それらが何を意味しているかをあなたに伝えます。

治療

あなたの治療は、あなたが持っている睡眠障害の種類によって決まります。

不眠症

はじめにできることは、睡眠習慣を変えることです。例として、次のようなものが挙げられます。

・毎晩同じ時間にベッドに入り、毎朝同じ時間に起床する。
・日中に仮眠をとらない。
・ストレスの多い家事や話し合いは、寝るかなり前にやめる。
・就寝時間前はリラックスする。深い呼吸や祈り、穏やかなストレッチ、瞑想、日記をつけたりしてみる。
・寝室は暗く、静かに、涼しく保つ。必要に応じて耳栓や目隠しを使う。
・寝られない時は、別の部屋に移動して読書をしたり、何かリラックスできて静かなことをする。
・カフェインは控える。
・寝る前はアルコールを飲まない。
・禁煙する。
・定期的に運動をし、健康的な食生活を維持する。
・就寝時間前は大きな食事を避ける。
・パソコンやスマートフォンなど、電子機器はベッドから除く。

概日リズム睡眠障害

これらは、体内時計が「オフ」になっているという意味で、時差ぼけのようなものです。治療法は具体的な概日リズム睡眠障害の種類によって決まり、これは就寝時間や起床時間の調整や、適時におけるメラトニンの使用、高照度光療法などが含まれるかもしれません。

いびき

次のようなことを試してみましょう。

・横向きに寝る。
・飲酒や喫煙を控える。
・睡眠薬やその他の鎮静剤の使用は避ける。
・もし肥満なら、減量をする。
・持っているかもしれないアレルギーや鼻づまりはすべて、治療を受ける。

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群を持っていると、夜間に数回、一時的に呼吸が止まります。余分な体重を落とすことで少し症状は落ち着くかもしれません。また、アルコールや睡眠薬は控えましょう。

CPAP装置が必要か、医師に尋ねてみましょう。(CPAPは、持続的気道陽圧法のことです。)CPAPでは、寝ている間にマスクをはめ、そのことで喉の空気圧を上げます。これを使うことによって気道をもっと開くことで、快適に眠ることができるようになります。CPAPの処方と経過観察をしてもらうには、睡眠検査室に行かなければなりません。その他のPAP(気道陽圧)装置には、2段階の空気圧が使えるBiPAP(二相性陽圧呼吸装置)や、さまざまな段階の空気圧が使えるVPAPなどがあります。

睡眠中に下顎を前に出しておくための歯の矯正器具を着用すると効果があるという人もいます。

他の人は、体内埋め込み型の装置が現在利用可能です。上気道刺激装置と呼ばれるその装置は、気道筋をコントロールする神経に軽い刺激を与え、それらを開き続けさせます。また、睡眠時無呼吸症候群のための手術もいくつかあります。

ナルコレプシー

ナルコレプシーを持っている人は、寝たくないのに寝てしまいます。重要な予定の前など、計画的な仮眠をとることで落ち着くかもしれません。

また、眠らずにいることができ、起床時の突然の筋制御機能の消失を治療するための薬を医師は処方するかもしれません。

むずむず脚症候群

カフェインの摂取量を減らすことで症状が和らぐかもしれません。また、寝る前に温かいお湯に浸かったりリラックスしたりするのも良いでしょう。脚に温湿布や冷湿布を貼ると、楽になるかもしれません。鉄分不足であれば、鉄分サプリメントも効果的かもしれません。

悪夢や夜驚症

お子さんが悪夢を見たり夜驚症を持っていたりする人は、慰めてあげましょう。もしこれらの夢が頻繁に起こったり深刻なものである場合は、お子さんの医師に伝えましょう。

妊娠と睡眠

妊娠中に睡眠の質が悪くなるのは普通のことです。午後に仮眠をとったり、温かい牛乳を飲んだり、寝る前に(熱いものではなく)温かいお湯に浸かりましょう。日中に運動をすることも効果があるでしょう。運動プログラムを始める前に医師に確認しましょう。

寝る時は、横向きになり、頭と腹部をクッションで支え、膝の間にもうひとつクッションを挟んだほうが心地良いかもしれません。また、胎児に血液と栄養分が届きやすくなるため、左側を下にして寝ると良いでしょう。

妊娠中は、医師に相談せずに睡眠薬や漢方薬を服用することは絶対に避けましょう。

年齢

睡眠パターンにおける変化は、一般的な老化のプロセスの一部であり、必ずしも睡眠障害と関係があるとは限りません。

年齢にかかわらず、運動をすると快適に寝られます。

夜にあまり眠れない高齢者は、午後の仮眠をすると良いかもしれません。仮眠をとり過ぎると夜眠れなくなるので、ほどほどにしましょう。

特に朝など、日中は太陽の光を浴びましょう。

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