喘息とアレルギー

症状

多くの場合、喘息とアレルギーは密接に関連しています。喘息は、肺まで続いて、空気の通り道である気管が枝分かれたした部位(気管支)の病気になります。喘息の種類は複数あります。

アレルギー性喘息とは、(例えば花粉やカビ胞子等の)アレルギーによって引き起こされる喘息のことです。American Academy of Allergy, Asthma and Immunologyによると、喘息をもつアメリカ人2500万人のうち、多くはアレルギーももっており、この症状はアレルギー性喘息と呼ばれています。

通常空気は、鼻と気管を通り、気管支へ流れ込むことで体内に送り込まれます。気管支の終わり端には、血液に新鮮な空気(酸素)を送り込む、肺胞という空気嚢があります。この空気嚢は、身体から息として吐き出す、新鮮でない空気(二酸化炭素)を集めることもします。通常の呼吸では、気道の周りを取り囲む筋肉の帯は緩んでおり、空気は自由に動き回ることが出来ます。しかし、喘息発作の時は、空気が自由に気道の中へ入り込めなくなります。その主な変化は、以下の三つです。

・気道の周りを取り囲む筋肉の帯が緊張状態となり、気管支痙攣を引き起こします。
・気道内部が腫れる、もしくは炎症を起こします。
・気道内部の細胞が、通常よりも粘度の高い粘液を、通常よりも多く分泌します。

狭くなった気道によって、肺から空気が出たり入ったりすることが困難になります。結果的に、喘息をもっている人は十分に空気を得られないと感じます。これらの変化全てが呼吸を困難にしているのです。

喘息の最も一般的な症状は何か

前述した三つの変化が気道で起きると、喘息の症状が襲ってきます。長い期間、喘息の症状が出ない人もいれば、毎日症状が出る人もいます。喘息の一般的な症状としては、以下のものが含まれます。

・特に夜分、頻繁に咳をする
・呼吸が浅くなる
・喘鳴がある
・胸部の圧迫感や痛み

喘息をもっている人全員が同じ様に同じ症状をもつわけではありません。前述した喘息の症状に全て当てはまらないかもしれませんし、時によって症状が異なるかもしれません。喘息の発作の度に症状が変わるかもしれません。ある発作の時は症状が軽くても、別の発作の時は症状が重いかもしれません。

軽度な喘息の発作の方が一般的です。ほとんどの場合、数分から数時間も経てば気道が広がります。重度な発作はそこまで一般的ではありませんが、発作は長時間続き、即座に医療の措置が必要になります。軽度の症状であってもしっかりと識別し治療を施し、重度な発作を防ぎ、喘息を制御することが重要です。

アレルギーと喘息に苦しめられている場合、アレルギーを引き起こす原因となる物質に反応してしまうことは、喘息の症状を悪化させることに繋がります。

喘息の発作における初期兆候は何か

初期兆候はもっと目立つ喘息の症状よりも前に表れ、喘息が悪化していることを示す、一番早い信号になります。喘息の発作における初期兆候と症状には、以下のものが含まれます。

・特に夜分、頻繁に咳をする
・すぐに息切れしてしまう
・運動している時に、喘鳴、咳、息切れに加え、過度な疲れや脱力感を覚える
・故意に息を吐いた時に肺からどれだけ速く空気が出てくるかを計る最大呼気流量が減少したり、変化したりする
・風邪、その他上気道の感染症やアレルギーの兆候
・睡眠困難

これらの喘息の症状に一つでも当てはまるものがあれば、重度な喘息の発作を防ぐために出来るだけ早く治療をしましょう。

どのような人が喘息になるのか

誰でも喘息になり得ますが、遺伝で引き継がれる傾向が高いです。アメリカでは推定2500万人もの大人や子どもが喘息をもっています。この病気は拡大していっています。

何が喘息を引き起こすのか

喘息は、複数の要因によって引き起こされる、気道における病気です。喘息をもっている人の気道は非常に敏感で、「誘因」と呼ばれるような数多くのものに反応します。大抵、これらの誘因と接触することで、喘息の症状が出ます。

喘息の誘因は様々な種類があります。反応は人によって、また、その時その時に応じても異なります。ある人は多くの誘因をもつ一方、同定できる誘因を全くもたない人もいます。喘息を制御するために最重要な見方の一つは、誘因を可能な限り避けることです。

一般的な喘息の誘因と言われるものは以下のものを含みます。

・感染:風邪、インフルエンザ、副鼻腔感染症
・運動:子どもに多い
・気候:冷気、気温の変化
・タバコの煙や空気汚染
・アレルゲン:イエダニ、花粉、ペット、カビ胞子、食物、ゴキブリを含む、肺にアレルギー反応をもたらす物質
・埃や埃の出るもの
・化学物質から出る強い臭い
・激しい感情:不安、または号泣、怒鳴る、もしくは大笑いする
・薬物:高血圧、片頭痛、緑内障等の状態を治療するために用いられるアスピリン、イブプロフェン、β(ベータ)遮断薬

どのようにして喘息と診断されるのか

喘息か否かを診断するために医師が利用する検査は多くあります。最初に、医師は病歴と症状を確認し、身体検査を行います。その後、以下の項目を含む、肺の通常の調子を見るための検査が行われることがあります。

・肺を撮影する、胸部X線(レントゲン)検査
・肺機能検査(肺活量測定):肺がどれだけ正常に空気を吸い込み、正常に空気を吐き出せるか(肺機能)を測定する検査。患者は唇でくわえた菅に息を吹き込む。
・最大呼気流量:肺から空気が吐き出される時の最高速度を測定する検査。患者は最大呼気流量計と呼ばれる装置を手に持って吹き込む。
・メサコリン誘発試験:気道を狭める刺激物であるメサコリンに気道が敏感であるかをみる検査。
・アレルギー検査、血液検査、副鼻腔のX線(レントゲン)撮影、その他画像スキャン、食道(喉)pH試験等、他の検査も受けさせられる可能性があります。これらの検査は、他の条件が喘息の症状に影響を与えていないか、医師が見られるようにします。

喘息の治療法は何か

喘息の誘因を避け、薬を服用し、日々喘息の症状を監視することによって、喘息の発作は防げますし、最低でも減らすことは出来ます。しっかりと喘息を管理するための基本は、正しく薬を服用することにあります。喘息を治療する薬は、気管支拡張薬、抗炎症薬、ロイコトリエン調整薬、免疫刺激剤等があります。

喘息を完治させることは可能か

喘息を完治させる方法はありませんが、治療したり制御したりすることはできます。多くの場合、喘息をもつ人は治療計画に従うことで、症状に悩まされることなく生活することができます。

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