帝王切開ーテーマに関する概要

症状

帝王切開とは何でしょうか?

帝王切開とは、母親の腹部と子宮を切ること(切開)によって、赤ちゃんを出産することです。多くの場合、母親は、出産の間、意識を保っており、出産直後に新生児と一緒にいることができます。C-section camera.gifで、出産時の写真を見てください。

妊娠した場合、産道を通して赤ちゃんを産む可能性は高いです。これを普通分娩といいます。しかし、母親や赤ちゃんの安全のために、帝王切開が必要な場合があります。そのため、普通分娩を考えていても、予期せぬ事態が発生した場合に備えて、帝王切開について知るのは、良い考えでしょう。

いつ帝王切開が必要になるでしょうか?

帝王切開は、事前に計画される場合もあれば、計画されないこともあります。しかし、陣痛時に発生した問題のために、帝王切開が行われることがほとんどです。以下のような理由により、計画外の帝王切開が必要になることがあります。

・遅く、激しい陣痛。または、陣痛が完全に止まった。
・赤ちゃんの心拍数がとても速い、またはとても遅いなど、困難のサインがある。
・胎盤やへその緒の問題により、赤ちゃんが危険に晒されている。
・赤ちゃんが大きすぎて、普通分娩ができない。

事前に問題が分かっている場合は、帝王切開が計画されます。以下のような理由により、計画された帝王切開を行うことがあります。

・予定日が近づいても、胎児が、頭が下の体勢にならない。
・母親が、心臓病など、陣痛の圧力により、症状が悪化する可能性がある病気を患っている。
・母親が、普通分娩により、胎児が感染する恐れのある感染症を患っている。
・複数の胎児を妊娠している(多胎児妊娠)
・以前に帝王切開を行い、今回も同じ問題がある。または、陣痛によって傷口が開く、子宮破裂の恐れがあると考えられる。

過去に帝王切開をした女性でも、次の子を、産道を通して出産できる場合があります。これは、帝王切開後経膣分娩(VBAC)と呼ばれています。以前、帝王切開をした場合でも、今回、帝王切開後経膣分娩が可能かどうか、医者に相談してみましょう。

過去40年間で、帝王切開の頻度は、全出産20回のうち1回程度から、3回に1回程度にまで跳ね上がりました。このような傾向から、専門家は、必要以上に帝王切開が行われているのではないかと心配しています。帝王切開はリスクを伴うため、医学的な理由がある場合にのみ行われるべきだと彼らは考えています。

帝王切開のリスクにはどのようなものがあるでしょうか?

帝王切開を行った母親と新生児のほとんどは、術後、順調に経過します。しかし、帝王切開は、大手術であるため、通常の普通分娩よりもリスクが高いです。帝王切開の潜在的なリスクには以下のようなものがあります。

・切開部や子宮の感染症
・激しい失血
・母親の脚や肺での血栓の形成
・母親や新生児の損傷
・吐き気、嘔吐、激しい頭痛など、麻酔による問題
・予定日前の出産の場合、新生児の呼吸障害

帝王切開の傷がある女性が再び妊娠した場合、陣痛中に、その傷口が開く、子宮破裂のリスクは低いです。また、前置胎盤など、胎盤に問題が発生するリスクは、わずかに高いだけです。

帝王切開はどのように行われるのでしょうか?

帝王切開の前には、IVと呼ばれる注射を母親の静脈に打ち、術中に必要な液体や、必要であれば薬剤を体内に投与します。その後、硬膜外麻酔薬または脊椎麻酔薬を投与され、腹部と脚に麻酔をかけます。術中、母親を眠らせる、即効性の全身麻酔は、緊急時にのみ使用されます。

麻酔薬が効いてきたら、医者が切開をします。通常、下腹部の陰毛のラインのすぐ上を、腹部を横断するように切開します。これは、「ビキニカット」と呼ばれることがあります。時には、へそから恥部に向かって切開がされることがあります。C-section incisions camera.gifで写真を見てください。新生児を取り上げたあと、胎盤が取り除かれ、糸で切開部がとじられます。

帝王切開から回復するまでにどれくらい時間が必要でしょうか?

帝王切開後3日から5日で退院する場合がほとんどですが、完全に回復するまでには、4週間以上必要でしょう。それに対して、普通分娩の場合は、1、2日で退院し、1、2週間で通常の活動を行えるようになることがほとんどです。

退院前には、看護師が、切開部の手入れの方法や、回復期に予想されること、そして、医者に知らせなければならない時について教えてくれるでしょう。帝王切開を行った際の、一般的な注意点は、以下の通りです。

・切開部が治る間、気楽に構えるようにしましょう。激しく引っ張る、激しい運動や、腹筋運動は避けましょう。家事、料理、買い物の際には、家族や友人に助けを求めましょう。
・1、2週間は、下腹部に痛みがあり、鎮痛剤を服用しなければならないかもしれません。
・数週間は、膣出血があるかもしれません。(タンポンではなく、生理用ナプキンを使用しましょう)

熱、赤い筋、切開部からの膿など、問題や感染症のサインがある場合には、医者に相談しましょう。

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