禁煙して心臓を健康に

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長年喫煙してきた人であろうが、最近喫煙し始めた人であろうが、心臓の健康のために禁煙をしましょう。心臓に関して言うなれば、遅くても禁煙した方が喫煙し続けるよりも良いのです。禁煙してからすぐに身体の機能が改善していくでしょう。

禁煙によって心臓が得る利点は数多くあります。タバコの煙を吸い込む度に、心拍数と血圧は一時的に上昇します。それによって、心臓にかかる負担は大きくなり、心臓は過剰に機能してしまいます。
長期間に及ぶ喫煙がもたらす被害は他にもあります。

・動脈が詰まる
・血液凝固が促進される
・肺がやにまみれになる
・血液濃度が高まる
・骨が脆くなる
・炎症が促進される
・消化器官が弱まる

今すぐ禁煙すれば、すぐにその効果は表れるでしょう。喫煙を止めてから20分後には、血圧と心拍数が落ち着きます。2、3週間で血流が改善します。

心臓疾患を発症する可能性も下がります。喫煙しないで一年経ったならば、その期間喫煙していた場合と比べて心臓疾患を患う可能性は半分になります。五年も経ったならば、喫煙したことがない人と発症する可能性はほとんど同じになります。

喫煙がどのようにして心臓に負担をかけるか

タバコに入っている物質は心臓に様々な方法で負担をかけます。

肺から血流へと入っていく有毒ガスである、一酸化炭素がタバコには含まれています。一酸化炭素は赤血球から酸素を奪うので、臓器や組織に悪影響を及ぼします。また、動脈壁を硬く凝った状態にするので、心臓発作を引き起こす原因となりかねません。

中毒性のあるニコチンはタバコにも電子タバコにも含まれます。ニコチンは血管を狭めます。また、血圧と心拍数を一気に上昇させます。心臓は通常よりも血液を強く、速く送り出さないといけないのです。

加えて、喫煙は体内で化学変化を引き起こします。血液の中にある血小板という細胞は、有毒なタバコの構成物質と反応すると凝集します。このことで血液はより濃く、粘度の高いものとなります。心臓が血液を身体中に巡らせることがより困難になります。

喫煙によって、コレステロール値も急激に上昇します。タバコの煙はLDL値、 別名悪玉コレステロール値とトリグリセリドと呼ばれる血中脂質の値を上げます。これらはプラークが動脈内で生成される原因となります。同時に、HDL、つまりプラーク生成を制御する善玉コレステロールを低下させます。

喫煙中そうであったように、血圧が高いと、動脈が引き伸ばされ、傷付きます。内壁が傷付くことで、プラークを育成させ、粘度の高い血球と結合させてしまいます。これらは全て血液凝固の可能性へと繋がり、血液が心臓や他の臓器に流れるのを妨げてしまう恐れがあります。それによって心臓発作や脳卒中が引き起こされかねません。

また、喫煙は肺も傷付け、呼吸を困難にします。しなければならない運動の妨げとなってしまいます。健康を維持し、たくましくあるためには毎週約150分間の運動が必要です。

禁煙生活で得られる恩恵

幸運なことに、タバコがもたらす被害の多くは可逆的です。禁煙すれば、血液凝固の恐れは下がります。悪玉コレステロールは低下し、善玉コレステロールは上昇します。これは新しいプラークが沈着していくのを遅めることに繋がります。

2週間以内に、息切れをしなくなるので、運動するのが楽になっていることに気付くかもしれません。ここから数ヶ月の間で、深呼吸ができるようになるでしょう。空咳も治まるでしょう。

禁煙直後に多少体重が増えたとしても、心配はありません。多くの人が最初に禁煙した時はタバコの代わりに食事を摂るようになります。しばらくすれば、気持ちも身体も禁煙生活に慣れていくでしょう。運動量が増えて、食習慣が改善したら、体重も制御できるでしょう。

心臓疾患がある場合でも、禁煙した方が良いでしょう。心臓発作後に禁煙したならば、再び心臓発作を起こす確率を半分に抑えることが出来ます。バイパス手術の後に禁煙したならば、動脈の健康維持と、更なる血管の詰まりや病気を防ぐことに繋がるでしょう。

禁煙したら、副流煙による健康上の危機から友人や家族を守ることにもなります。

どのようにして禁煙するか、医師に相談しましょう。助言をしてくれたり、援助を提供してくれるプログラムを紹介してくれるでしょう。

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