慢性的な過度の飲酒がもたらす12の健康リスク

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アルコール消費が肝硬変や自動車事故による怪我など重大な健康上の問題を引き起こすことは明らかです。しかし、あなたが飲酒による唯一の健康リスクは肝疾患や自動車事故だけと考えているならもう一度考え直してみましょう。研究者は飲酒を60以上の病気と関連付けているのです。

「アルコールは体内でいろいろな事を行っており、私達はそのすべての効果を十分に理解していません」と、ノースカロライナ大学チャペルヒル校医学部の精神医学教授および大学のボウルズ・アルコール研究センターの研究者であるジェームス C. ガルバット(James C. Garbutt)医師は述べています。 「かなり複雑な小さな分子なのです。」

ここには、慢性の過度の飲酒に関連する12の状態があります。

貧血

過度の飲酒は、酸素を運ぶ赤血球の数を異常に減少させる可能性があります。貧血として知られているこの状態は、疲労、息切れ、眩暈を含む多くの症状を引き起こす可能性があります。

「習慣的な飲酒は癌のリスクを高める」とトロント大学の中毒政策学主任教授およびトロント大学付属中毒および精神保健センターの上席研究員であるのユルゲン・リーム(Jurgen Rehm)博士は述べています。研究者は、体内でアルコールを有力な発癌物質であるアセトアルデヒドに変換するのでリスクが増加すると考えています。アルコール使用に関連する癌部位には、口、咽頭(咽喉)、喉頭(声帯)、食道、肝臓、乳房、および結腸直腸領域が含まれます。多量の飲酒をする人が喫煙する場合、発癌リスクがさらに上昇します。

循環器疾患

過度の飲酒は血小板を血栓に凝集させる可能性が高くなり、心臓発作または脳卒中を引き起こす可能性があります。2005年に発表された画期的な研究において、ハーバード大学の研究者は過度の飲酒は心臓発作を生き延びた人々の間で死の危険性を倍増させることを発見しました。

過度の飲酒は、心筋を弱め最終的には心機能が低下する致命的な可能性のある状態である心筋症、ならびに心房細動および心室細動などの心臓リズム異常を引き起こス可能性があります。心房の上室(心房)が周期的に収縮するのではなく、無秩序に痙攣する心房細動は、脳卒中を引き起こす血栓を発生させる可能性があります。心室細動は、心臓の主なポンプ室(心室)に無秩序な痙攣を引き起こし、急速な意識喪失、即時治療がなければ突然死を引き起こすのです。

肝硬変

アルコールは肝臓細胞に有毒であり、多くの過度な飲酒者は肝硬変を発症しています。これは、肝臓が非常に傷ついて機能しなくなり、時には致命的な状態になります。しかし、どの飲酒者が肝硬変になるかを予測するのは難しい問題です。 「大量に飲酒する人でも肝硬変を起こさない人もいれば、それほど飲まない人でも発症する人がいます」とサイツ(Saitz)氏は言います。何らかの未知の理由により、女性は特に発症しやすいようです。

痴呆

加齢とともに人々の脳は平均して10年で約1.9%の割合で収縮します。これは正常な現象です。しかし、飲酒量が多いと、脳の特定の主要領域の収縮が早まり、記憶障害や痴呆症の症状を引き起こします。

大量の飲酒はまた、「人間としての機能を最大限に発揮させる高次能力」である「実行機能」、計画立案、判断、問題解決などの衰弱につながる可能性があります、とGarbuttは言います。

脳の萎縮に由来する「非特異的」認知症に加えて、過度の飲酒は栄養失調を引き起こし、他のタイプの認知症を誘発する可能性があります。

うつ病

大量の飲酒はしばしばうつ病と関連していることは長いこと知られていますが、飲酒とうつ病のどちらが最初の原因かについては議論があります。一つの理論は、うつ状態にある人々が、自分の感情的な痛みを緩和するために「自己投薬」しようとアルコールを摂取するようになったとする考えです。しかし、ニュージーランドの大規模な調査によると、これはおそらく逆であったようです。すなわち、飲酒が多いとうつ病につながるのです。

Saitz氏によれば、大量に飲酒していた患者が禁酒するとうつ病が改善すると研究は示しています。

痙攣

重度の飲酒はてんかんを引き起こし、てんかんを持たない人でも痙攣を引き起こす可能性があります。アルコールはまた、痙攣を治療するために使用される薬物の作用を妨げる可能性があります。

痛風

痛みを伴う状態である痛風は関節の尿酸結晶の形成によって引き起こされます。一部の症例は大部分が遺伝性ですが、アルコールおよび他の食事が原因となっているものもあります。さらに、アルコールは既存の痛風の症例を悪化させるようです。

高血圧

アルコールは、とりわけ、ストレス、温度、運動などに反応して血管の収縮および拡張を制御する交感神経系を破壊する可能性があります。重度の飲酒は、血圧を上昇させます。時間が経つと、この効果は慢性になります。高血圧は、腎臓病、心臓病、脳卒中を含む多くの他の健康問題につながる可能性があります。

感染症

過度のアルコール摂取は、結核、肺炎、HIV /エイズ、およびその他の性感染症(不妊症の原因を含む)などの足がかりとなる免疫系の抑制を引き起こします。アルコールを大量に飲む人は、危険な性行為をする傾向が高いので、 「過度の飲酒は、性感染症のリスクを3倍に上昇させることに関連している」と、Rehmnは語ります。

神経損傷

過度の飲酒は、アルコール性神経障害として知られる一種の神経損傷を引き起こすことがあり、四肢の筋肉の衰弱、失禁、便秘、勃起障害やその他の問題とともに痛みを伴うしびれの感覚や末端のしびれを引き起こす可能性があります。アルコールは神経細胞に有毒であるため、または激しい飲酒に起因する栄養欠乏が神経機能を損なうため、アルコール性神経障害が起こり得ると考えられています。

膵炎

胃の炎症(胃炎)を引き起こすことに加えて、飲酒は膵臓を刺激します。慢性膵炎は消化過程を妨げ、重度の腹痛や持続的な下痢を引き起こします。そして、「それは治療できません」とSaitzは言います。慢性膵炎のいくつかの症例は胆石によって誘発されますが、60%はアルコール消費に起因します。

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