心的外傷後ストレス障害(PTSD)の症状

症状

心的外傷後ストレス障害(PTSD)の症状は、あなたの日常生活に大きな影響を及ぼす可能性があります。

ほとんどの場合、衝撃的な出来事があった後1ヵ月以内に症状が現れます。しかし、ごくまれに、症状が出始めるまでに数ヶ月もしくは数年かかる場合もあります。

PTSDを持っている人の中には、症状があまり現れていない期間が長く、それに続いて悪化する期間があるという人がいます。その他の人は、常に重い症状を抱えています。

PTSDの具体的な症状は個人によって大きく異なりますが、一般的には次のカテゴリーに分類されます。

再体験

再体験は、PTSDで最も多く見られる症状です。これは、次のような形で衝撃的な出来事を不本意かつ鮮明に思い出した時に起こります。

・フラッシュバック。
・悪夢。
・繰り返し起こる、痛ましいイメージや感覚。
・痛みや発汗、吐き気、震えなどの身体的感覚。

自分の体験に対して常に否定的な考えを持ち、その出来事を受け入れることを邪魔するような質問を何度も自分自身に問いかける人がいます。

例えば、なぜその出来事が自分に起こったのか、それを阻止するためにできることはあったのかを考えるかもしれず、このことは罪悪感や恥などの感情につながります。

回避と感情の麻痺

その衝撃的な出来事について思い出させられることを避けようとすることも、PTSDにおいて重要な症状です。これはたいてい、そのトラウマを思い出すような特定の人や場所を避けたり、その体験を誰にも話さないようにすることなどを指します。

PTSDを持っている人の多くは、その出来事の記憶を消そうとし、仕事や趣味をすることで気を紛らせることが多いです。

中には、何も感じないようにすることによって自分の気持ちに対処しようとする人がいます。これは、感情の麻痺として知られています。このことは、その人が孤立し、引きこもることにつながり、また、以前は楽しんでいたこともしなくなるかもしれません。

過覚醒(「ピリピリしている」感覚)

PTSDを持っている人は、非常に心配をし、リラックスすることが困難かもしれません。また、常に脅迫に対して身構えていて、驚きやすいかもしれません。このような気持ちは、過覚醒と呼ばれています。

過覚醒は、次のようなことに発展する可能性が高いです。

・怒りやすい性質。
・激しい怒りの爆発。
・睡眠問題(不眠症)。
・集中することが困難。

その他の問題

PTSDを持つ人の多くは、次のようなものを含む他の問題もたくさん抱えています。

・うつ病や不安神経症、恐怖症など、他の精神衛生上の問題。
・薬物乱用やアルコール乱用など、自傷行為や自己破壊的な行為。
・頭痛やめまい、胸痛、腹痛など、他の身体症状。

PTSDは、仕事上の問題や人間関係の崩壊につながることがあります。

子供におけるPTSD

PTSDは、大人と同様に子供に起こる可能性があります。PTSDを持つ子供は、睡眠の問題や動揺するような悪夢など、大人と似た症状を持っています。

また、大人と同じで、PTSDを持つ子供も以前は楽しんでいたことに興味がなくなり、頭痛や腹痛などの身体症状が現れる可能性があります。

しかし、次のような子供特有の症状もいくつかあります。

・おねしょをする。
・親や他の大人から離れることに対して、異常に不安を覚える。
・遊びを通して衝撃的な出来事を再現する。

医師の診察を受けるタイミング

衝撃的な出来事が起こった後に動揺するようなことや混乱するようなことを考えてしまうのは普通ですが、ほとんどの人は数週間でこれが自然と治まります。

あなたもしくはあなたのお子さんが、衝撃的な出来事が起こった約4週間後にまだ問題があったり、症状が特に厄介だったりした場合には、医師に診てもらいましょう。

医師は、なるべく詳しくあなたの症状について話し合いたいでしょう。最近もしくは過去にあなたが衝撃的な出来事を経験したことがあるか、また、フラッシュバックや悪夢を通してその出来事を再体験したことがあるかを医師は尋ねてくるでしょう。

関連記事一覧